企業研修

posted:2018 03.22

updated: 2022 10.21

新人研修を成功させチームビルディングを促進するカギは流れのあるゲーム展開

古賀令奈
新人研修を成功させチームビルディングを促進するカギは流れのあるゲーム展開

新人研修を担当されるみなさま、こんにちは。キャンプ場のお姉さんとして活動した経験をもち、ビジネスから美容まで貪欲に書く雑食ライターの古賀です。

私は大学時代、キャンプカウンセラーと呼ばれるボランティア活動をしていました。これは、いわゆる“キャンプ場のお姉さん”のこと。薪に火をつけたり、料理指導をしたり、キャンプファイアーをしたりと、お客様のサポート役をしていたのですが、なかでも勉強になったのがゲームです。

そのとき教わったのが、ゲームには「流れ」が重要だということ。初対面のお客様が自然と打ち解けていき、最後は仲間としての絆を深められるように、それぞれのタイミングに適したゲームを組み合わせるよう指導されました。

この教えは、新人研修にも十分に生かせるものです。数種類のゲームを組み合わせて、新入社員たちが主体的に楽しめるゲーム展開を考えてみましょう。

投げっぱなしの企画はNG!流れのある企画構成を

新入社員にとって、研修は緊張の連続。そんな中で唯一の希望ともいえるのが、レクリエーションです。新入社員向けのレクリエーションというと、BBQや飲み会、ボーリング大会などの企画が目立ちますが、研修の効率アップを狙うならば、こうした企画はナンセンス。

お酒の力で歓談が弾むBBQや飲み会などは、コミュニケーションの向上には効果的かもしれませんが、反対にそれ以上の効果は期待できません。チーム対抗のボーリング大会は盛り上がるかもしれませんが、ただ勝敗を競うだけになりやすく、チームビルディングの実現は難しいでしょう。

そもそも、チームビルディングとは、仲間が一丸となって、一つのゴールに向かっていける組織づくりのこと。各々が主体的に個性を発揮し、真のパフォーマンスを引き出せるように働きかけることが大切なのです。

まずは、緊張をほぐす「アイスブレーキング」

最初は、こわばった心と体を解きほぐすことを目的に、「アイスブレイク」をおこないます。自己紹介や他己紹介といった参加しやすいゲームから始めると抵抗が少ないでしょう。ゲームを通して緊張が和らぐだけでなく、仲間の名前や特徴を覚えられるようになるので導入に最適です。

誰でも無理なく楽しめる「GOOD & NEW」

真面目な新入社員のなかには、ゲームに強い抵抗を感じている人もいるかもしれません。そこで、最初のゲームとして取り入れやすいのが「GOOD & NEW」です。

ルールはとてもシンプルで、一般的な自己紹介に加えて、24時間以内にあった“よかったこと”もしくは“新しいこと”を話すだけ。研修の感想やプライベートの話題など好きな内容を言えるので、誰もが無理なく参加できます。

プレゼンの練習にもなる!?「他己紹介」

自己紹介の次は、「他己紹介」で一歩踏み込んだ関係づくりを。まず、二人組みをつくったら、ファシリテーター(司会者)がお題を出し、それについて2分間ずつ互いに自己紹介をしてもらいます。

終わったら、全体に向けて相手の紹介をお願いします。ポイントは、ファシリテーターが「具体的なエピソードも盛り込んで、相手を魅力的に伝えてくださいね」と声掛けすること。

これによって、相手をより深く理解しようとしますし、発表に向けての緊張感が高まり、プレゼンの練習にもつながるでしょう。

笑いあえる関係をつくる「ディインヒビタイザー」

アイスブレイクで緊張がほぐれたら、「ディインヒビタイザー」に移ります。これは「抑制をとる」という意味で、心の壁を下げるためにちょっと恥ずかしいゲームをおこない、互いに笑いあえる関係性を育みます。

アイスブレーキングよりもさらに深く心と体をほぐし、失敗を恐れずに行動できる基礎をつくります。では、ディインヒビタイザーに適したゲームにはどんなものがあるのでしょうか。

恥ずかしいから盛り上がる「スピードラビット」

「スピードラビット」は、鬼を中心に全員で円になり、鬼の指名を受けた人とその両隣の人が協力してポーズや鳴き声を真似するゲームです。真似する動物は「うし」「うま」「うさぎ」のいずれか一つ。

例えば、鬼がAさんに「うし」とコールしたら、A さんは親指を立てて下に向けて手を組み、両脇の人が指を絞りながら、3人で「モ〜」と鳴き真似をします。この形が間違っていたり、鳴き真似をしていなかったりするとアウト。その人が鬼になります。

「うま」の場合、Aさんはジャッキーになり、右隣の人は馬の顔、左隣の人は馬のお尻になります。「うさぎ」なら、Aさんは耳になり、両脇の人は足になります。うさぎは鳴かないので、事前に鳴き声を決めておきましょう。

最初は説明をおこないながら甘めの判定でおこないましょう。慣れてきたら厳しくしていったり、スピードアップしたりすると盛り上がりますよ。鬼は2人、3人でもOK。一緒に鬼になった人たちは、恥ずかしさを共有しあえるので、仲が深まりやすいでしょう。

協力して課題を解決する「イニシアチブ」

これまでのゲームで信頼関係が築けたなら、互いに協力しあって課題を解決する「イニシアチブ」を取り入れましょう。一人では解決できない精神的・身体的課題を、それぞれの能力を出し合って解決することで団結力が高まります。ここでは、研修に適したイニシアチブゲームを紹介します。

グループ戦で競い合う「ペーパータワー」

A4の紙だけを使ってタワーを作るペーパータワー。数人ごとのグループに分かれ、その高さを競い合うゲームです。各グループに30〜40枚程度の紙を配り、タワーを作る前に10〜15分程度の作戦タイムを設けます。

作戦中は紙を触れても構いませんが、ただし、許されるのは一枚だけ。作成時間は1分以内です。これらのルールをふまえたうえで、グループのメンバーがそれぞれ意見を出し合って作戦を考えることで、チームの結束が固まります。

ゲーム終了後は、振り返りをおこないましょう。反省点を出し合い、再度グループディスカッションをおこなってから第二回戦を始めるのもおすすめ。より戦略的なタワーづくりが楽しめるはずです。

 

楽しむ気持ちが絆を育む

新入社員の第一関門といえる新人研修。高まる緊張をほぐすためにも、レクリエーションでは、アイスブレーキングから丁寧におこない、自然な流れでチームビルディングに取り組んでもらうことが大切です。

しかし、初めてレクリエーションを担当する場合、何種類ものゲームを構成するのは、難しいかもしれません。不安がある場合は、プロに頼めばスムーズな展開を実現してくれます。楽しいレクリエーションを提供し、生まれたての絆を大切に育てていきたいですね。

 

チャンバラ合戦-戦 IKUSA-公式サイトはこちら

 

関連記事:

チームビルディングを達成する3つの方法とは?具体例を交えてご紹介!

 

 

参考

チームビルディング・アクティビティの種類 | 日本チームビルディング協会 -JTBA-
スピードラビット | アイスブレイク

 

(文:古賀 令奈)

この記事を書いた人

古賀令奈
フリーランスのライター&エディター。コスメの専門家・コスメコンシェルジュとしても活動。実は、元キャンプ場のお姉さんという顔も。インドア派なのかアウトドア派なのかわからないチグハグ人間。
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