updated: 2022
グループワークを実施する7つのメリット
目次
採用選考や内定者研修、リーダーシップ研修など、多くの場面で活用されているグループワーク。本記事では、グループワークを実施するメリット・デメリットと、効果的にグループワークを行うためのポイントをご紹介します。グループワークを選考や研修に取り入れたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
グループワークとは
グループワークは、複数人のグループで一つのテーマに向かって議論を行い、その結果をプレゼンするものです。中には議論を行うだけでなく、何かの制作物を生み出す、作業を伴うものもあります。
グループワークは、参加者のリーダーシップやコミュニケーション能力などを見ることができるため、企業のインターンシップ選考や採用選考の過程などでよく用いられます。また、グループワークを行うことによって、グループ内のメンバーのことを相互理解できるため、社内交流やチームビルディングを目的とした研修でも、グループワークは用いられています。
グループワークを実施するメリット
グループワークには、面接や講義型の研修にはないメリットがたくさんあります。ここからは、グループワークの7つのメリットをご紹介します。
本来の姿を評価できる
グループワークは、面接や書類選考とは異なり、事前の準備がほとんどできません。また、話を聞くだけの座学形式の研修とは異なり、参加者一人一人の主体的な行動によって形作られていくものです。
グループワークは、課題にぶつかったときにチーム内でどのような行動をとるかを見ることができるので、実際のビジネスの現場での振る舞いをイメージしやすくなるのです。そのため、それぞれの参加者が持つポテンシャルを、高い精度で評価できます。
一度に多くの応募者を評価できる
グループワークは、同時に複数グループで実施する場合が多いので、一度に多くの応募者を評価できます。面接だと応募者一人当たりに割く時間が長くなりますし、大人数の応募がある場合は、複数の部屋を抑える必要があります。しかし、グループワークの場合、会議室を一つ押さえてしまえば一度に数十名を評価できるので、非常に効率的な選考方法と言えるでしょう。
多くの応募者が集まる企業では、グループワークである程度人数を絞ってから面接に進める、という選考フローをとっている企業も多くあります。
求める人物像や業務内容とのミスマッチを防止できる
グループワークは、実際のビジネスの現場における打ち合わせやものづくりのフローを体感できるものです。そのため、入社後のチーム内での振る舞いを具体的にイメージできるので、企業と応募者のミスマッチを防ぐことができます。
また、特に自社の業務内容の擬似体験やビジネスをテーマとしたワークを行う場合は、参加者も、自社に対する具体的なイメージを抱きやすくなります。
グループワークは、企業と応募者の双方にとって、業務理解や企業理解を促進し、ミスマッチを防ぐ役割を果たすのです。
なりすましや印象操作を防止できる
面接は事前に対策が可能ですし、書類選考の場合、他人に添削してもらい万全の準備で臨むことができます。
しかし、グループワークは一般的にその場でテーマが発表され、見知らぬメンバーと共同で行う作業になるので、事前の準備ができません。グループワークでは、他人の手を借りて自分をよく見せようとすることができないのです。参加者のありのままの姿を見ることができるので、臨機応変な対応力や頭の回転の速さを評価しやすくなるのです。
コミュニケーション能力や主体性を測れる
経団連の調査によると、企業が新卒採用に求めるスキルの第一は「コミュニケーション能力」で、この項目は16年連続で1位となっています。また、主体性も10年連続で2位となっています。
これらの能力は、働く上でとても大切ですが、面接や書類選考ではなかなか測ることができません。しかし、グループワークを実施することで、チームで物事を進めるときのコミュニケーション能力や、自らゴールに向かって動こうとする主体性を評価することができます。面接で「私はコミュニケーション能力が高いです」と言われても説得力がありませんが、実際にコミュニケーションを取る様子を見ることで、納得のいく評価を下すことができます。
(参考:2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果|経団連)
課題解決力や思考力を養える
グループワークでは、個人の思考力や課題解決力も磨くことができます。課題解決のためのプロセスを理解しておくことや、論理的に道筋を立てて自分の意見を発表することは、ビジネスにおいて非常に重要なスキルです。個人の思考力を重点的に評価したい場合は、個人でのワークの時間を取り、一人一人にアウトプットをさせてみるのも良いでしょう。
チームプレイのスキルを磨ける
特に研修でグループワークを理由する上でのメリットが、チームプレイのスキルを磨けるということです。グループワークは、誰か一人だけのスキルがずば抜けているかといって、うまくいくとは限りません。一人で突っ走っているだけでは偏った考えになってしまったり、論理に穴が開いてしまったりします。大切なのは、メンバー同士の意見を出し合い、で一つの目標に向かって協力しあえる、チームワークなのです。グループワークを通して、仕事を進める上で必要なチームワークの大切さに気づくことができるでしょう。
グループワークを実施するデメリット
グループワークには、メリットもあれば、デメリットもあります。一般的に、以下のような点がグループワークで起こりうる弊害やデメリットとされています。
個人の能力を判別しにくい
グループワークは、同時に複数人を評価しなければならないため、個人の能力を細かいところまで把握するのが困難です。一人一人の能力や性質をじっくり判断できるものではないので、評価者は一人のメンバーにばかり注意を向けるのではなく、それぞれのメンバーの特徴を平等に観察するようにしましょう。
同調圧力がかかり発言できない人もいる
集団で行動すると、多数派の意見に従ってしまい、自分の意見をなかなか発言できないという人もいます。そもそも自分の意見を言えない人は採用しない、という方針なら良いかもしれませんが、そうでない場合、優秀な人材を見過ごしてしまうリスクがあります。話すのは苦手だけれど思考力が高い人、人の話を聞いてまとめるのが得意な人など、様々な特徴を持った人がいます。自社の求める人物像を明確にし、評価点を見誤らないように注意しましょう。
突出したメンバーが一人で進めてしまう
自主的な発言を得意とするメンバーがチーム内にいて、リーダーを担う場合、一人で議論を進めてしまう可能性があります。それではグループワークの意味がありません。研修でグループワークを行う場合は、普段リーダーをやらない人にリーダーを任せる、発言が得意な人をあえて書記に任命するなど、ファシリテーターが役割を割り振ることも一つの手です。
参加者のレベルが揃っていないと成り立たない
グループワークは、参加者同士のレベルが揃っていないと、質の低いものになってしまいます。中には、会話が全く噛み合わないというケースも。新卒採用選考の場合、判断が難しい場合もありますが、参加者同士のレベルが揃っているか、また、テーマのレベルが適切かはしっかりと考えましょう。
デメリットを解消し、効果的なグループワークを行う方法
デここからは、グループワークで起こりうるデメリット解決し、効果的にグループワークを行う方法をご紹介します。
異なるスキルを持つメンバーでグループを組む
採用選考の場合は難しいかもしれませんが、研修目的でグループワークを行う場合、参加者の特徴が事前に分かっていることが多いですよね。
グループワークを行う際は、できるだけ異なるスキルを持つメンバー同士でグループを組むのがおすすめです。リーダーシップのある人や他人の話を聞くのが上手い人、アイディアをたくさん出せる人など、様々な能力を持つ人が集まれば、互いの不足している能力を補うことができます。個性豊かなメンバーが集まることで、議論が活発になり、メンバー同士で新たな発見が生まれるので、質の高いグループワークが期待できます。
メンバーそれぞれに役割と課題を与える
「人任せになってしまう」という事態を避けるために、それぞれのメンバーにできるだけ役割を与えるようにしましょう。リーダーや書記、タイムキーパーといった役割を決めることで、責任感が生まれます。また、全員に役割を与えるのが難しい場合は、課題を設定してみるのも良いでしょう。グループワークを通しての目標を個人で設定することで、主体的な参加を促すことができます。
個人作業と共同作業を繰り返す
個人の課題分析力や思考力を重視したい、飽きさせないメリハリのあるグループワークを行いたい。そのような場合には、個人での作業と共同作業を繰り返すのがおすすめです。初めに資料を個人で読み込んでから意見を出し合う、途中で一人ひとりの意見を中間発表するなど、個人での作業と共同作業をバランス良く組み込むことで、個人としての評価とチームとしての評価の両方を適切に行えます。
グループワークの種類ごとにメリットを解説!
グループワークのメリット・デメリットをご紹介してきましたが、実は、グループワークはいくつかの種類に分けることができます。明確な定義はありませんが、ここではプレゼン型、作業型、ゲーム型の3種類に分け、それぞれのグループワークの特徴やメリットを解説していきます。
プレゼン型グループワーク
最も一般的なグループワークの形が、このプレゼン型です。採用選考でよく行われるグループディスカッションのようなイメージです。グループディスカッションとの違いは、最終的にグループとして一つの結論を導き出し、発表を行う点にあります。ディスカッションの場合は議論の過程を重点的に評価することが多いですが、プレゼン型のグループワークは、最終的な結論やプレゼンでのアウトプットも評価対象となります。
プレゼン型グループワークでは、参加者は与えられたお題に対する結論を出すために、制限時間内で議論を行い、議論の結果をプレゼンします。リーダーや書記、タイムキーパーなどの役割分担を行い、円滑に議論を進めていく必要があります。
プレゼン型のグループワークを実施することで、以下のようなメリットがあります。
- 自分の意見を言ったり人の話を聞いたりするコミュニケーション能力を評価・育成できる
- 論理的に思考し、説明する力を評価・育成できる
- チームでの課題解決プロセスを学べる
- 意見をわかりやすく伝えるプレゼン能力を評価・育成できる
プレゼン型と一言で言っても、そのテーマは課題を深く掘り下げていく課題解決型や複数の選択肢から一つの答えを選ぶ選択型など、様々なジャンルがあります。グループワークのテーマについては別の記事でまとめていますので、こちらも参考にしてみてください。
グループワークのテーマ31選!実施する際の注意点まで解説
作業型
作業型は、プレゼン型のグループワークに、具体的に何かを作る「作業」の要素を付け足したグループワークです。例えば、ホームページのリニューアル案を作る、新しいゲームアプリを作るなど、実務的なスキルが必要になる場合が多いです。中には数日間に分けて行われるものもあります。作業型のグループワークでは、議論の内容だけでなく作業の段取りや役割分担の方法も評価の対象となるでしょう。作業型のグループワークには、以下のようなメリットがあります。
- 限られた条件の中で作業をこなす時間感覚、コスト感覚を評価・育成できる
- イメージを形に落とし込む言語化能力や創造力を評価・育成できる
- 実際の業務における仲間とのものづくりの過程をイメージしやすい
- ソフトなどを扱う実務スキルを評価・育成できる
ゲーム型
最後にご紹介するのが、ゲーム型のグループワークです。ゲーム型はプレゼン型や作業型とは少し毛色が異なり、「楽しさ」の要素が強いものになります。参加者同士のコミュニケーションやチームビルディング促進を主な目的としているため、採用選考よりも新人研修や内定者研修などで行われることが多いです。
楽しく参加者同士のコミュニケーションを取れるゲーム型のグループワークには、以下のようなメリットがあります。
- 気軽に参加できる
- 参加者同士のコミュニケーションを促進できる
- 個性を尊重しながらチームで一つの目標に向かってゆく、チームビルディングを体感できる
ゲーム型のグループワークでおすすめなのが、オンラインで実施可能な謎解き脱出ゲーム、「リモ謎」です。ビデオ通話ツールを使いながら、仲間と協力して謎を解いていくゲームとなっています。オンラインでもチームビルディングを実感できるコンテンツとして、今注目を集めています。
リモ謎の魅力は、世界観に入り込んで謎解きを楽しめるところです。謎解きに使用するサイトのデザインや進行もすべて弊社で行なっているので、クオリティの高い謎解きを楽しめるのです。
企業向けのリモ謎でおすすめなのが、電脳世界をテーマにしたストーリー、「閉ざされた電脳都市からの脱出」です。
舞台は、リアルとデジタルの世界を自由に行き来できる未来。参加者は電脳都市に遊びに来ていましたが、AIのバグにより、電脳都市から出られなくなってしまいます。脱出するためには、バグにより暗号化されてしまった「緊急脱出マニュアル」を読み解き、緊急脱出装置を起動させなければなりません。制限時間60分以内にすべての謎を解き、無事に電脳都市から脱出できるのか。参加者のひらめきとチームワークが試されるゲームです。
リモ謎は、企業様のご要望に合わせて自由にカスタマイズできます。希望の脱出成功率に合わせて難易度を調整したり、謎に自社の企業理念に関わるものを織り混ぜたりできるだけでなく、ストーリーをフルカスタマイズすることも可能です。
新型コロナウイルスの影響からリモートワークが推奨されている企業が多く、なかなかグループワークを実施できないというお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。リモ謎はリモート環境でも楽しくコミュニケーションがとれるので、内定者研修などのグループワークにおすすめです。
リモ謎の資料ダウンロードはこちらリモ謎のお問い合わせはこちら
グループワークを行う際に気をつけるべきこと
グループワークのメリット・デメリットを理解した上で、グループワークの実施が決まった場合、以下のような点に注意しながら、グループワークの準備を進めていきましょう。
グループワークの目的を明確にする
まず、グループワークを行う目的をはっきりと定めましょう。「他の企業もやっているし、うちもやろうかな」という曖昧な理由では、テーマの方向性もなかなか定まりません。
グループワークを行うことで参加者のどのような点を評価したいのか、グループワークにより参加者にどうなって欲しいのか、目的をはっきりと定めることで、テーマも選びやすくなります。研修でグループワークを行う場合は、参加者にも目的を共有することで、より質の高いグループワークを行えるでしょう。
目的や参加者層にあったテーマ選びを
目的が決まったら、目的に沿ってテーマを決定していきましょう。例えば、メンバー同士のコミュニケーションを活性化させたいのであれば、堅苦しいプレゼン型のグループワークよりも、リモ謎のようなゲーム型のグループワークが向いているでしょう。逆に、しっかりとした選考を行うために、論理的思考力やビジネスの視点を取り入れたいのであれば、プレゼン型のテーマを選ぶのがおすすめです。初めに目的をしっかりと定めていれば、ぶれることなくテーマを選ぶことができます。
参加者の年齢層や傾向、時流にあわせたテーマを選ぶことで、参加者の発言が活発になり、また、議論や作業が盛り上がりやすくなるでしょう。全く馴染みのないテーマだと、一部の知識を持った人だけが盛り上がってしまったり、スマートフォンでのサリーチ中に会話が少なくなってしまったりする可能性があります。専門的な分野をテーマにする場合は、事前に読み込み用の資料を配布するなどの配慮が必要となります。
評価基準を明確にしておく
採用選考におけるグループワークでは必ず、参加者の評価基準を明確にし、主催側のメンバー間で共有しておきましょう。採用方針などに照らし合わせてどの項目を重点的に評価するかの優先づけをしておくことが大切です。
また、評価については、なるべく客観的な指標を定めるようにしましょう。
例えば、単に「発言力」「論理的思考力」などの評価基準を作っても、何をもってその能力を満たすのかという基準が曖昧になってしまいます。
「発言力」については「自分から積極的に発言をしていたか」というチェック項目を作り、発言回数に応じて評価するのも一つの手です。「論理的思考力」については、発言のみから評価するのは難しいので、考えを紙にアウトプットする形式をとれば、基準が明確になり、評価がしやすくなるでしょう。このように、どのような点を評価したいのかという目的から逆算して、選考の細かい方式を決めていきましょう。
段取りを丁寧に
グループワークでの進行がもたついてしまうと、企業に対しての悪いイメージが先行してしまいます。参加者たちも企業を評価しているのだという自覚を持ち、入念に段取りを行なっていきましょう。必要な備品の数は多めに見積もっておく、使用するプロジェクターなどの操作を細かく確認しておくなど、細部にまで気を配りましょう。
終了後は振り返りを
グループワークを実施した後は、振り返りを実施しましょう。参加者にアンケートを取り、テーマの難易度やチームワークの実感度合いなどを問いかけることで、今後のグループワーク運営の参考になります。また、研修でグループワークを実施する場合は、ワークの終了後にグループ内で振り返りを行うことで、より深い学びにつながるでしょう。
アイスブレイクを行うのもおすすめ
グループワークは、採用や内定者研修などの場面でよく活用されています。そのため、初めてのメンバー同士で行うことが多く、参加者は緊張してしまいがちです。緊張してしまうとグループ全体での盛り上がりが欠けるため、評価の判断がしづらくなったり、参加者の満足度が下がったりすることも。そんな事態を防ぐために、グループワーク前に、自己紹介や軽いゲームなどのアイスブレイクを実施するのがおすすめです。アイスブレイクを実施することで緊張がほぐれ、参加者同士のコミュニケーションが活発になるでしょう。
グループワークにおすすめのアイスブレイクは、こちらの記事でご紹介しています。
グループワークにおすすめのアイスブレイク19選! | IKUSA.JP
まとめ
本記事では、採用選考や教育研修でグループワークを行うメリットとデメリットをご紹介しました。グループワークには、他の選考フローや研修形式にはないメリットがたくさんあります。ぜひグループワークを実施してみてはいかがでしょうか。
グループワーク実施までの流れや評価できる能力については、こちらの記事もご覧ください。
グループワークとは?導入のメリットや評価のポイントを解説します