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updated: 2024 

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは?身につけるメリットや鍛え方を紹介

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは?身につけるメリットや鍛え方を紹介

 

論理的思考力(ロジカルシンキング)は、「物事を順序立てて考えることができ、正確に相手に伝えることができる」能力です。一見すると単純な能力でありながら、ビジネスシーンにおいては、問題解決能力や、プレゼンテーション能力にもつながり、社内のコミュニケーションから情報整理まで幅広く使われるスキルといえます。

しかし、単純であるからこそ、具体的にどういったスキルなのか、どうやって身につけていけばいいのかがわからない人もいるかもしれません。

今回は論理的思考力とは何か、身につけるメリット、苦手な人の特徴、鍛え方からおすすめのサービスまで紹介します。

 

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論理的思考力(ロジカルシンキング)とは?

論理的思考力(ロジカルシンキング)とは、物事の筋道を立てて考え、結論を導き出すためのスキルです。思考の過程で、問題を分解し、整理して考えるため、問題解決が必要なシーンで特に役立ちます。また、意見を発信する際に、説得力をもって伝えるためにも論理的思考力は不可欠です。

組織において、論理的思考力が必要になるシーンは、業務課題の解決、プレゼンテーション、交渉などさまざまです。また、毎日のコミュニケーションにおいても論理的思考力が身についていることで、齟齬のないスムーズなやりとりができます。

このように、さまざまなシーンで必要になる論理的思考力は、生まれ持った才能ではなく、トレーニングによって後天的に身につけることが可能なスキルです。

 

参考:ロジカルシンキングとは?定義・必要性・基本的な手法「MECE(ミーシー)」について解説 | あそぶ社員研修

論理的思考力を身につけるメリット

ビジネスシーンにおいて論理的思考力を身につけるメリットを紹介していきます。

1.問題解決能力が向上する

仕事にはミスやトラブルがつきものです。それらに対して解決を試みなければなりません。

しかし、どうすれば解決するのか、何が原因なのかを突き止められなければ、表面的な解決にしかならず、やがて同じことが繰り返されてしまいます。

たとえば、ミスをした部下に対して上司が厳しく叱りつけたところで、本人は反省するかもしれませんが、それは根本的な解決にはなりません。こうした問題が発生した際に、「なぜ発生してしまったのか」まで考えられなければ問題は残ったままになるといえます。

広い視野で見ることも1つのポイントでしょう。部下がミスをする原因が、部下にしかないと思うのではなく、環境により部下が力を十分に発揮できていない可能性や、何か個人で問題を抱えている可能性もあります。

多くの可能性から仮説を立て、ただ叱るのではなく、ヒアリングをして部下の抱えている問題を解消するなど、幅広い対応を考えなくてはいけません。

論理的思考力が身につけば、こうした物事の本質を捉えることができ、問題解決へとつながっていくでしょう。

2.情報をうまく伝えられる・受けとれる

組織での仕事は自分一人だけで行うのではなく、周囲との協力によって成り立ちます。

しかし、誰かに協力を求める際に、理屈や根拠が明確ではないものは相手が判断に困ってしまうでしょう。相手の視点に立ち、相手がどれだけの情報を持っているのかも考え、自分が伝えたいことを整理して伝えなくては話が進まなくなってしまいます。同じ内容を伝えるのであっても、論理的思考力の有無で相手の理解度は変わってしまうのです。

また、情報を受けとる側も論理的思考力がなければ、相手の根拠を理解できず、個人の感覚に頼ることになってしまうでしょう。

情報を正しく伝えることの目的は「情報の均一化」になります。感想などを求められた場合を除き、伝える・受けとる情報というのは誰に対しても均一であるべきですが、そこに個人の感覚が入り込んでしまうと情報に差が生まれてしまいます。

論理的思考力があれば、相手に合わせた伝え方や受けとり方ができるため、コミュニケーションが円滑になり、情報を正しく伝えられることが期待されます

3.プレゼンテーション能力が向上する

上司やクライアントへのプレゼンテーションの際にも論理的思考力は有効です。

筋道を立て、矛盾のない説明は相手に納得してもらいやすくなり、企画提案や営業交渉の際には特に効果的といえます。上司やクライアントに対して提案した内容が採用されやすくなるでしょう。

4.情報の取捨選択ができるようになる

現代はインターネット社会の発達により情報が溢れかえっており、情報のなかには有益なものから、正しくないものまで存在しています。

論理的思考力がないと情報の真偽を見定めることができず、正しくない情報を信じてしまうことや、本当に必要な情報を見逃してしまう可能性があります。また、そもそも「何が正しいのかがわからない」という状態に陥ってしまうこともあるでしょう。

情報に対して「なぜそうなのか」という問いかけを常に持つことで情報の真偽を見定め、膨大な情報のなかから自分が必要とするものを取捨選択できるようになります。

論理的思考が苦手な人の特徴

論理的思考が苦手な人には、以下のような特徴があります。当てはまる項目があれば、論理的思考力を鍛えることを意識してみましょう。

1.無根拠である

「無根拠」とは、主張に対しての理由や根拠が不足していることです。「なんとなくそう思った」、「正しそうと感じた」などの感覚に頼って、なぜそうであるかまで説明できないと、相手に納得してもらうことは難しいでしょう。

情報を感覚で捉えるのではなく、情報に対して「なぜ?」という問いかけを持つようにする必要があります。

2.他責である

「他責」とは、自分の発言や行動の理由を、「〇〇さんが言っていたので」といったように自身以外に預けてしまうことです。

どれだけその分野に詳しい人や、信頼している人が言っていることでも、自分で考えて「なぜそれが正しいのか」まで説明できなければ、相手からは「考えていない」「説得力に欠ける」と思われてしまいます。

まずは情報に対して「自分の意見はどうか」と考えるところから始めましょう。

3.不確実である

「おそらくそうです」、「たぶん、そうだと思います」といったように裏取りが不十分な情報を相手に伝えていないでしょうか? 不確実であるものに対して返答を求めることで、相手を困らせてしまいます。

確実な情報を伝えられるように、情報元に再度確認をするなど、裏取りを行うようにしましょう。

4.部分的である

物事を広く見ず、部分的なところだけを見て結論を導き出している場合は要注意です。たとえば、現状の業務フローに不満があった際に悪い点のみに着目してしまい、そのフローであることによって得られるメリットについては無視してしまうと、その意見は論理的であるとはいえません。

部分的な視点にならないようにするためには、物事を俯瞰して見る力が必要です。こちらも、意見に「なぜ?」という問いかけを持つようにすることで身につきやすくなります。

論理的思考力の鍛え方

論理的思考力はトレーニングによって鍛えることが可能です。ここでは、論理的思考力を身につけるために役立つ4つの方法・考え方を紹介していきます。

1.結論から先に述べる

結論とは、その話のなかでもっとも伝えたい部分になります。それを最初に伝えることで相手に「主題」が伝わり、それだけで、その後の説明を理解してもらいやすくなります。

反対に、結論までが長いと相手は「何の話なのか」という疑問が浮かび、重要なポイントが伝わりづらくなってしまうでしょう。結論から述べることは、コミュニケーションにおいて相手にストレスを与えないためにも重要です。

2.抽象的な言葉から具体的な言葉に置き換える

結論に自信がないと、つい抽象的な言葉を使いがちです。しかし、具体的な言葉に置き換えることで、相手にとって理解しやすくなり、お互いに齟齬が生まれづらくなります。

たとえば、「早め」という言葉は抽象的で受けとり手によって解釈が異なるため、伝えたい内容を誤解される可能性があります。「明日の早い時間に書類を提出します」と言っている本人は「午前中までに提出しよう」と考えていても、伝えた相手は「明日の朝一番で提出してくれるだろう」と思っているかもしれません。自分にとっての「早い時間」は、相手にとっての「遅い時間」かもしれないのです。この場合は「〇〇日の12時までに提出します」と表現しましょう。

抽象的な言葉を具体的な言葉に置き換えるときには、「数字」や「具体的な名詞」など、誰にとっても共通の解釈ができる言葉を用いましょう。数字で示せない場合は、「△△△よりも早く」など、何かと比べることで伝わりやすくなります。

3.自身の結論を一度疑う

論理的に筋道を立て、自分なりの結論が出たとしても、それを相手に伝える前に一度自分自身を疑いましょう。

これは、「クリティカルシンキング(批判的思考)」とも呼ばれ、自分の考えを客観的に「本当に正しいのか」と疑うことで、より正しい論理へと近づけていく手法です。

どれだけ論理的であろうとしても人には思考の癖があり、それが自身の考えに無意識に反映されてしまうことがあります。たとえば、物事の問題点にばかりに注目しやすい人であれば、問題だと思っていることの良い部分には気づきづらい場合があります。一方、細かいことを気にしない人であれば、自身の理屈の粗さを見落としているかもしれません。

今一度自分の結論に対して「本当に正しいのか」「他の案で代用できないか」「そもそも何が問題だったのか」といった疑問を投げかけ、思考の癖が反映されていないかを確認しましょう。

4.本質を捉える

論理的思考力は物事の本質を捉えることを意識し続けなければいけません。

たとえば、「社員のモチベーションを上げる」という目的に対して、「どういった施策でモチベーションを上げるのがよいか?」から考えると問題の本質を見落とす可能性があります。「現在の社員はモチベーションが下がっている状態にある」という前提を分解して考え、「そもそも全員のモチベーションが低いのか?」「どの社員のモチベーションが低いのか?」と問題の本質を探ってみましょう。そこから、「では、その社員のモチベーションを下げている要因は何か」、「また、それを解決する手段は何か」を考えていく必要があります。

問題を構成している要素を分解して見ることや、問題の背景から考えていくことを意識しましょう。

論理的思考を支える考え方

論理的思考力の習得に有効な考え方をいくつか紹介します。

1.MECE

MECE(ミーシー)は、「Mutually (互いに)Exclusive(重複せず) and Collectively (まとまっていて)Exhaustive(漏れがない)」の頭文字をとった造語で、「漏れがない」かつ「重複していない」という意味で使われる概念です。

論理的思考力において、問題の本質を捉えることが重要とされています。その際に、要素を切り分けてシンプルに考える必要がありますが、切り分けに漏れや重複があると問題の焦点が見えなくなり、本質になかなかたどり着けなくなってしまいます。

また、考えを続けていると次第に視野が狭くなり、全体が見えなくなってしまうこともあります。この切り分けを適切に行い、問題の全体像を見ていくのが「MECE」の考え方です。

以下で、MECEにおける2つのアプローチ方法を紹介します。

トップダウンアプローチ

全体像から細かく分類し、詳細に落とし込んでいくアプローチ方法です。

物事の全体像から分析を行い、要素を課題や目的に沿って分類を行うため、体系的に問題を整理し、構造的に分析できます。ゴールが明確であるため、必要な要素を抽出しやすいといえます。

ただし、全体像を正しく把握できていなければ、漏れや重複が発生し、うまくいきません。したがって、全体像がまだ見えていないスタート段階や、全体像に対する知見やノウハウが不足している場合は注意が必要です。

ボトムアップアプローチ

トップダウンアプローチとは反対に、要素を集めてから全体像を描くアプローチ方法です。

まずは思いつく限りの要素を集め、それを種類ごとにグループ化していきます。グループ化の過程で気づいた要素は随時追加して、漏れをなくしていきましょう。全体像が不明瞭な場合や、未知の領域において有効なアプローチ方法といえます。

ただし、全体像が見えないため、漏れが生じやすい点に注意が必要です。

2.ロジックツリー

論理的思考を続けていると、だんだんと頭のなかだけではまとまりきらないこともあるでしょう。そのような場合に問題を分解し、ツリー状にして原因や解決法を探るフレームワークです。

まず結論を書き、「それがなぜ起きているか」を細分化していくことで全体像を把握できます。

問題や原因を可視化しやすく、ロジックツリーをもとに解決の計画を立てることや、他者と共有しやすい点で優れています。

論理的思考力を高めるIKUSAのサービス

株式会社IKUSAが提供するイベントのなかには、論理的思考力を高める要素が盛り込まれているコンテンツがあります。社内イベントとして実施を検討してみてはいかがでしょうか。

合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINE

株式会社IKUSAの「合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINE」は、物語をベースに、チームで合意を形成する過程を実践しながら学べるオンラインでの研修です。

物語の舞台は、ジャングルのクルージング中に船が大破し、船の積み荷から何を持っていくかを話し合う「ジャングルサバイバル」と、災害都市から家に帰るために、必要な物資に優先順位を決めて、無事に帰宅することを目的とした「帰宅困難サバイバル」があります。

コンセンサスゲームでは、「何を持っていくのか」を制限時間内にチーム内で話し合い、1つの結論を導き出します。持っていくものに基準を設け、優先順位を付けていくため、参加者一人ひとりの意見を整理し、議論をまとめていく必要があります。

各個人の価値観の違いや考え方を理解すること、相手の話を聞く能力、協調性が問われるのはもちろん、制限時間内に情報をまとめ、議論を通じて最適な答えを導き出す論理的思考力が必要です。

問題の本質を捉え、相手に納得してもらう論理的思考力を高めるためにおすすめのイベントです。

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リモ探

リモート探偵こと、「リモ探」は、与えられた情報のなかから最大20名のチームで情報を整理・共有をし、推理をして謎を解いていくオンラインのチームビルディングです。

参加者同士が協力し、教え合いながら学習を進めていくことができる「ジグソー法」を基に開発されており、問題発見能力を培うことができるアクティブラーニングを主体的・協働的に行うことができます。

オンラインでの実施となるため、オンラインならではのコミュニケーションの難しさがあるなかで推理を進め、情報分析や論理的思考力を養うことができる内容です。

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リモ謎

リモ謎は、「リモートワーク謎解きチームビルディング」のことで、チームで協力しながら物語に沿った謎を解いて、脱出を目指すオンラインチームビルディングです。

チームで謎を解いていくことは、実際の業務における課題解決にも似ており、チームで情報を発信し合い、情報を整理し、問題の本質を捉える必要があるため、論理的思考力を高めるのにも向いています。

物語の舞台は複数用意されており、「閉ざされた電脳都市からの脱出」、「燃え盛る本能寺からの脱出」、「終わらないリモート会議からの脱出」、「出口のない電脳迷宮からの脱出」、「崩れゆく会議室からの脱出」といったプランから選ぶことができます。

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マーダーミステリー研修

マーダーミステリーとは、近年注目を集める体験型の推理ゲームです。参加者は刑事や犯人といった役割を演じながら、それぞれの目的を達成し、真実を見つけていきます。一度真相を知ってしまうと、同じシナリオで遊ぶことができないことが特徴で、唯一無二の一度だけの体験となります。

これを「研修向け」に落とし込んだものが「マーダーミステリー研修」です。参加者同士でコミュニケーションをとって推理を進めることで、経済産業省が定義する「社会人基礎力」や、「交渉力」を養うことができます。

また、それぞれが役割を演じ、お互いを疑い、決断を繰り返す状況下では、問題の本質を捉え、自らがどう動いていくかが最適かを考える必要があり、論理的思考力が鍛えられるでしょう。

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まとめ

論理的思考力を身につけることで、問題解決、情報分析や伝達といった能力が向上します。組織にとっても、論理的思考力を持つ人材が増えることによってコミュニケーションが円滑になり、問題解決にかかる時間も短くなります。

論理的思考力が身につくということは、何かを伝える際に根拠を持ち、自分の意見として確実な内容を伝えることができるようになるということです。それは、責任感が身につくことだといってもよいでしょう。自身が発する言葉の意味を考え、相手にどれほどの影響を与えるかを想像することは、自身のみならず、周囲にとっても良い影響を与えていく存在となります。

今回紹介した内容もご参考に、論理的思考力を身につけて業務やコミュニケーションに役立てましょう。

 

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この記事を書いた人

IKUSA.jp編集部
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