updated: 2024
ハイブリッドイベントとは?運営のポイントや事例を紹介!
目次
新型コロナウイルスの影響で、オンラインイベントが開催されることも多くなりました。リアルイベントよりもコストがかからない、場所を選ばず気軽に参加できるというメリットがある一方で、一体感を生み出すのが難しい、参加者が途中で飽きてしまいやすいという課題もあります。
そこで、今注目を集めているのが、オンラインとリアルの両方の良さを持ち合わせた「ハイブリッドイベント」です。本記事では、ハイブリッドベントとは何か、メリットとデメリット、リアルとオンラインのベストな比率や、ハイブリッドイベントの開催に必要なもの、運営のポイントまで、わかりやすく解説します。また、ハイブリッドイベントの開催事例、社内イベントのハイブリッド開催を検討されている方におすすめのサービスも、併せて紹介します。
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ハイブリッドイベントとは?
ハイブリッド(hybrid)は、異なる要素が混在している、混合している状態を指す英単語です。ハイブリッドイベントとは、一つの会場に集まるリアルイベントと、インターネット上で開催されるオンラインイベントを組み合わせたイベントのことを指します。
リアルとオンラインの2つの会場をつないで行われるので、リアル・オンラインいずれかの場合よりも、参加方法の選択肢が増え、多くの参加者を集めることができます。また、ハイブリッドイベントは、アイデア次第でさまざまな演出が可能です。参加者の満足度も高められるとして、社内イベントやセミナー、音楽イベントなど、あらゆる規模のイベントで導入されるようになってきています。
ハイブリッドイベントのメリット
ハイブリッドイベントには、リアルイベントとオンラインイベントの両方のメリットがあります。主催者・参加者それぞれの目線から、2つのイベント形態のメリットまとめました。
リアルイベントのメリット
リアルイベントの主催者目線のメリットとしては、参加者を誘導しやすいことや、参加者と直接交流ができること、商談しやすいことなどが挙げられます。体験コンテンツを盛り込めば、参加者に長く滞在してもらうことができるでしょう。
参加者目線では、リアル会場ならではの没入感があることや、商品などに直接触れて体験できることなどが、リアルイベントのメリットといえます。
オンラインイベントのメリット
オンラインイベントの主催者目線のメリットとしては、参加方法の選択肢が増えるので多くの集客が見込めることや、参加者の行動ログデータが取れること、コンテンツを再利用できることなどが挙げられます。また、イベントの内容にもよりますが、リアルイベントよりコストが安く済むケースが多いでしょう。
参加者目線では、場所を選ばず参加できることや、アーカイブ配信なら好きな時間に視聴できること、展示会の場合は出展者から声をかけられることもなく、自分のペースでゆっくりブースを見学できることなどが、オンラインイベントのメリットといえます。
ハイブリッドイベントのデメリット
ハイブリッドイベントはメリットばかりというわけではなく、デメリットもあります。これから開催を検討されている方は、以下の2点を特に注意しましょう。
一体感が生まれにくい
ハイブリッドイベントは、各自がそれぞれの場所から参加するので、一つの会場に全員が集まるリアルイベントに比べると、どうしても一体感は劣ります。リアル会場とオンライン会場の交流もしにくく、雰囲気が出にくいという点が、ハイブリッドイベントのデメリットです。
チャットやコメント機能を活用する、リアル会場とオンライン会場で一緒に盛り上がれる企画を盛り込むなど、一体感を生み出す工夫が必要になります。
コストがかかる
ハイブリッドイベントは、リアルとオンラインにそれぞれ会場を用意しなくてはなりません。2つの会場を運営するための人件費や機材などが必要になるので、リアル・オンラインいずれかの場合よりも、経済的コストが増える可能性が高いでしょう。
また、リアル・オンラインいずれかの場合よりも、計画・準備に時間がかかります。イベント企画運営会社に委託すれば時間的コストは削減できますが、その分経済的コストは増えます。予算を決め、スケジュールに余裕をもって、早めに準備に取り掛かりましょう。
リアルとオンラインのベストな比率は?
一口に「ハイブリッドイベント」といっても、さまざまなスタイルがあります。ハイブリッドイベントを開催するときに、まず考えなくてはいけないのは、「リアルとオンラインの比率をどうするか」です。イベントの目的や参加者のニーズに合わせて、最適な比率を採用しましょう。
リアル20%・オンライン80%
リアル20%・オンライン80%は、登壇者と運営スタッフのみがリアル会場に集まり、ライブ配信を行うというスタイルが考えられます。参加者は基本的にオンラインで参加するという方法です。
株主総会や講演会、学会、セミナーなど、主催者側からの情報発信がメインのイベントに向いています。オンラインをメインとすることで、コストを抑えることができるでしょう。
リアル50%・オンライン50%
リアル50%・オンライン50%は、リアル会場で開催されているイベントをライブ配信するというスタイルが考えられます。
ファッションショーや音楽ライブ、スポーツイベントなど、オンラインでもリアル会場同様に楽しむことができるようなイベントを開催したい場合におすすめの比率です。距離的にリアル会場に行けない人も、臨場感を味わえます。当日参加できない人のために、アーカイブ動画を配信するケースもあります。
リアル80%・オンライン20%
リアル80%・オンライン20%は、リアルイベントをベースとし、一部のみをオンラインとする方法が考えられます。例えば、遠方からの登壇者にはオンラインで参加してもらう、当日参加できない人のためにアーカイブ動画を配信するなどです。
この比率が向いているイベントとしては、成人式や学園祭、結婚式、展示会などが挙げられます。
ハイブリッドイベント開催に必要なもの
ハイブリッドイベントを開催するときに、最低限準備しなければならないものを紹介します。
リアル会場
まずは、リアル会場です。イベントの内容や想定される参加人数から会場を決めていきましょう。社内イベントなどの小規模のイベントの場合は、自社の会議室などを臨時のスタジオとするケースも見られます。イベントホールや撮影スタジオ、ホテル会場などを利用するなら、できるだけ早めに押さえておきましょう。
オンライン会場
次に、オンライン会場です。Zoomなどのビデオ会議ツールで配信するほかにも、さまざまな方法があります。
- イベントプラットフォーム
オンラインイベントを開催するための専用のツールです。搭載されている機能もさまざまですので、コストと比較しながら自社に合ったものを検討しましょう。 - オーダーで0から作る
イベントプラットフォームにも豊富な機能・デザインがありますが、理想通りのオンライン会場を構築したいなら、オーダーで0から作る方法もあります。コストはかかりますので、十分検討が必要です。
パソコンと通信環境
配信側である主催者はもちろん、オンライン参加者にもパソコンと通信環境を用意してもらう必要があります。オンライン会場がスマートフォンに対応しているなら、参加者はスマートフォンでも構いません。ですが、配信側は必ずパソコンを使用しましょう。最近はスマートフォンのカメラ機能もかなり優秀なものとなっていますが、配信の処理速度には大きな差があるのです。また、通信速度を安定させるために、Wi-Fi環境ではなく、有線接続をおすすめします。
ハイブリッドイベントの運営のポイント
ハイブリッドイベントを成功させるためには、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここからは、ハイブリッドイベントを運営するときの3つのポイントを紹介します。
一体感が生まれる工夫を
先に述べたように、ハイブリッドイベントのデメリットは「一体感が生まれにくい」ことです。リアル会場とオンライン会場が一緒に楽しめるゲームをプログラムに盛り込む、チャットやコメント機能を活用して双方向のコミュニケーションが取れる設計とする、オンライン参加者には「顔出し」を基本としてもらうなど、一体感が生まれる工夫をしましょう。
余裕を持って計画・準備を進める
ハイブリッドイベントは、リアル・オンラインいずれかの場合よりも、準備に時間を要します。ハイブリッドイベントの開催が初めてならば、なおさらです。スケジュールに余裕をもって、計画・準備を進めましょう。
場合によっては、外部のイベント企画運営会社に委託するもの一つの方法です。当然その分の費用も必要となりますので、予算を見ながら検討しましょう。
配信トラブルへの対策は万全に
イベント開催中に配信トラブルが起きてしまうと、中断・中止となってしまう可能性もあります。配信トラブルへの対策は万全にしておきましょう。
よくあるトラブルとしては、音声が聞きづらい、ハウリングする、映像が途切れる、フリーズするなどがあげられます。入念なリハーサルを行うのはもちろんのこと、トラブル対応スタッフを置く、配信のオペレーションをシンプルにするなど、工夫が必要です。
また、オンラインの演出にこだわりすぎると、データ量が重くなってしまいます。インターネット回線に負担がかかりすぎないよう、音質や画質は適度にとどめておきましょう。
ハイブリッドイベントの開催事例
実際に、どのようなハイブリットイベントが開催されているのでしょうか。ここからは、ハイブリッドイベントの開催事例を紹介します。
【国税局】クラフトビール・オンラインフェス
国税局は2021年、「クラフトビール・オンラインフェス」を開催しました。クラフトビールの魅力を伝えるための、メーカーと消費者のコミュニケーションイベントです。
- 日程:2021年1月23日~2月13日の毎週土曜日(ライブ配信)
- 参加者数:クラフトビールメーカー52社・ビアパブ33店舗、参加申込者約5,000名
準備期間は約2か月。新型コロナウイルス感染症で消費が落ち込んでしまったクラフトビールの業界を活性化させる目的で企画されたイベントです。毎週土曜日に4週連続で約2時間のライブ配信を行い、YouTubeチャンネルにアーカイブ動画も残しました。
リアル会場は司会者とコメンテーターのみで進行し、ゲストや一般参加者はオンライン会議システムで参加する形式としました。一般参加者は、各自で購入したクラフトビールを片手に視聴します。一般参加者がただ見ているだけのイベントにならないよう、チャットや質問コーナーなどを設けて双方向のコミュニケーションを意識した設計とし、「視聴者参加型番組風」になるよう工夫しました。また、ライブ配信中のトラブルを防ぐために、オンライン会議システムに慣れていないクラフトビールメーカー担当者に対しては、事前に運営側で丁寧にフォローを行いました。
【コニカミノルタ株式会社】バーチャル株主総会
コニカミノルタ株式会社は、2020年、新型コロナウイルス感染リスクを極小化するために、定時株主総会をハイブリッド型で開催しました。
- 日程:2020年6月
- 参加者数:オンライン79名、来場者26名
- 会場:都内ホテル
ハイブリッド型バーチャル株主総会には、議決権行使を伴わない「参加型」と議決権行使を伴う「出席型」の2パターンがあります。今回は、株主や投資家の端末条件がさまざまであったため「参加型」を採用し、通信インフラや映像・音質の品質を確保できるよう工夫をしました。
リアル会場は100名前後の株主の来場を想定して座席配置を2m間隔で準備し、蜜を回避しました。また、終了後にはオンラインで参加した役員や従業員株主にアンケートを実施しました。画質・音声などが大変好評で、次年度以降もオンライン配信の継続希望の声が多く集まったそうです。
参考:(資料1)ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド‐経済産業省(PDF)
社内イベントもハイブリッドが主流になりつつある
株式会社グローバルプロデュースは、2021年に『「ハイブリッドイベント」に関する実態調査』を実施しました。この結果を見ると、「直近の社内イベントはいずれの形式で開催されましたか」の質問に対し、52.3%が「ハイブリッド」と回答しています。「完全オンライン」は29.0%、「完全オフライン」は13.1%という結果です。社内イベントも、ハイブリッド型が主流になりつつあることがわかります。
また、同調査で「ハイブリット形式で社内イベントを開催する上での懸念点」として最も多かったのが、「オンライン上の参加者が飽きない工夫」(54.0%)でした。ハイブリッド型にはさまざまなメリットがあるものの、難しさを感じている企業も多いようです。
「ハイブリッド型の社内イベントを開催したいけれど、盛り上がるかどうか不安……。」そう感じている方に、おすすめのサービスを紹介します。
参考:66.4%の経営者が、アフターコロナの社内イベントは、「ハイブリッド形式がスタンダードになる」と予測!|株式会社グローバルプロデュースのプレスリリース
リアル×オンライン ハイブリッドイベント
「リアル×オンライン ハイブリッドイベント」は、株式会社IKUSA(以下、IKUSA)が運営する、ハイブリッド型の謎解きイベントです。リアルとオンラインの比率に関係なく実施できるので、どんなイベントにも導入いただけます。
- 実施時間:1.5時間~2時間
- 予備時間:4時間(設営・リハーサル:3時間、撤去:1時間)
- 人数:1チーム5人程度(リアル参加者・オンライン参加者それぞれ最低1名必要です)
- 必要なもの:ビデオチャットツール、Wi-Fi環境または有線接続
「帰還不可能な宇宙船からの脱出」は、リアル参加者は「宇宙保安官」、オンライン参加者は「地球の管制官 」となり、物語が進行していきます。両会場の参加者が協力しなければ先へは進めない仕組みになっているので、チームビルディングにも効果的です。場所は離れていても、同じストーリーを体験することで一体感が生まれます。内容は、カスタマイズも可能です。オリジナル要素を盛り込むことで、社員の満足度やエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。
リアル会場の演出やオンライン会場、必要な機材等も、すべてIKUSAがご用意いたします。
まとめ
近年注目を集めるハイブリッドイベント。ハイブリッドイベントの強みは、リアルイベントとオンラインイベントの両方のメリットを持ち合わせていることです。また、一口に「ハイブリッドイベント」といっても、リアルとオンラインの比率によって多様なスタイルがあります。アイデア次第で、さまざまな企画・演出が可能です。
ハイブリッドイベントを成功させるために重要なのは、「オンライン参加者を飽きさせない工夫」です。他社の事例も参考に、開催を検討してみてはいかがでしょうか。
IKUSAでは、年間1000件以上のユニークなイベントや研修を支援しています。90種類以上のイベント・研修サービスからお客様のニーズに合わせてご提案させていただき、ご要望に応じたカスタマイズも可能です。サービスの詳細や具体的な事例は下記の資料でご確認ください。
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