updated: 2024
人生グラフ(モチベーショングラフ)とは?作り方・書き方・ワークを解説
目次
過去の自分を振り返り、どのような人生を歩み、その時々でなにを感じていたのかを知ることができるのが「人生グラフ(モチベーショングラフ)」です。時に曖昧な「自分」という存在ですが、人生グラフ(モチベーショングラフ)を通して自身の価値観や、特性、モチベーションの傾向を把握することで、自己分析に役立ち、今後なにをしていきたいのかが見えてくるでしょう。
また、活用方法は自己分析だけではありません。企業における研修のワークに用いて複数人で人生グラフ(モチベーショングラフ)を発表し合うことで、普段の業務からは見えないお互いの人となりを深く知る良い機会になります。
本記事では、人生グラフ(モチベーショングラフ)とはなにか、活用方法、作り方・書き方を説明し、研修などで活用できるワークの進め方も紹介します。
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人生グラフ(モチベーショングラフ)とは
人生グラフ(モチベーショングラフ)とは、過去から現在の自分に至るまでを時期に分け、その時に起きた出来事と、出来事に対する自分のモチベーションの高さをグラフで表したものです。「モチベーショングラフ」「モチベーション曲線」と呼ばれることもあります。
過去になんとなく落ち込むことがあった、あるいは前向きで精力的な時期があったとして、それらを明確なものにする作業といえるでしょう。
落ち込むことにも、前向きになることにも理由があったはずです。人生グラフ(モチベーショングラフ)では、過去にどのような出来事があり、その出来事によってどのような感情を抱き、モチベーションがどう上下したかが一目でわかるため、自分の人生を客観的に捉えることができます。さらに、モチベーションの高さが同じくらいの箇所では、具体的になにが起きて、なぜそのようなモチベーションになったのかを掘り下げることで、自分がどういう時にモチベーションが上がるのか、あるいは下がるのかがわかるでしょう。
過去の出来事は一つひとつが独立しているように見えても、下記のようにモチベーションの傾向が読み取れることがあります。
【例】
モチベーションが低い時期の傾向 | 人間関係がうまくいかなかったケースが多い |
モチベーションが高い時期の傾向 | 一から新しいことを始めたケースが多い |
上記の例では、人間関係を気にし、落ち込みやすい傾向があることがわかります。また、人間関係の構築に不安を抱えている可能性もあります。反対に、新しいことを始めることに対しては前向きで、チャレンジングな姿勢があることも伺えます。
このように人生グラフ(モチベーショングラフ)は、過去を俯瞰することで自分の強みや弱みを知ることにもつながり、経験にもとづいた自分を知ることができる手法です。
人生グラフ(モチベーショングラフ)の活用方法
人生グラフ(モチベーショングラフ)は、幅広く活用できます。以下で3つの活用方法を紹介します。
研修のワーク
自分の人生をわかりやすくグラフで表せるため、自己紹介に適しています。そのため、新入社員研修や、結成されたばかりのチームのワークで用いるとよいでしょう。
これまでの人生においてどのような出来事があり、どのような感情を抱いたか、というのは本人の性格が色濃く出るため、お互いを知る手段として有効といえます。
相手の過去を細かい背景から知ることで、ただの情報ではなく、それまで相手の歩んできた人生に親近感や愛着がわくこともあります。今後一緒に働いていく相手のことを深く理解することで、安心し、協力し合うこともできるでしょう。
後述する箇所では、人生グラフ(モチベーショングラフ)を用いたワークのやり方も紹介します。
自己分析
人生グラフ(モチベーショングラフ)には、これまでの人生で培われた価値観や、自分の強み・弱みを分析しやすい特徴があります。
これまで継続してできたことはなにか、反対に続かなかったことはなにか。また、継続できた理由や、続かなかった理由まで掘り下げることで、自分がどのような価値観を大事にしてきたのか、強みや弱みが発揮される瞬間を把握できるでしょう。
就活生であれば自分がどのような価値観をもった企業に入りたいのか、既に働いている人であれば今後のキャリアを考えるうえで、可視化したグラフをもとに自己分析をしやすくなります。
面接対策
人生グラフ(モチベーショングラフ)には、幼少期から遡るだけでなく、学生時代を中心に振り返る方法もあります。
面接対策として、「学生時代に打ち込んでいたものをアピールしたい」、「面接で話すエピソードを探している」場合などには、学生時代に限定して人生グラフ(モチベーショングラフ)を作るとよいでしょう。
短い期間で、細かく振り返ることで、独自のアピールポイントが見つかるかもしれません。
人生グラフ(モチベーショングラフ)の作り方
ここでは、人生グラフ(モチベーショングラフ)の作り方を解説します。作り方は厳密に決まっているものではなく、下記は一例です。
【例】
1. 縦軸には「モチベーションの高さ」
はじめに、ベースとなるグラフの軸を用意します。
縦軸はモチベーションの高さを表す線を引くのが一般的です。また、縦軸には数値を入れてモチベーションの度合いがわかるようにしましょう。
数値は自由で、「0~10」といった段階でも、「-100から+100」などでも構いません。数値を決めずに、おおまかな状態で進める方法もあります。自分の目的に合ったものや、やりやすいものを選びましょう。
2. 横軸には「時期」
横軸には時期を表す線を引きましょう。
時期ごとに区切っていきますが、こちらも時期の設定は自由です。一例として下記が挙げられます。
- 0歳から現在の年齢までで区切る
- 「未就学」「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」などの就学状況で区切る
- 「大学一年」から「大学四年」などの大学時代を振り返るように区切る
- 「入社一年目」から現在に至るまで、これまでの社員生活で区切る
このように自身の置かれている状況や、目的に合わせて時期を設定しましょう。
人生グラフ(モチベーショングラフ)の書き方
ここからは、作成した人生グラフ(モチベーショングラフ)に実際に出来事とモチベーションを書き込む手順を紹介します。
書き方も決まりはなく、一例になります。
【例】
1. 時期ごとのモチベーションの変化と出来事を書く
過去を振り返り、時期ごとのモチベーションの変化をグラフにしていきます。
書いていく方法は2パターンあります。
「モチベーションが高かった・低かった時期がわかっている場合」
おおよその時期ごとのモチベーションの高さが分かっている場合は、該当する時期にモチベーションの高さを点で記入します。そこから具体的な出来事を思い出し、出来事をセットで記入するようにしましょう。
たとえば、モチベーションが高い時期であればなにがモチベーションを高めるきっかけとなったのか、あるいはモチベーションの低い時期であればなにがきっかけでモチベーションが下がったのかをメモしておきます。
【例】
「なんとなく中学生の頃は落ち込んでいた」と記憶していた場合、中学生時代の縦軸の下の方(モチベーションの低い箇所)に点を置きます。そこから落ち込んでいた理由を思い出すと、「中学二年生の頃に他県に転校した」ことがわかったので、これを出来事として記入します。 |
後から修正しても問題ないため、最初は覚えている箇所から大まかにモチベーションの点を置いておくことが重要です。
「出来事の内容と時期を明確に覚えている場合」
出来事を明確に覚えている場合はもっとシンプルに、出来事を該当する時期に記入して、出来事の内容からモチベーションの点を置きましょう。
【例】
「高校三年生の時に期末試験で学年10位以内に入ることができた」と明確に記憶していれば、高校時代の縦軸の上の方(モチベーションの高い箇所)に出来事を記載し、モチベーションの点を置きます。 |
記憶や感覚に左右されるため、両方のパターンからグラフが作られることもあるでしょう。とくに記載していく順番のルールもないため、思い出せる箇所から書いていきましょう。
なお、面接対策などであっても大きい出来事・経験だったかどうかにとらわれないようにしましょう。自分がどのような人生を歩んできて、どういったモチベーションだったかを振り返るのが目的です。そのため、たとえ出来事が地味だと感じていても、自分なりに印象に残っていることを書くことが重要です。
一通りモチベーションの点を置き、出来事が書けたら、点と点をつないでモチベーションの変化を表す曲線を作ります。
2. 出来事が起きた時の思考や感情を言語化する
ここからは、書いた出来事を掘り下げていきます。
モチベーションが高まった出来事があれば、どういった思考や感情でモチベーションが高くなったのかを具体的に掘り下げます。
この時の思考と感情が後の「モチベーションの傾向」を分析する際に重要なため、「なぜ」と自分に問いかけながら書いていくとよいでしょう。また、問いかけで終わらせず、自分なりに「〇〇だからこうなった」という答えとセットにすることが望ましいです。
とくにモチベーションの波が急になっている、山や谷の部分は自分のなかの変化が大きい箇所なので詳細に言語化することが重要です。
【例1】
「中学二年生の頃に他県に転校した」ことでモチベーションが下がっていた。その時の心情は、新しい友達ができず、寂しく、心細かった。毎日学校に行くことにも後ろ向きで、朝起きると憂鬱だった。 |
【例2】
「高校三年生の時に期末試験で学年10位以内に入ることができた」ことでモチベーションが上がっていた。その時の心情は、親や先生にも褒められ、学業への自信に満ちていた。受験も控えていたが、それに向けてのモチベーションもさらに高まった。 |
3. モチベーションの変化から傾向を見つける
ここまで、モチベーションの変化の記載と、その時の感情や思考の言語化まで行いました。
最後にグラフ全体からモチベーションが上がる・下がる際の共通点を見つけ、モチベーションの傾向を探し出します。
具体例
たとえば、「高校三年生の時に期末試験で学年10位以内に入ることができた」という過去があったため、自分は勉強することを重視していたと思っていました。しかし、モチベーションの変化を見る限りは、成績が順調な際にモチベーションが上がっていても、成績が不調な際にモチベーションはほとんど下がっていないことがわかりました。これは「成績が上がると嬉しいが、下がってもさほど深刻に捉えていない」と取れ、実のところ自分のなかでは勉強を大きく重視していない可能性があります。これはもっと掘り下げると「重視していなくても、フラットに勉強を頑張ることができる」という強みともいえます。
反対に、人間関係はうまくいっていればモチベーションが上がり、新しい環境など人間関係がリセットされるタイミングではモチベーションが下がるなど、人間関係がモチベーションと連動していることがわかりました。これは人間関係を重視している傾向が伺えます。
そのため、環境が変わる際は人間関係の構築に気を遣う、あるいは今現在、人間関係が良好な環境でなければ「自分の力が発揮できない」と捉えて環境を変えてみるなど、自分に合った選択肢が生まれてくるでしょう。
人生グラフ(モチベーショングラフ)を用いたワークの方法
人生グラフ(モチベーショングラフ)は、新入社員研修、結成されたばかりのチームなどのお互いを知りあうワークで活用するのも有効です。
以下は方法の一例です。
- グラフの軸を作ります。(時期やモチベーションの数値の設定は揃えましょう。複数人で内容を発表し合うため、時期やモチベーションの数値の設定は揃えた方が発表しやすく、人との違いもわかりやすいでしょう。)
- 4~5人のグループを作り、10分から15分程度の制限時間で書きこみます。
- 一人ずつ順番に発表していきます。発表者は人生グラフ(モチベーショングラフ)をもとに時系列順に自分の人生を話していきます。聞き手は気になる点があればメモしておき、発表後に質問タイムを設けるので、そこで発表者に質問をしましょう。
- これをグループ内で一巡するまで行います。
- 一巡したら最後に自由に話し合う場を設けます。相手の人生に対して率直に「すごい」と感じたことがあれば伝え、親近感が沸いたことなども伝えるとよいでしょう。
お互いの考え方や価値観の違いをより深く知るビジネスゲーム研修「合意形成研修コンセンサスゲーム」
「合意形成研修コンセンサスゲーム」は、株式会社IKUSAが展開するサービスです。
コンセンサスゲームとは、ある課題に対してチームで議論し、合意形成していくゲームです。「個人で出した答えよりも、複数で導き出した答えの方が優れている」という考えた方のもとに作られており、チームでのコミュニケーションの重要性を実感することができます。
ビジネスの現場においても起こり得る、「同じ職場の仲間で意見が異なる場面」を体験することができ、人生グラフ(モチベーショングラフ)のワークでお互いの人となりを知った後の実践的な研修としておすすめです。
お互いの意見や価値観の違いを知り、議論したうえでチームとしての答えを出さなくてはならないため、コミュニケーション能力や相手の話を聞く力、協調性が鍛えられ、チームビルディングにもつながります。
株式会社IKUSAのサービスでは、オリジナルのストーリーをもとにゲームを展開していき、以下の2つのプランが用意されています。
ジャングルサバイバル
ジャングルをクルージング中に船が大破!?遭難してしまった! |
数ある積み荷のなかでなにが重要であるかは、それぞれの価値観によって大きく変わり、自分のなかでは正しいと思っていても相手はそうではないことが起こります。
いかに積み荷の必要性を相手に説明できるか、また相手の意見を聞いて自分の意見がどう変わるか、あるいはお互いの意見をすり合わせ、落としどころをどう図っていくかなど、チームとしての最適解を出す力が身につくでしょう。
ジャングルという非日常な舞台で、楽しみながらコンセンサスゲームを進められます。
防災コンセンサスゲーム帰宅困難サバイバル
災害都市から帰宅するために必要な物資はどれなのか。優先順位をつけて無事帰宅しよう。 |
こちらは、防災にフォーカスしたストーリーになっており、必要な物資に優先順位を付けていくものとなっています。
実際の都市を想定した現実的な舞台で防災知識を身につけながらも、いつか訪れるかもしれない災害を考えることで、防災意識も高まるでしょう。
また、当日のスタッフや機材の用意、進行などの運営も全て行ってくれます。まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ここまで人生グラフ(モチベーショングラフ)の活用方法や、作り方、書き方、ワークの方法について紹介してきました。
過去を振り返ることにネガティブなイメージをもつ人もいるかもしれませんが、過去は現在の自分を形作ったものです。膨大な経験を整理することで、「自分」を曖昧にせず、より深く自分のことを知ることができるでしょう。
また、過去を懐かしむことは脳を活性化させ、ストレスを解消する効果もあります。自己分析や、ワーク以外にも人生グラフ(モチベーショングラフ)を書いてみることで気分転換になるかもしれません。
なにかに行き詰まった時、少し息苦しい時、人生に目を向け、自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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