updated: 2024
防災教育の目的とは? 子どもに必要な防災意識と人気の防災教育事例
子どものころに受ける防災教育として、一般的なものが「押さない・走らない(かけない)・しゃべらない・もどらない」という『おはしも(おかしも)の約束』を使った避難訓練です。しかし、地震や台風、水害など災害大国である日本では、より多くの防災教育が必要と言われています。
子どものときから防災意識を高め、進んで命を守る行動をとるための防災教育について一度考えてみましょう。
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防災教育の目的とは
防災教育の目的として、文部科学省では次の4つの能力を養うことを挙げています。
- それぞれが暮らす地域の、災害・社会の特性や防災科学技術等についての知識を備え、減災のために事前に必要な準備をする能力
- 自然災害から身を守り、被災した場合でもその後の生活を乗り切る能力
- 進んで他の人々や地域の安全を支えることができる能力
- 災害からの復興を成し遂げ、安全・安心な社会を構築する能力
これらを踏まえると、実際に学校などの現場でおこなわれている防災訓練のみでは賄いきれない部分が多いと言われているのももっともです。また、災害はどこで起きるのか予測は不可能なもの。幼稚園や学校だけではなく、地域や家庭との連携も重要とされています。
防災教育のポイントは?
防災教育は、ただやって終わりではありません。子どもがいつどこで災害にあっても自ら命を守る行動ができるように、まずは学校や地域、家庭などの教える側が防災教育のポイントをしっかりと把握しておきましょう。
1. 一人ひとりが災害を「自分ごと」とする意識づけ
防災知識を「ただの情報」、防災訓練を「消防車がくるイベント」ととらえてしまっては、いざ災害が起きたときに自分の身を守る行動ができません。どこにいても、だれと一緒にいても、たとえその場に一人だとしても実際に災害が起きた場合にどのような行動をとるか、自ら考えて行動できるように主体性をはぐくむ教育が必要です。
2. 地域や家庭との連携
どのような災害が発生するかは、海沿いや山沿い、川沿いなど地域の特性によって大きく異なります。「地産地防」と言われるように、過去に発生した災害を参考に、自分の住む町や自宅で災害が起こった場合のシミュレーションをしておくことが必要です。
実際に地震が起きたときに、避難方法を指示してくれる教師などの大人がそばにいるとは限りません。また、いくら教育現場で防災教育をおこなっても、家族の防災意識が低ければ子どもも同じように行動してしまうのであまり意味がありません。学校・地域・家庭が連携し、避難場所や避難方法、備えの知識を共有する必要があるでしょう。
3. 継続性の重視
何年後に災害が起こるかは分からないため、防災教育は一過性のものではありません。子どもたちが生涯を通して自分の身を守る行動を意識できるよう、継続した教育が重要とされています。
継続的に幼稚園や学校、地域では年間の防災指導計画などがありますが、家庭でも年に1度は避難場所の確認や避難グッズの見直しをおこなうなど定期的な確認が必要です。
4. 大人の意識改革
いくら子どもが防災教育を受けていても、そばにいる大人が同じ防災意識を持っていないと意味がありません。教職員や子どものいる家庭を問わず、非常時には大人が先導して災害から子どもを守る責任があります。そのため、子どもだけでなく大人も防災教育の本質を理解し、積極的に防災知識を取り入れる必要があるでしょう。
教える側の大人が自ら防災意識を持って行動することで子どもも防災の重要性を実感し、たとえば避難するときに兄弟が下の子の面倒を見るなど自主的に行動するようになります。
5. 子どもが興味を持つ内容
ただ「災害は怖いもの」という脅しや、「災害が起きたときはこうする」といった情報だけだと、子どもは自ら防災知識を学ぼうという意欲がなかなかわきません。特に集中力が持たない未就学児や低学年の子どもが積極的に防災に取り組むためには、楽しみながら興味を持つことができるような工夫が必要でしょう。
楽しみながら防災知識が身につく、人気の防災教育事例3つ
東日本大震災以降は防災教育の在り方が見直され、教育機関や地域の自治体など、各地でさまざまな防災教育や防災イベントがおこなわれています。しかし、いざ防災教育を始めようとする場合は「小さい子に防災教育をするのは難しい」、「家庭で子どもに防災について教えるのは限界がある」という声も聞かれます。
さまざまな『あそび防災プロジェクト』を実施している株式会社IKUSAでは、ゲーム感覚で楽しみながら防災知識が身につく、子どもに人気の防災イベントを開催しています。
1. 体験型防災アクティビティ「防災ヒーロー入団試験」
防災ヒーロー入団試験は、頭と体を動かしながら親子で楽しく防災を学ぶ体験型防災アクティビティ。楽しいだけでなく、役に立つ入団試験で防災ヒーローを目指すイベントです。
防災ヒーロー入団試験では、新聞紙でスリッパを作り、凸凹のある道を歩く「防災スリッパ作り」や、消火器の使い方を学べる「水消火器射的」、親子で一緒に考える「防災クイズラリー」など、実際に体験しながら防災知識を学ぶアクティビティが豊富。各種目をクリアすれば防災メダルがもらえて最後は防災ヒーロー入団証と交換するなど、防災に興味がない子どもでも楽しめる工夫がされています。
災害は地域や周囲の環境などによっても対策が変わるため、防災ヒーロー入団試験では地域や参加者に応じて競技内容をカスタマイズできます。楽しいだけでなくしっかり防災の知識を学べるほか、家族の防災意識向上にも役立ちます。地域や参加者自治体、教育機関や商業施設のファミリーイベントなど、さまざまな場所で広まってきている人気の防災教育です。
2. オンラインで家族と防災を学ぶ「おうち防災運動会」
おうち防災運動会は、オンライン上で防災体験ができる新しい防災アクティビティ。「防災借り物競争」や「避難所ジェスチャーゲーム」など、運動会のようにチームでの競争を楽しみつつ、自宅で防災について学ぶことができる新しい防災教育のひとつです。
おうち防災運動会では、災害発生前の事前準備から、災害発生直後の24時間、災害発生後72時間から3ヶ月などいくつかの段階に応じた競技を体験することで、一度に様々なシチュエーションの防災知識や体験を得ることができます。また、オンラインならではのチームビルディング要素も多く、自分の身を守り、他人を助けることの大切さを学ぶことができます。
おうち防災運動会は通信環境さえあればどこにいても参加でき、家族や友人などみんなで一緒に体験することが可能です。リモートワークの浸透など家族で自宅にいる機会が増えつつある現在、家族みんなで防災について考えるきっかけになります。
おうち防災運動会は、家族はもちろん、企業の防災意識やチームビルディングを高めるリモート研修としても取り入れられています。
3. 災害リアリティゲーム「水害サバイバル」
水害サバイバルは水害が起こった際の対策が学べる教育型ボードゲームです。
プレイヤーは架空のキャラクターになりきり、架空の水害が起こった町で行動します。キャラクターごとにある目標を達成しつつ生き残ることが勝利条件です。実際に体を動かしたり、繰り返し遊べるようになっており、水害対策知識が身につくように工夫されています。
このゲームは、学校の防災イベントでおすすめです。体を動かしながら、学ぶことで、座学だけでは得られない実践力が身につきます。また、ゲーム終了時にマイ・タイムラインを作成します。マイ・タイムラインとは住⺠⼀⼈ひとりの防災⾏動計画のことです。⽔害発⽣時に、⾃分⾃⾝がとる標準的な防災⾏動を時系列的に整理し、⾃ら考え命を守る避難⾏動のための⼀助とするものです。こちらを作成し、家族で災害が起こった際にどこに避難するかなど決めておくことができます。
まとめ
災害大国といわれる日本にとって、子どものころから防災意識をつけるための防災教育は非常に重要です。防災教育の目的をしっかりと意識して、子どもが自ら行動できるようになるための指導をおこないましょう。
どのような防災教育がいいか分からない場合は、子どもが積極的に防災について学べる、楽しみながら体験できるイベントなどを取り入れるのがオススメです。
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