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updated: 2024 

アクティブラーニングに関するスキル、課題、学習法を解説

アクティブラーニングに関するスキル、課題、学習法を解説

従来の講義形式のように、講師から一方的に知識をインプットする研修ではなく、受講者が自発的・主体的に学ぶ学習法をアクティブラーニングと言います。社会の変化が加速し、未知の領域でも最適解を出すことが求められる昨今、既存の詰め込み式教育が通用しなくなってきました。

自ら考え、他者と協力し困難を乗り越える姿勢が重要視されていますが、アクティブラーニングは、こうした力を効果的に伸ばすことが可能です。
本記事ではアクティブラーニングの効果や具体的な取り入れ方を紹介。どのような研修を実施するか迷っている方はぜひご覧ください。

 

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アクティブラーニングに関するスキル

アクティブラーニングは、これからの時代に必要となるスキルを鍛えられる学習法です。例えば柔軟なリーダーシップや表現力、チームで協力して課題解決を成功させる力などです。アクティブラーニングの効果を詳しく解説するため、以下からどういった能力を伸ばすことができるのか確認しましょう。

リーダーシップ

アクティブラーニングでは課題の答えを講師が教えてくれるわけではありません。受講者が自ら考え、解決策を見つける必要があります。グループリーダーはもちろん、受講者全員が主体的に取り組まねばならないため、全ての受講生のリーダーシップが養われます。

ただし、リーダーシップと言っても、高い能力や強い意志でメンバーを先導する強いリーダー像ではありません。そもそも、このような強いリーダー像は現代では求められていないのが現状。次世代のリーダーに求められる素質は「柔軟性」です。スピーディな周囲の変化にいち早く適合し、メンバーの協力を得ながら課題解決を図る力が必要です。この課題解決への向き合い方は、アクティブラーニングの学習スタイルと近い傾向にあります。そのため、アクティブラーニングを実践することで、現代にマッチしたリーダーシップを身に付けられます。

他者と協調できる豊かな人間性の構築力

アクティブラーニングではさまざまな考え方・価値観を抱くメンバーと建設的な議論を交わします。自分の意見を押し付けたり、他者の意見を否定したりしてしまうと、議論は発展しません。

アクティブラーニングを実践すれば、多様な考え方を受け入れる懐の深さを養えるうえに、思いやりや協調性も育むことが可能です。アクティブラーニングで豊かな人間性を得られ、組織に溶け込める人材を育成できます。

答えがない状況で最善策を見つける力

アクティブラーニングで与えられる課題には、テストや試験のような明確な答えがないパターンが多いです。既存の知識や周囲の情報をかけ合わせて、自分の力で効果が見込める解決策を見出さなければなりません。

そのために必要な能力として挙げられるのが、客観的・多面的に物事を捉える力です。課題をあらゆる方向から捉え、本質的な問題はどこにあるのか探っていきます。また、アイディアや発想力といったクリエイティブな力も求められます。得られる知識は同じでも、その知識の活用法は十人十色です。さらに深い思考に没頭したり、グループ内で議論を重ねたりすることで、想像力を高める効果を見込めます。想像力はイノベーションにおいて重要です。アクティブラーニングで社員の想像力向上に成功すれば、実際の業務でもイノベーションを生む可能性が高まるでしょう。

ビジネスで求められる思考力や表現力

インプットした知識をビジネスシーンでうまく活用する力が育まれます。アクティブラーニングでは得た情報をどのように活用し課題解決を図るか、最適な策を立案するために深い思考が求められます。

また、頭に浮かんだアイディアをうまく言葉で表現して、他人に伝えるスキルも必要です。説得力ある説明を行うためには、話の組み立て方やボキャブラリーにも気を配らなくてはいけません。

こうした思考力や表現力はビジネスの場ではもちろん、日常生活でも生きるでしょう。アクティブラーニングでは実際に他者と議論を交わすことになるため、思考力や表現スキルを効率よく鍛えられます。

アクティブラーニングにおける課題

アクティブラーニングは、従来の学習法の悪い点を解消しているため、現代に合った方法であると注目されています。
とはいえ、アクティブラーニングにもデメリットはあるもの。良い点を中心に取り上げられていますが、アクティブラーニングにも注意すべき難点は存在します。
アクティブラーニングに対する懐疑的な意見を紹介するので、本当に実施すべきであるのかを見極めましょう。

主体的・能動的に活動するための知恵はどう授ける?

アクティブラーニングは主体的・自発的な言動を重視しますが、能動的に活動するためにはある程度の前提知識が必要です。
建設的で実りある議論を交わすには、今までの人生で培った知識や経験が求められるのです。では、そういった知識はどうやって身に付ければ良いのでしょう。答えは講義スタイルである詰め込み式の学習です。

つまり、従来の学習方法はアクティブラーニングを実施する上で不可欠なものと言えます。「主体的・自発的に学ぶために必要なこと」などのカリキュラムを設けないと、質の高いアクティブラーニングの実現は難しいでしょう。揚げ足を取っているように思えるかもしれませんが、ビジネス研修において、アクティブラーニングだけにこだわることは好ましくありません。

能力的な格差を助長しないのか?

アクティブラーニングは能力的な格差を助長するリスクもあります。大部分を生徒の自主性に任せるため、同じ研修内容を実施しても、できる人とできない人の差が激しくなることがあるのです。

人事の観点に立てば研修の受講生にはみな力を伸ばしてほしいのが本音。能力格差が生まれる状況を肯定的には捉えられないでしょう。能力格差発生のリスクを抑えてアクティブラーニングを実施するには、コーチなど第三者の介在が必要です。

しかし、そのためのノウハウや対応策はまだ整備されていない状況。現状はいまだ受講生の自主性によるところが大きいのです。
しかし、あまりに自由すぎる議論は、政治や個人批判等、議論があらぬ方向に逸れてしまう恐れもあります。監督体制の強化はアクティブラーニングの大きな課題です。

アクティブラーニングに関する学習法

アクティブラーニングのやり方はさまざまです。代表的な手法をいくつか紹介します。

ケースメソッド

実際の事例を題材に、分析・議論を通して最善の解決策を導き出す手法がケースメソッドです。実在した問題を扱うことで、実践的な対応力・問題解決能力を伸ばせます。1922年、アメリカのハーバード大学で開発され、現在では経営シミュレーションに適しているとの理由から、多くのビジネススクールで導入されています。

ケースメソッドは、ケースの理解→自分の意見をまとめる→小グループで討議→自分の意見の修正→全体での討議→解決策の検証といった流れで進めます。
個人学習→小グループでの討議→全体での討論とステップを進めることで、より思考を深め、最善の策を導き出せるのがケースメソッドの特徴です。

小グループで討議した後は、他のメンバーの意見を反映させて持論を修正することを忘れないようにしましょう。多くの考え方・価値観に触れることで、視野を広げ客観的な視点に立つことが可能です。また全体討議では大勢の前で発表する貴重な機会を得られるでしょう。

フィールドスタディ

フィールドスタディは実際に現場に赴き、体験や発見を通じて最善の解決策を探る手法です。ケースメソッドと対になる方法と捉えることができるでしょう。ビジネスシーンでは、書類や部下からの報告をもとに現状を把握しますが、自分の目で現場を確認したわけではないため、現場の認識と乖離する恐れがあります。

現場で消費者の行動を分析することで、言葉にできないニーズや本質的な問題を明らかにし、深く理解できる可能性が高いです。
フィールドスタディでは、受講者はまず与えられた課題に対して仮説を立てます。その後、講師から調査方法の説明を受け、現場に赴き観察・分析します。そこから、「仮説は正しいか」「誤っているならば代替策はどんなものになるか」等を考えていきます。実際には、インタビューやアンケートを繰り返し実施することで、法則や共通事項を見出す場合が多いです。

現場で生じる事柄は予測できないので、フィールドスタディは、実際のビジネスシーンに近い状況で学べると言えるでしょう。
つまり、フィールドスタディでは実践的な問題解決能力を伸ばすことができるのです。

OODAチャンバラ合戦

IKUSAが提供するOODAチャンバラ合戦は、勝つためのフレームワークであるOODA LOOPと、チャンバラ合戦を融合した体験型研修です。

合戦は、敵チームの小判をより多く獲得したチームの勝利です。チームのメンバーにはそれぞれ役割が与えられ、勝利には役割を最大限活用できる戦略立案とチームワークが欠かせません。特に戦略立案をするうえで重要な考え方が、OODA LOOPです。

OODA LOOPとは、Observe(見る)、Orient(わかる)、Decide(決める)、Act(動く)という意思決定の4つのプロセスを高速で回す(LOOP)ことです。これにより、判断・意思決定を素早く行えるようになります。OODA LOOPを講義で学び、チャンバラ合戦で体を動かしながらOODA LOOPを繰り返し実践し、振り返りを行うことで定着させます。

実地へと赴くわけではありませんが、予測できない状況の中、学んだことを活かすことで実践的な能力が身に付きます。

楽しく実践的な研修を行いたい方におすすめのアクティブラーニング研修です。

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ジグソー法

ジグソーメソッドは各メンバーが保有する知識をかけ合わせていく手法です。まるで、ジグソーパズルを完成させるように全体像を捉え、課題解決を図る手法です。
まず複数人のグループを作った後に、各メンバーはそれぞれ異なる専門的知識が学習できるグループへ移動します。

学習後は、元のグループへ戻り、グループ学習で得た知識をメンバーに共有します。共有し合った情報をもとに、課題を明確化していくことが目的です。
専門的知識はそれ自体が難解であるため、メンバーに伝える際は分かりやすくかみ砕いて説明する必要があります。

ジグソーパズルを完成させるにもピースは一つも欠けてはいけません。それと同じようにジグソーメソッドも、メンバー全員の知識を全て結集しなければ、課題解決は実現しません。ジグソーメソッドでは、主体性や表現力、協調性といったスキルを磨くことができるでしょう。

ジグソーメソッドを用いたレクリエーションとしては「野球のポジション当てゲーム」や「僕の座席はどこ?」などのゲームが挙げられます。
また、最近ではオンラインでできるジグソーメソッドのゲームも多く展開されています。

リアル探偵チームビルディングは、ジグソーメソッドを活用した推理ゲームです。仲間と協力をしながら推理を進めるなかで、コミュニケーション力や情報整理能力、論理的思考力を身につけることができます。

参加者は、はじめに4〜6名の「小グループ」内で、与えられた情報を確認・整理します。小グループはいくつかあり、それぞれのグループに別々の情報が与えられています。

小グループ内で情報を整理できたら、次は「大グループ」へと移動。それぞれが持つ情報を共有し、推理を進めていきます。

その後再び小グループにて各々が入手した情報を共有し、さらに推理を深め、最終的に大グループとして一つの答えを導き出します。

ゲームをクリアするには参加者同士の協力が必要不可欠。アクティブラーニング研修をお探しの方に、ぜひおすすめしたい内容となっています。

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また、リアル探偵チームビルディングのオンライン版として、「リモ探」もございます。リモートワークでのオンライン研修をお探しの方におすすめです。

リモ探は、少人数からなる「小グループ」といくつかの小グループからなる「大グループ」を行き来しながら推理を行う、ゲーム型研修です。情報共有が重要なゲームであるため、オンラインでのコミュニケーションを活性化できます。

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ラウンドロビン

グループでアイディアを出し合い革新的な議論を誘発する行為をブレインストーミングと呼びます。そして、ラウンドロビンはブレインストーミングの一種です。
質問や議論の時間を与えずに、思いついた意見やアイディアを次々と口に出していきます。発言機会が均等に与えられるため、普段は消極的な人でも議論に参加しやすい点が特徴です。

時間制限やループの回数等の簡単なルールを決めるだけで、すぐ開始できる手軽さもメリットと言えるでしょう。ラウンドロビンでは何度も発言機会を持たされるので、瞬発力や想像力などが必要です。普段物静かな方にとっては、慣れるまではストレスを感じる活動になるかもしれません。
しかし、近年のビジネスシーンでは変化への素早い対応力が求められる状況。あらゆる社員が実践的なスキルを身に付けるためにも、必要なアクティビティなのです。

マイクロディベート

その名の通り、ディベートの簡易版がマイクロディベートです。31組のグループを作り、課題に対して肯定の立場を取る者、否定の立場を取る者、ジャッジの役割を決めます。
各々意見をまとめた後に、肯定派3分→否定派3分→フリートーク3分→判定・まとめ3分の流れで議論を進めていきます。

肯定と否定に分かれるのはディベートの原則に「公平性の原理」があるためです。議論の立場だけでなく、メンバーの数や主張の時間も均等であることが求められます。マイクロディベートを通じ、論理的かつ説得力のある伝え方や相手の意見を的確につかむ力などが身に付きます。
通常のディベートと比べ小規模で時間を節約できるため、運営コストがかからない点がメリットです。

合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINE

コンセンサスゲームとは、参加者同士でコンセンサスを得る(合意形成)ことで、与えられたテーマ課題の解答を導き出すゲームです。コンセンサスゲームでは、ジャングルや宇宙などを舞台としたストーリーの中で、グループで所有しているアイテムに優先順位をつけ、グループ全員からのコンセンサスを得ることで、危機的状況から脱出することを目的としています。

マイクロディベートとは異なりますが、話し合って一つの合意に至ることで、自分の考えをうまく説明できるようになることでしょう。

IKUSAが提供する合意形成研修 コンセンサスゲームは、対面とオンラインのどちらでも実施可能です。

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ピアレスポンス

ピアレスポンスとはペアもしくはグループを作り、それぞれが作成したレポートやプレゼン資料に対し、お互いに意見や改善点を伝えるフィードバックの手法の一つです。
ピアレスポンスの効果は、まず他人の批判を受けることで、読者が作品に対して抱く正直な感想を把握できる点が挙げられます。

また、説明することで自身の作品に対する理解を深めやすくなります。さらに、発表と批判という2つの立場を経験することで、分かりやすく伝える表現力及びフィードバックを受け入れて改善する力を伸ばせます。

ピアレスポンスの注意点は、評価者に知識が備わっていないと的外れな指摘を受ける可能性があることです。しかし一般的なフィードバック手法である添削と比較すると「発表者は改善の理由を理解できる」「両者は対等な立場なので上下関係が生まれにくい」といったメリットがあります。

まとめ

アクティブラーニングとは、受講者が主体的に学習する方法のことです。アクティブラーニングによって、次世代型リーダーシップや表現力、傾聴力、問題解決能力といったさまざまなスキルを伸ばせます。

一方で、アクティブラーニングの効果に懐疑的などな意見も聞かれます。否定派はアクティブラーニングを実施するには、肯定派が過去の産物と捉えるインプット型の学習が前提となると述べています。また、能力的な格差を助長する可能性も危惧されているのです。

とはいえ多くの企業がアクティブラーニングを研修手法として導入しており、十分効果は期待できます。実践の際は本記事で紹介した方法を参考に、自社に適したものを選んでください。

 

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この記事を書いた人

IKUSA.jp編集部
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