posted:2018 03.22
updated: 2023 03.02
【ユニーク研修】真似できる!?普通じゃない社員研修6選

目次
社員研修にお困りのみなさま、こんにちは! ビジネスから美容まで貪欲に書く雑食ライターの古賀です。
会社員の友人たちの話を聞いていると、何やら研修をストレスに感じるよう。理由を尋ねたところ、「内容が退屈だ」、「集団行動が窮屈でしんどい」といった意見が目立ちました。
社員の育成に欠かせない研修ですが、大切なのは本人のやる気。そもそも、意欲がなければ研修をしても期待した効果は得られないでしょう。社員のやる気に火を点けるには、主体的に楽しんで取り組めるユニークな研修を提案したいところ。そこで今回は、実際に企業が実施している体験型研修をご紹介します。
会議をアウトドアですると効果が上がる!?「会議研修」
まずご紹介したいのが、多数の社員で行える会議研修。サントリー食品インターナショナル株式会社がおこなったのは、株式会社スノーピークビジネスソリューションズが手がけるアウトドアでの会議研修です。
キャンプ場に到着してまずやることは、テントやタープを参加者の手で設営すること。普段の仕事と違った共同作業を通して、オフィスではわからない社員同士の意外な一面がわかり、自然とチームビルディングが進んでいったそうです。
いつもと変わらないオフィスで行う会議と比べて、アウトドアの刻一刻と変化する環境での会議は、自然と気持ちがワクワク盛り上がることによって生産性が高いと感じる参加者が多かったのだとか。また、おいしい天然水を担当するチームの方たちだったので、アウトドアの活動と製品ブランドとの相性が良いのもポイントだそうです。
また、アイデアの質も、社内会議と比べてバイアスがかかった意見が少なく、未来を見据えたアイデアが中心だったそう。さらにアウトドアでは、デジタルディバイスの存在があまり気にならず、解放的な議論が中心となり参加者の笑顔が耐えなかったようです。
企業の製品やサービスが自然・森など、アウトドアと直結していなくても、屋外の気持ちがいい雰囲気で会議を行うと良い議論ができそうですね。会議研修後にそのままBBQや屋外遊びを行えば、社内の親睦にもつながりそうです。
子どもへの対応力アップは顧客満足に直結!?「幼稚園研修」
株式会社栃木ダイハツ販売会社や、青森ダイハツモータースで実施されている「幼稚園研修」。新入社員は全員参加の研修で、その目的は、子どもへの対応力を向上させること。地域の幼稚園で5日間、子どもたちと遊んだり給食を食べたり、園生活のサポートをしたりして、子どもとの関わり方を実践的に学びます。
ファミリー層の顧客が多いダイハツの販売店では、子連れでの来店が多く、お客様が子どもへの対応に追われてしまい、商品説明を満足にできないケースもあるのだとか。そこで、こうした現状を打破するために、幼稚園研修の取り組みが始まったのだそうです。
子どもが楽しく過ごせるショールームをつくることが、来店者の満足、ひいては顧客獲得につながる。そんな考えのもと始められた研修ですが、子どもへの対応力を磨くだけでなく、子ども目線に合わせて店内を再構築したり、子ども用の名刺も用意したりと、研修の効果をさらに生かせる取り組みもおこなわれているようです。
車の購入は大きな買い物。子どもがのびのび過ごせる環境が整っていると、安心して考えたり、相談したりできて助かりますね。企業と地域の関わりも生まれ、社会貢献やイメージアップにもつながりそうです。
新入社員への洗礼!?半強制でコミュ力を強化する「ヒッチハイク研修」
ユニークかつハードな研修として注目されているのが、株式会社イカイの「ヒッチハイク研修」です。製造請負・派遣事業などを展開する株式会社イカイでは、新入社員に対して入社前に「絆」をテーマに研修を実施。清掃活動、ビジネス体験などさまざまありますが、なかでもヒッチハイク研修が世間から大きな関心を集めています。
新入社員はまず、研修担当のスタッフに連れられて本社から100kmほど離れた場所まで車で向かいます。現地に到着したら、そこで財布と携帯電話を没収されて車から降ろされます。現金をもたない新入社員が本社に戻る方法は、ヒッチハイクのみ。行き交う車を止めて交渉し、なんとか本社にたどり着いた頃には、コミュニケーション能力や交渉力、そして体力など社会で必要な力が身につくようです。
確かに、達成できれば人間として一皮むけそうですが、事件や事故に巻き込まれるリスクは無いのか気になります……。リアルなサバイバル体験だからこそ、高い効果が期待できるのでしょうか。
真夜中の東京散歩で地理を学ぶ!「kmウォーキング」
さて、孤独なヒッチハイクの次は、団結力が高まりそうな研修をご紹介。タクシー会社の国際自動車株式会社が実施する新入社員研修は、真夜中に都内の観光スポットを35km歩くというもの。5〜6名の同期でチームを組み、東京観光をおこないます。
浅草や東京タワー、東京スカイツリー、上野公園などのさまざまな名所を約12時間かけて歩き続けることによって、主要な観光名所をもれなく巡ることができるようになっているのだとか。同期と楽しみながら回ると、思い出ができて地理を覚えやすくなるそうです。
また、車で回るだけでは気づかないような発見も。車が通りやすそうな道であるかどうかを確認したり、お客様に伝えられる情報をみつけられたりと、現場で役立つ知識をつけることができるようです。
この研修は、基本的に歩くだけなので研修費用を抑えられるのも魅力的ですね。真夜中ではありますが、5〜6名で歩くのであれば安心できそうです。この時間帯特有のテンションも手伝って、ゴールしたときの達成感はかなり大きいのではないでしょうか。
チークワーク&作業効率アップ!「しょうゆ造り」で社員研修
壮大なウォーキングの次は、ちょっと渋めの研修を。印刷業の大和美術印刷株式会社では、新入社員を対象に社内研修で「しょうゆ造り」をおこなったそうです。
発端は、同社の篠田直弘専務が訪れた池本醤油合名会社の工場見学。そこで篠田氏は、社長の池本充宏氏の仕事ぶりや考えに強く賛同し、新人研修を依頼したそうです。そして、2016年の新入社員7人が、この企画に初めて挑戦することになりました。
しょうゆ造りでは、トマト味や黒ごま味など6種類のオリジナルしょうゆを製造。味の調整や包装デザインなどの作業を実践しました。しかし、7人での取り組みとなると、意見がぶつかることも。その都度話し合っていくことで、団結力が強まっていったそうです。
しょうゆ造りの際には、時間の使い方や作業の効率化を意識するようなアドバイスもあり、しょうゆ造りを通して実際の仕事に生かせる学びを数多く得られたといいます。
印刷業の大和美術印刷にとって、しょうゆ造りは無縁なはずですが、双方の理念が合致した印象ですね。クリエティブな作業は一体感が生まれるもの。それまであまり関わりがなかった人たちであっても、力を合わせて一つのものを造りあげることで、チームワークがグンと深まりそうです。
チームビルディングとPDCAの実践に最適!「チャンバラ合戦研修」
最後は、一風変わった研修をご紹介。転職支援・人材派遣などを手がける株式会社インテリジェンスが内定者研修としておこなった「チャンバラ合戦」です。 NPO法人ゼロワンが手がけるチャンバラ合戦(チャンバラ合戦-戦IKUSA-)は、スポンジ製の刀を武器に、腕につけた命(ボール)を狙って戦う極めてシンプルなアクティビティです。
「合戦」がテーマになっているため、仲間と思いを一つにゴールに向かって進んでゆける組織づくり“チームビルディング”を体現できるのがうれしいところ。チームに分かれてミーティングをおこない、どのような戦略で戦うのかを相談したら、いよいよ合戦開始。チームワークを生かして敵チームと戦います。
合戦は数回にわたっておこなうので、負けたチームも再度ミーティングで戦略を練り直して雪辱を晴らすことができます。反省点や改善点を話し合い、その内容をすぐに行動につなげていくことによって、合戦を通してPDCAサイクルを回すことができるでしょう。
実は私もチャンバラ合戦に参加したことがあるのですが、この盛り上がりは、ほかではなかなか味わえないもの。初対面の人ばかりでしたが、ミーティングを重ねるごとに団結力が強まっていきました。勝利を収めたときの興奮は今も忘れられないほど。高まるテンションの力を借りて関係を深めやすいので、内定者研修や新人研修にぴったりのアクティビティです。
チャンバラ合戦-戦 IKUSA-公式サイトはこちらチャンバラ合戦-戦IKUSA-の資料ダウンロードはこちら
社員が心から楽しめる、価値のある研修を
堅苦しい研修で社員のストレスをためるより、楽しく主体的に参加できる研修のほうが、社員・企業どちらにとっても有益といえるでしょう。今回はユニークな研修をピックアップしましたが、いずれも研修として効果的に考えられたものばかり。実際に取り入れやすいものが多いので、企業理念に近いところがあれば導入してみてはいかがでしょうか。
参考サイト
アウトドアで研修と働き方改革|SnowPeak Business Solutions
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神戸新聞NEXT|姫路|ユニークな新人研修増加 しょうゆ造り、社内幹事…
チャンバラチームビルディング!?インテリジェンス内定者研修の巻 | チャンバラ合戦-戦 IKUSA- 公式サイト
(文:古賀 令奈)