防災

updated: 2024 

停電したらどうする?災害時と事前にできる対策について解説

停電したらどうする?災害時と事前にできる対策について解説

地震や台風などの災害によって、停電が起きることがあります。自分の身を守るので精一杯の時、突然部屋が真っ暗になると、パニックになるかもしれません。しかし、そういった時ほど落ち着いて対応することが、自身の身を守ることにつながります。

本記事では、災害によって停電した際に取るべき行動や事前に準備しておくべきことなど、火災や怪我を防ぐために注意したいポイントについて解説します

 

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災害時に停電したら

停電が起きる原因としては、地震、雷、台風、大雨、大雪、車が電柱に衝突したケース、火災などが考えられます。災害などで起きた停電と、自宅のブレーカーが落ちたことによる停電では、対応が異なります。停電したら、慌てず、まずは状況を確認してから動きましょう

災害などによる停電では「通電火災」に注意しなければなりません。通電火災とは、電気が復旧した時に起こる火災のことです。災害時に火災や怪我などの被害を防ぐため、以下のようなことを意識して行動しましょう。

停電範囲を確認

突然停電が起きたら、慌てず冷静に行動することが大切です。まず、窓から外を見たり、インターネットなどで情報を検索したりして、どの範囲で停電しているのかを調べましょう

自宅だけ停電している場合

近所の家は電気がついていたり、自宅の一部が停電したりしている場合、ブレーカーが落ちた可能性があります。ブレーカーの状況を確認しましょう

ブレーカーが落ちる理由で考えられるのは、使用している電力量が契約アンペアを超えた場合です。電化製品の電源を切ったり、電源プラグをコンセントから抜いたりしてから、下がっているブレーカーのつまみを上げましょう。ほかにも、電線の損傷や切断、建物の設備の故障、漏電などが考えられます。ブレーカーを上げても電気が復旧しない場合は電力会社の情報を確認しましょう

家電の電源プラグを抜く

害による停電で恐ろしいのが、電気が復旧した時に起きる「通電火災」です住民が避難して不在の時に通電火災が起きると、初期消火ができず被害が拡大する可能性があります。特に、アイロン、ドライヤー、ヒーターなど熱が出る家電は注意が必要です。必ず電源プラグをコンセントから抜きましょう

パソコンは電気が復旧した時、故障する可能性があります。パソコンやプリンター、無線LANルーターの電源を落とし、コンセントから電源プラグを抜きましょう

太陽光発電や蓄電システムを自立運転に切り替える

自宅に太陽光発電や蓄電システムがある場合、停電が長時間に及びそうなら自立運転に切り替えましょう。ただし、自動で切り替わるタイプは、手動で切り替える必要はありません。メーカーによって切り替え方法が異なりますので、平常時からマニュアルを確認しておくとよいでしょう。

スマートフォンを省電力モードに

停電した場合、固定電話を使うことはできません。連絡や情報収集にスマートフォンを使うことになるでしょう。そのため、スマートフォンのバッテリーを長持ちさせられるよう省電力モードに切り替えるのがおすすめです。電波状況が悪い時は、機内モードにしておくと、インターネットに接続する時の電力を抑えられます。事前に切り替え方をマニュアルで確認しておくと、慌てずにすむでしょう。

ブレーカーを落とす

地震や大雨による浸水などの被害を受けて停電した場合、電気機器や電源コードに異常が発生しているかもしれません。電気ストーブなど、スイッチがオンになった電熱器具をそのままにしておくと、通電した時、そばにある可燃物から出火する可能性があります。ガスが漏れている場合は、復旧時の電気の火花で爆発を起こすかもしれません。避難などで自宅を離れる時は、不在時の通電火災を防ぐため、ブレーカーを忘れずに落としましょう

停電した時に自宅で気をつけること

停電すると、普段通りに家電製品を使うことができません。電気が通るまで、工夫しながら自宅で過ごす必要があります。ここでは、停電時に気をつけたいことについて説明します。

冷蔵庫・冷凍庫の保冷効果を維持する

冷蔵庫や冷凍庫は、停電しても23時間は保冷できることが多いです。短時間の停電ですみそうな場合は、庫内の冷気が長持ちするように、なるべく開閉をしないようにしましょう

復旧まで時間がかかりそうな時は、保冷剤や冷凍食品、凍らせたペットボトル飲料を冷蔵庫の一番上の棚に入れると、冷蔵庫の温度を保ちやすくなります。また、冷蔵庫に食品が入り過ぎていると保冷効果が弱くなるので、容量の7割程度を目安に、普段から詰め込み過ぎないようにしましょう。一方、冷凍庫は食品をきっちり詰めて入れておく方が冷凍効果を維持できます。

通電火災に注意する

災害時の通電火災は、家電製品のスイッチが入ったまま電気が復旧した時だけでなく、電化製品やコンセントが濡れた状態で通電した時にも起こります配線がショートしたり、通電時に火花が出るトラッキングと呼ばれる現象が起こったりすることが原因です。ショートやトラッキングによって発生した火花が電化製品やガスなどに引火し、通電火災が起こります。

そのため、停電時は以下のような対応が必要です。

  • 家電製品のスイッチを切る。
  • 電源プラグを抜く。
  • 避難時はブレーカーを落とす。
  • 石油ストーブや石油ファンヒーターの油漏れがないか確認する。
  • ガス機器に破損がないか確認する。

また、停電時にろうそくを使うことは、火災のリスクが高まるためあまりお勧めできません。地震の場合は余震でろうそくが倒れる可能性もあるため、ろうそくを使う場合は目を離さないようにしましょう。

参照:地震火災~あなたの命を守るために出来る事|防火対策の推進等|総務省消防庁

一酸化炭素中毒に注意する

ガソリンやガスを使った発電機を、換気が不十分な室内で稼働すると、一酸化炭素中毒になる可能性があります

一酸化炭素は少量を吸い込んだだけでも中毒を起こす危険なガスです。無色、無臭なので気づきにくく、頭痛や吐き気などの中毒症状が現れます。ひどい場合は、脳細胞を破壊したり、命にかかわったりするため、ガソリンやガスを使う発電機を使用する場合には、こまめな換気が必要です。テントなどで使用する場合も、換気が悪いと一酸化炭素中毒になる可能性があるので注意しましょう。

暑さ・寒さ対策をする

停電時はエアコンや電気ストーブが止まりますので、暑さ・寒さ対策をすることが必要です。暑い時は、窓を開けたり、濡れたタオルを首に巻いたりして、熱中症になるのを防ぎましょう。脱水症状にならないよう、飲み物を用意して水分補給をすることも大切です。また、汗拭きシートを用意しておくと便利でしょう。

寒い時は窓を閉め、重ね着、毛布で体を温めて、使い捨てカイロなどを使用しましょう。首、手首、足首を冷やさないようにすると効果的です。

トイレの使い方を工夫する

停電時は、トイレの機能によって水が流せる場合と流せない場合があります

タンクにレバーがついたトイレは、断水していないのなら、水を流すことができます。一方、ボタンやセンサーで流すタイプのトイレは停電しているため水が流れません。バケツに水をくみ、水はねに気をつけて便器に流しましょう。

災害によって排水管が破損したり、大雨などで床下浸水したりしている時は、汚水があふれる可能性があります。携帯トイレを活用した方がよいでしょう

停電に備えて用意すること

災害による停電は、いつ起こるかわかりません。事前に以下のようなものを用意しておくと便利でしょう。

モバイルバッテリーを用意

停電時は、被害状況や復旧の情報を収集するため、スマートフォンを使うことが多くなります。コンセントから充電はできませんので、モバイルバッテリーを用意しておくと安心です。容量が大きいポータブル電源があると、他の電化製品にも使用できます。

太陽光電池や蓄電池などの導入

太陽光パネルを屋根などに取りつける太陽光電池があれば、停電中であっても、晴れた日中の時間に電気を使うことができます。また、電気自動車やハイブリッド車を蓄電池として利用すると、停電時でも電気が使えるでしょう。

ハンドルを回して電気をつくる手動式発電機は、スマートフォンなど小さな電化製品の充電に便利です小型のものであれば数千円で購入できます。発電時に大きな音が出るものは避難所で使用しにくい場合があるため、よく検討してから購入しましょう。

懐中電灯の用意

懐中電灯の保管場所は、リビングなど人が集まる所にするのがおすすめです。蓄光テープを貼っておくと、暗闇でも探しやすくなります。また、懐中電灯は、ライトの部分に水を入れたペットボトルをのせると、光が乱反射してランタンのように使えます。火を使わずに部屋を明るく照らせるので安全に使用できるでしょう。

水・非常食の備蓄

水道水のくみあげを電動で行っている地域では、停電で水道が止まる可能性があります。電気が復旧するまでを想定して少なくとも3日分は備蓄しておきましょう水は1日3リットルが必要とされているため、一人あたり9リットル以上用意するのがおすすめです

停電時は家電を使った調理が難しいうえに、コンビニやスーパーが利用できないこともあります。缶詰、乾パンなど、加熱せず食べられる非常食を用意しておきましょう

カセットコンロ、ガスボンベ

カセットコンロとガスボンベがあると、停電時でもお湯を沸かしたり、加熱調理ができたりするので便利です。特に、寒い冬の停電では、熱いお茶やインスタントラーメン、みそ汁などがあると、体を内側から温めることができます。ガスボンベはストックを用意し、火事に気をつけながら、換気の良い所で使用しましょう。

現金

停電中は、カードやスマートフォンによるキャッシュレス決済やATMからの引き出しができません。コンビニやスーパーのレジが開かない可能性もあるため、手元に現金があると安心です。お札と小銭を用意しておきましょう。

家具の配置

停電が起きた時、家電製品の電源プラグを抜きやすいよう、家具などでコンセント周りが隠れないようにしておきましょう。また、ストーブの近くに衣類などをかけておくと、地震の時に落ちて火災につながる可能性があります。暖房機器の周辺は整理整頓し、近くに燃えやすいものを置かないようにしましょう。暗闇になると、段差や障害物につまずいて転倒し、怪我をする可能性があります。周りの光を集めて発光する蓄光テープを貼ると、転倒防止に役立つでしょう

感震ブレーカーなどを使う

通電火災を防ぐため、停電が起きて避難する時は、ブレーカーを落とす必要があります。しかし、災害時は自分の身を守るのに精一杯で、忘れてしまうかもしれません。そういった場合に備えて、地震の揺れを感知したら自動的にブレーカーが落ちる「感震ブレーカー」を使うとよいでしょう

感震ブレーカーにはいろいろな種類があります。

  • 分電盤のなかに揺れを感知するセンサーが入ったもの
  • 地震時にブレーカーにつけた重りと一緒にブレーカーも落ちるもの
  • コンセントに取りつけるタイプのもの

また、電気ストーブにも耐震安全装置がついたものがあります。地震でストーブが倒れた時、安全装置が働いて自動的に消えるようになっているので、こうしたストーブを使うのもよいでしょう。

停電から復旧した時にすること

停電から電気が復旧したら、電気製品などのトラブルを防ぐため、以下のことをしましょう。

電気製品とその周辺を確認

ブレーカーを上げる前に電気製品と、その周辺をチェックします。配線やコードが損傷していないか、燃えやすいものが近くにないかなど、安全を確認しましょう。外見上は損傷していなくても内部が故障し、通電後、時間がたった後に火災が起きる可能性もあります。煙や異臭が発生した時はブレーカーを落とし、すぐ消防機関に連絡しましょう。

また、電気製品の周りでガス漏れによる異臭の有無を確認することも大切です。ガスの臭いがする場合は、換気するとともにガス会社に知らせましょう。

電気製品の動作をチェック

ブレーカーを上げたら、電源プラグをコンセントに差し込み、電気製品が正常に動作するかチェックしましょう。タイマー機能がついた電化製品はリセットされている可能性があります。

動作チェック時に、特に気をつけなければいけないのは煙や臭いです。電気製品に異常が認められたらブレーカーを落とし、すぐ消防機関に連絡しましょう。

太陽光発電・蓄電システムの切り替え

太陽光発電・蓄電システムを使用している時は、マニュアルを見ながら、自立運転から通常運転に切り替えましょう。

外出先で停電にあったら

停電は自宅にいる時に起きるとは限りません、外出先で停電にあうケースもあります。外出先で停電にあった場合も、落ち着いた行動が必要なのは同じです。以下のことに注意しましょう。

エレベーターに閉じ込められたら

エレベーターに乗っている時に停電が起きると、閉じ込められてしまう可能性があります。無理やり扉を開けると、昇降路に転落する危険があるため、まずは戸開ボタンか行先階ボタンを押しましょう。動かない場合は非常用ボタンを押し、助けを待ちます。エレベーター内には隙間があるので、窒息する心配はありません。

交通事故に気をつける

大規模な停電が起きた場合、信号や街灯が点灯しない可能性があります。車やバイクを運転している時も、歩いている時も、事故に十分注意しましょう車を運転している場合は、交通誘導に従い、交通誘導がない交差点では一時停止をし、周囲の状況をよく確認しましょう

切れた電線に近づかない

災害が起きた後、電線が切れたり、地面の方に垂れ下がったりしていることがあります。感電する危険があるため、絶対に近づかないことが大切です。電線が切れたり、垂れ下がったりしているのを見つけた場合は、電力会社に連絡しましょう

 

まとめ

日本は停電が少ない国だと言われています。それだけに、災害で停電が発生した時は、慌ててパニックになるかもしれません。情報収集をしてから、落ち着いて行動しましょう。

停電が発生した時は、怪我をしないよう行動し、火災の発生を防がなければいけません。東日本大震災の本震の火災のうち、原因が特定されたものの半数以上が電気関係の出火でした。災害時は消防が手薄になることもあり、二次災害を防ぐことはきわめて重要です。停電への備えを普段から心がけるようにしましょう。

 

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