福利厚生社内イベント

posted:2022 03.05

updated: 2022 10.21

懇親会費用は福利厚生費で計上できる?条件や交際費との違い

粕谷麻衣
懇親会費用は福利厚生費で計上できる?条件や交際費との違い

会社の懇親会において悩みやすい勘定項目。「福利厚生費で計上していいのか」「どのようなケースなら福利厚生費になるのか」など、疑問を抱える方は少なくありません。
福利厚生費として支払った費用は全額が「損金」としての扱いとなるため、企業の税金対策としては非常に重要なもの。福利厚生費として計上できるものはすべて把握しておきたいと考えるのは当然のことです。
しかし、福利厚生費で計上するには一定の条件を満たす必要があります。条件を満たしていないにも関わらず、福利厚生費として計上してしまうと、意図せず脱税に繋がる可能性があるので注意が必要。
懇親会にかかる費用は必ずしもすべてのケースで福利厚生費として計上できるわけではありません。
そこで、今回は懇親会費用を福利厚生費で計上できる条件や、交際費との違いなどについて、詳しく紹介します。

懇親会費用を福利厚生費で計上するための条件

懇親会費用を福利厚生費で計上するためには、おもに以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 全従業員対象である
  • 現金支給ではない
  • 社会通念上の額である

懇親会費用を福利厚生費として計上するための条件として、まず挙げられるのは懇親会が全従業員対象であることです。一口に懇親会といっても、全従業員が対象の場合だけではなく「役員のみ」「特定のプロジェクトに関わる人のみ」など、一部の従業員が対象となることがあります。
事情により、全従業員だけではなく一部の従業員だけが対象となってしまうことは多いです。とくに、「営業先との付き合い」「新チームの親睦を深める」などの場合は、関係者のみの規模で懇親会を行うことは少なくありません。
しかし、福利厚生費用はあくまでも全従業員を対象とした懇親会にのみ該当する勘定項目。立場や役職に関わらず、従業員全員が参加できるような懇親会であることが重要です。

また、現金支給ではないこと、社会通念上の額であることも条件です。
懇親会費用として計上できるのは、「会場費」「飲食代」など。直接従業員に金銭を支払った金額は含んではいけません。
社会通念上の額とは、一般的・常識的に考えて許容できる範囲の支出であることが、福利厚生費として計上するためにも必要。わずか10人の懇親会であるにも関わらず、一晩で100万円にも及ぶようなことがあれば、これは社会通念上の額とは言いにくくなるでしょう。

福利厚生費?交際費?懇親会に参加する人によって計上する項目が変わる

福利厚生費と似た勘定項目に「交際費」があります。福利厚生費も交際費も、複数人で集まって親睦・交流を深めるために必要なお金を計上する際の項目です。
そのため、社内での懇親会を計上するにあたり、福利厚生費と交際費のどちらが適しているのか悩む方も多いのではないでしょうか。しかし、それぞれには大きな違いがあるため、勘定項目を選ぶ際には注意が必要です。
基本的には、懇親会に参加する人や、参加人数によって計上する項目が異なります。詳しい条件は以下をご覧ください。

福利厚生費と交際費の違いは?

福利厚生費と交際費の違いは、「社内での交流か」「社外との交流か」です。
たとえば、社員同士の交流・親睦を深めるために懇親会を実施するのであれば、勘定項目は福利厚生費になります。福利厚生とは、会社で働く従業員に対する制度のこと。福利厚生費として計上するには、会社で働く従業員を対象にしたものでなければなりません。従業員のために飲み会やレクリエーションを実施するのであれば、勘定項目は福利厚生費となります。

一方、交際費は、おもに社外の人との交流の場で計上できる勘定項目です。「接待」「社外での打ち合わせ時の施設利用代」「慰安」「贈答品」などが交際費に該当します。
企業にとって、取引先や顧客など、良好な関係を築くために必要な交際は多いもの。交際費は、社外との良好な関係維持のために必要な支出を計上できる勘定項目なのです。

忘年会の2次会、3次会

懇親会として「忘年会」を実施した際、2次会や3次会と続いた場合は、利用店舗が企業のイベントとしてふさわしいか否かで福利厚生費の計上可否が変わります。忘年会は1次会で終了せず、場合によっては2次会、3次会と遅くまで続くことがあるでしょう。2次会3次会にかかった費用を福利厚生費として計上するには「利用先」を慎重に選ぶ必要があります。
忘年会の1次会で利用する店舗は、基本的に居酒屋などの飲食店が基本。会社のイベントとして利用しても問題はありません。しかし、お酒が進み2次会3次会と進むにつれて、接客サービスを伴う店や、性風俗関連特殊営業に分類される店舗などを利用することは、会社のイベントとしてふさわしいとは言えません。
忘年会を実施するのであれば、2次会3次会の利用先は慎重に検討することが大切です。
ちなみに、3次会はそもそも会社の経費として認められないことも多いので、あらかじめ経費として計上できるのかも確認しておきましょう。

一部の人しか参加しない場合

懇親会費用を福利厚生費として計上するためには、「従業員全員が対象であること」が条件となっています。しかし、従業員によっては、既に別の用事が入っていたり、そもそも懇親会などの集まりに苦手意識を感じたりする人もいるでしょう。そのため、全員が出席するとは限りません。
結果的には会社の一部の従業員しか出席しないことになるので、一見すると福利厚生費としての計上は難しく感じます。しかし、全従業員に通知を出したうえで、結果的に一部の従業員しか参加しなかった場合は、福利厚生費として計上可能です。
なお、懇親会の通知は、口頭ではなくメールや文書などで、明確に共有することをおすすめします。

役員のみや特定の社員のみを対象とした懇親会は、福利厚生費に該当しません。福利厚生費に該当するのは、あくまでも全社員が対象となった懇親会です。立場やチーム、個人的に親しい人同士などだけが参加する懇親会は福利厚生費に該当しないので注意してください。

社外の人が参加する場合

社外の人が参加する場合は、「交際費」として計上します。
取引先や顧客、仕事の関係者など、社外の人を対象とした懇親会は、福利厚生費には該当しません。仮に、親睦を深めることが目的であったとしても、福利厚生費ではなく交際費となります。
交際費は損金算入することができますが、800万円が上限。また、飲食費にかかった分の50%を会議費として損金算入するという選択肢もあります。
状況により、交際費・会議費のどちらを選ぶかで会社の負担が異なるので、支出額やシーンと照らし合わせてみてください。

まとめ

本ページでは、懇親会を福利厚生費として計上するための条件や交際費について紹介しました。懇親会であれば、例外なく福利厚生費として計上できるのでは?と思っている方も多いですが、実際にはさまざまな条件を満たす必要があります。そのため、仕事関係での懇親会であっても、福利厚生費として処理できるとは限りません。
本ページを参考にしながら、懇親会の内容と照らし合わせ、計上できる項目をチェックしてみてください。

この記事を書いた人

粕谷麻衣
1993年生まれ。栃木県在住。一児のシングルマザーライター。Web媒体・紙媒体にて、ジャンルを問わず多くのメディアで執筆。BtoB向け記事の他、ママ目線でのコラム執筆も手掛ける。専門家や起業家などへの年間インタビュー数200人を目標に、パワフルに活動中。
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