posted:2021 03.04
updated: 2022 11.02
防災イベントを企画しよう!子どもから大人まで楽しめるための7つのコツ

防災イベントを企画するときに大切なポイントとは何でしょうか?
マンネリ化している、面白くない、人が集まらないといった悩みを解消する、子どもから大人まで楽しめる防災イベントを企画するコツをご紹介します。
防災イベントはなぜ必要?
防災イベントは楽しいだけのイベントではないため、開催や参加にあたっては後回しにしがちです。そんなときは、「そもそも、防災イベントはなぜ必要か?」ということを考えてみましょう。
日本は災害大国なのに、防災意識が高い人は少ない
防災大国である日本では、毎年のように地震や台風、大雨など自然災害が発生して広範囲の地域が被害にあっています。そして、災害発生時に自分や家族の身を守ってくれるのが、それまでに習得していた防災知識です。いざという時に防災知識がないだけで避難が遅れたり、体調を崩してしまったりと命にかかわる危険があるのが災害です。
災害はいつどこで起きるか分かりません。防災知識は災害が起きた後にあらためて学ぶものではなく、普段から身に着けておくべきものです。しかし、現状は「防災意識が高く、普段から準備をしている」という人は多くはありません。学生時代は避難訓練をおこなったものの、大人になってからは防災について知識を得る機会が減ってしまうというのが一般的です。
防災イベントなら、気軽に防災知識を学べる
防災知識を得るためには学習が必要ですが、前途の通りにその機会はあまりなく、自主的に学んで知識を集めしかありません。しかし、いつ起こるか分からない災害のためにわざわざ時間を作ることは難しく、つい後回しになりがちです。
そんな場合でも、防災イベントがあれば参加するだけで防災知識を学ぶことができます。防災イベントでさまざまな体験をすることで防災の基礎知識を気軽に習得でき、日ごろの防災対策を見直すきっかけになります。
防災イベントを企画するコツは?
防災イベントは主に学校や地域や自治体で開催されるため、内容がマンネリ化しがちです。しかし、参加者の防災意識を上げるために、防災イベントは興味を引くものでなくてはいけません。
防災イベントを成功させるために押さえておきたい、企画のコツをいくつか提示します。
1. 大人も参加できる内容にする
「防災イベントといえば子どもが集まるイメージ」という人もいますが、防災イベントは決して子どもだけのためのものではありません。災害時は大人が積極的に行動し、子どもを守り先導する役目があります。また、せっかく子どもが防災教育を受けたとしても、親に同じ防災意識がないと意味がありません。そのため、本来であれば大人もしっかりと防災イベントに参加するべきです。
開催場所や対象年齢によって変わりますが、防災イベントが「子どもだまし」のものであってはいけません。ファミリー向けであれば保護者も子どもと一緒に参加できる体験イベントを取り入れる、職場であれば帰宅困難時の対策や防犯ベル・消火器の使い方講習など、大人が自ら行動できるようになるための内容にしましょう。
2. 興味を引きつける、楽しい内容を取り入れる
防災イベントは楽しむイベントではなく、命を守る行動など災害時に必要な知識を学ぶものです。ただし、真面目なだけの内容だと人は集まってこないため、集客するための内容にはこだわる必要があります。
たとえば小さい子どもであれば本物の消防車がくるだけで近くに集まってきます。また、消防はしごに乗って地上数メートルの高さまで上がる、地震と同じ震度で揺れるトラックに乗る、消火器を使うなど、実際に体験できるものがあると周囲の注目を引き付けます。そのほか、イベントにゲーム性のある内容がある、参加者に防災グッズをプレゼントするなどで興味を引くことができます。
3. 参加のハードルを下げる
災害発生後は、家族のほかにも近隣住民など身近な人間の助け合いが重要です。防災イベントでは年齢・性別・国籍を問わず一人でも多くの人に参加してもらえるよう、できるだけ間口を広げることを意識しましょう。
4. 防災知識がしっかり学べる
防災イベントはただ楽しいだけで終わってしまっては意味がありません。参加者がイベントを通して防災知識を学び、普段の生活でも防災意識を高められるような工夫が必要です。たとえばペットボトルを使った簡易ランタンや新聞紙で作る防災スリッパなどのワークショップを開催する、実際に被災した方の体験談を聞く、防災マップを作るなど、参加者に合わせた企画を取り入れることが重要です。
5. 分かりやすい内容にする
防災イベントの理想は、小さい子どもから大人まで参加できるものです。そのため、防災に必要な知識は分かりやすく、いざという時に活用できるものを紹介する必要があります。たとえば小・中学校の防災教育として、避難訓練の「押さない・走らない(かけない)・しゃべらない・もどらない」という『おはしも(おかしも)の約束』などは子どもでも覚えやすく、非常時でも思い出しやすい内容です。災害時に必要な防災知識は多岐に渡りますが、防災イベントではできるだけ老若男女問わず理解しやすい内容を取り入れるといいでしょう。
6. 継続しておこなう
防災イベントは他の一般的なイベントとは異なり、ただ楽しむだけのものではありません。災害はいつ起きるか分からないため、一度やって終わりではなく、継続しておこなうことが大切です。防災の日に合わせる、学校や地域のスケジュールに合わせるなどで定期的に開催できる日程を確保し、参加者の防災意識を高めることが重要です。
また、防災グッズや避難方法などの情報は日々進化しています。防災イベントで最新の情報を開示することで、自分の身を守るためのより安全で効果的な防災知識を得ることができます。
7. 地域の防災情報を盛り込む
災害時は自宅や学校、職場周辺の避難経路や避難所の情報が重要です。海沿いや地震が多い、台風が多いなど、地域によって必要な災害時の避難方法や防災対策は異なります。防災イベントでは開催する地域の防災情報を分かりやすく開示することで、参加者がいざという時の行動をとりやすくなります。
防災イベントに取り入れた方がいい内容は?
防災イベントで学べる知識は多岐にわたります。開催中にすべてを盛り込むことは難しいため、開催場所や参加者の年齢層によって取り入れるべき内容を選びましょう。
1. 災害発生時の命を守る行動
たとえば地震が起きたときに室内ならテーブルの下にもぐる、屋外なら公園などの広い場所に逃げる、海辺の近くなら津波の恐れがあるので少しでも高い場所に避難するなど、災害発生時の数秒・数分の行動は命を分ける可能性がある重要なもの。年齢を問わず小さな子どもから身に着けておきたい内容です。
2. ハザードマップの確認
自宅や学校、職場のハザードマップを確認しておくことで、その地域ではどんな災害が起こりやすいのか、また、災害が起きてしまった場合にどれくらいの被害が想定されるのか把握することができます。また、避難所がどこにあるのか、避難所までの最短ルートなどもあらかじめ知っておけば、被災時もあわてず冷静に行動することができます。
3. 防災グッズや非常食のリスト紹介
必要性を感じつつも、「避難するときに必要な防災グッズをしっかりと準備している」という家庭は実際に多くありません。非常時に持ち出すリュックの中身や、自宅避難することになった場合に必要な人数分の非常食はどれくらいかなどをきちんと把握し、普段から用意しておくことで災害時の空腹やストレスの緩和、健康被害を避けることができます。
4. 非常食や炊き出しの試食会
存在は知っていても、なかなか実際に食べる機会がない非常食。特に乳幼児は災害時にレトルト食品を受け付けないなど、普段から食べ慣れていないものを非常時に口に入れることはストレスの原因にもなります。非常食や炊き出しの試食をおこなうことで、実際にどんな味がするのか、電気がない場合はレトルト食品を温めるのにどれくらいの時間がかかるかなどを学ぶ機会になります。
5. 消火器の使い方
災害時は火災が起こりやすくなるため、消火器の使い方は学校の避難訓練などでもよく取り入れられる項目です。火災発生時、近くに消火器があれば被害を最小限におさえることができますが、使い方を知らなければ火災が拡大してしまう恐れがあります。正しい使い方や使用期限のほか、住んでいる建物や学校・職場のどこに消火器があるのか、場所を把握することも大切です。
6. 室内からの脱出方法
自宅など屋内にいるときに災害が起こり、その場所から逃げる必要がある場合もあります。室内でもガラスの破片を避けるため靴を履く、ベランダの蹴破り戸を蹴る、頭を守り姿勢を低くするなど、避難方法を知っておくことで二次災害を防ぐことにつながります。
7. 災害を「自分ごと」とする意識づけ
防災イベント参加している人の中で、「防災知識を真剣に学びたい」と心から思っている人は多くありません。また、災害は同じ日本国内で起こっていても、身近に被害がない限りはつい他人事としてとらえてしまいがちです。そのため、防災イベントでは「災害を自分ごと」とする、参加者の意識づけをおこなうことが必要です。被災者の講演会をおこなうなどで、「災害が起きたときに自分や家族はどうなってしまうのか、家がなくなってしまったらどうするのか」と想像してもらえる内容にしましょう。
面白い防災イベントにはどんなものがあるの?
「面白くてかつ勉強になる防災イベント」となると、実際に企画するのはなかなか難しいもの。実際に全国で開催されたことがある、ユニークな防災イベント事例を紹介します。
1. 防災お茶会
家が近い人が集まり、お茶を飲みながら地域の防災情報を学ぶイベント。自分の住む地域の消火器や消火栓の位置、防災倉庫の備品などを把握しておくことでいざというときの行動がスムーズになります。また、お茶会を通じてご近所さんと顔を合わせておくことで、被災時の助け合いにつながります。
2. 防災食の屋台村
非常食と言っても、一般的なレトルト食品とは違って非常食は5年や10年など長期保存が可能なことや、昔と比べて格段に味がよくなり進化した非常食のおいしさ、温めなくても食べられるものなど知られていないことは数多くあります。屋台でレトルト食品などの非常食を無料で提供することで、参加者は気軽にお祭り感覚で参加できるほか、食べなれていない非常食を味わい、災害について学ぶきっかけになります。
また、イベントを公園などの災害時避難場所で開催することにより、地域の人の防災意識をさらに高める効果があります。
3. マンション防災ツアー
災害時に自分の住むマンションにはどのような非常用設備があるのか気になるもの。このマンション防災ツアーでは、実際に住民が普段見ることのない設備を探検・見学するツアーです。消火栓や消火器の使い方を解説するほか、エレベーターで被災した場合の対処法、断水した場合に非常用の受水槽には何日分の水が用意されているかなど、住民の安心感と防災意識を高める機会になります。また、同じ参加者どうしの交流のきっかけにもつながります。
4. LINEでデジタル避難訓練
新型コロナウイルスの影響により、実施が難しくなっている避難訓練をLINE上で開催するというもの。参加者には6日間のうち予告なく通知が届き、実際に災害が起きたことを想定して行動します。LINE上では屋内・屋外・乗り物内など自分がいる場所を選択することで、状況に応じた行動が動画とリストで紹介されます。また、LINEで位置情報を送ることで付近の避難場所がアップされ、現在地からのルートも検索できます。そのまま家族や友達に避難場所をLINEで連絡できるなど、なかなか参加するきっかけがつかめない人でもスマホ上で気軽にできる避難訓練です。
子どもから大人まで楽しめる、体験型防災イベント2選
面白い防災イベントとしてオススメするのが、防災訓練部門にて2020年度グッドデザイン賞を受賞した、株式会社IKUSAが提供している体験型防災イベントの『あそび防災プロジェクト』です。子どもも大人も楽しめる内容で防災イベントの参加ハードルを下げ、自ら「やってみたい」と思える人気のアクティビティが注目を集めています。
1. 運動会に防災を取り入れた「防災運動会」
防災運動会とは、その名のとおり防災の知識を取り入れた新しい運動会。競争やチームプレイといった運動会の特徴を残しつつ、参加しながら防災に関する知識や知恵を学ぶことができる役に立つ運動会です。身体を使って楽しく防災体験ができるため、防災に興味のない人でも参加したくなるメリットがあります。
防災運動会では防災を5つのフェーズに分け、事前準備や災害発生直後、災害発生後72時間から3ヶ月までの避難生活などそれぞれのフェーズに応じた競技を体験できます。種目は「防災障害物リレー」、「防災借り物競争」、「避難所ジェスチャーゲーム」、「非常食体験会」などさまざま。地震が多い地域や台風が多い地域、被災するのが会社や自宅にいる場合など、開催する地域や参加する世代によってカスタマイズが可能です。
企業の運動会・レクリエーションや、地域の防災啓発に取り入れられているオススメの防災イベントです。
防災運動会公式サイトはこちら防災運動会の資料ダウンロードはこちら
2. オンラインでチームや家族と防災を学ぶ「おうち防災運動会」
おうち防災運動会は、オンライン上で防災体験ができる防災アクティビティです。運動会のようにチームでの競争を楽しみつつ、自宅ならではの防災体験ができる新しい防災教育のひとつです。
おうち防災運動会では、災害発生前の事前準備から、災害発生直後の24時間、災害発生後72時間から3ヶ月などいくつかのシチュエーションに応じた競技を体験します。参加者は「防災間違い探し」や「防災謎解き 崩れゆく会議室からの脱出」、「おうち探検!非常食探索トライアル」など、さまざまなオンライン競技を楽しみながら防災知識や体験を得ることができます。また、オンラインならではのチームビルディング要素も多く、自分の身を守り、他人を助けることの大切さを学ぶことができます。
家族で一緒に体験できるほか、新型コロナウイルスで開催できない企業の研修などでも取り入れられている人気のイベントです。
おうち防災運動会公式サイトはこちらおうち防災運動会の資料ダウンロードはこちら
まとめ
学校や自治体、家庭でおこなう防災教育には限界があります。そのため、毎年のように災害が起こる日本には、誰でも気軽に参加できる防災イベントの存在が重要です。企画のコツをしっかりおさえて、参加者のためになる充実した防災イベントを開催しましょう。
最後に、企業や学校、自治体で取り入れるのにおすすめのアクティビティを3つ紹介します!
チャンバラ合戦–戦IKUSAー
チャンバラ合戦ー戦IKUSAーは、スポンジ製の刀で、腕についた命と呼ばれるボールを落としあう1000人規模の大人数で実施可能な参加型アクティビティです。
2組以上のチームで合戦を行い、敵軍のボールをより多く落としたチームが勝利します。
ルールがシンプルでわかりやすく、安全に行えるため、子供から大人まで楽しむことができます。
チャンバラ合戦-戦 IKUSA-公式サイトはこちらチャンバラ合戦-戦IKUSA-の資料ダウンロードはこちら
謎パ
謎パは、リアルでもオンラインでもできる謎解きとパズルを組み合わせた「全員協力必須」の謎解きパズルゲームです。
参加者全員でチームになって、謎のかけらを集めて謎を解いて、ミッションのクリアを目指します。
参加者同士で交流できて、思い出に残るアクティビティです。
ハイブリッドイベント
ハイブリッドイベントは、リアル会場にいる参加者と、オンラインでイベントをしたい参加者が一緒にゲームを楽しめます。
参加者は会場に集合するか、あるいはオンラインで参加するかの好きな方を選んで、イベントを楽しめます。リアル会場にいる参加者と、オンラインでイベントをしたい参加者が協力して、同じイベントをすることができます。
オンラインでの参加者は、会場にいる参加者と同じ空間、同じ時間で作業をしているような臨場感を味わえます。
全員で協力してゲームを行うので、リアルとオンラインのハイブリッド型チームビルディングの促進に繋がります。
ハイブリッドイベント 公式サイトはこちらハイブリッドイベントの資料ダウンロードはこちら