地域活性化インバウンド

updated: 2024 

地方創生にはインバウンドを活用しよう!事例5選をご紹介

地方創生にはインバウンドを活用しよう!事例5選をご紹介

地方創生を進める上でぜひ視野に入れたいのが、「インバウンド」に関する施策です。インバウンドとは、訪日外国人旅行のことを指します。インバウンド事業を盛り上げることで、地域内だけではまかなえない経済活動を発展させることができますし、地域の新たな強み作りになります。

この記事では、地方創生のためにインバウンドに取り組むべき理由や、インバウンドの事例をご紹介しています。

「インバウンドって本当に取り組むメリットあるの?」「どんな事例があるの?」とお悩みの方におすすめの内容となっているので、ぜひインバウンド施策の参考にしてみてください。

 

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地方創生にインバウンド施策が有効な4つの理由

1人あたりの経済効果が高い

外国人観光客は、国内の観光客と比べて観光での消費額が多いとされています。観光庁の調査によると、2017年の国内旅行の11回あたりの旅行単価は32,606円。一方、訪日外国人の旅行支出は153,921円でした。日本は他の国と接していない島国であるため、「せっかく行くなら日本国内を思いっきり堪能したい」という思いから、長期滞在する訪日外国人観光客も多いようです。

新たな主力産業となりうる

日本全国で人口減少が進み、産業の先細りが問題となってきています。このまま人口減少が続けば、もはや地域内の人間だけで経済を支えるのには限界が出てくるところもあるでしょう。しかし、インバウンド観光という外部からの収入を得ることで、経済の立て直し効果が期待できます。訪日外国人旅行者のニーズをしっかり捉えることができれば、人口の少ない地域や国内旅行ではあまり目立たない地域でも、観光を新たな産業として育てることができます。

雇用の創出

インバウンド事業に取り組むためには、様々な働き手が必要となります。まちや施設のガイド、多言語対応スタッフ、ツアープランナー、宿泊施設のスタッフなどの雇用を生み出すことになり、地域の活性化が見込めます。

若者のUIJターン効果

地域のインバウンド観光を盛り上げることは、若者のUIJターンのきっかけにもなります。

UIJターン現象とは、以下のような現象を指します。

  • Uターン現象:地方から都市へ移住したあと、再び地方へ移住すること。
  • Jターン現象:地方から大規模な都市へ移住したあと、地方近くの中規模な都市へ移住すること。
  • Iターン現象::地方から都市へ、または都市から地方へ移住すること。

(Wikipediaより引用)

インバウンド事業を行うことで、一度地元を離れてしまった住民や地方ビジネスに興味のある若者に、「ローカルビジネスを始めてみたい」「盛り上がっている地域を支えたい」といった期待を抱かせることができるのです。

 

インバウンド施策のポイント

ターゲットを具体的に決める

どんな人に地域を訪れて欲しいのか、具体的なイメージを決めましょう。例えば、ヨーロッパからの観光客かアジアからの観光客かによって、求めるものは変わってきます。また、富裕層であれば高級ホテルやリゾート地の整備が必要ですし、逆に地域住民との交流を求めるバックパッカーなどの若者を誘致するのであれば、お手頃価格で泊まれるゲストハウスの整備が求められます。

ターゲットを定めずなんとなく万人受けしそうな施策を行うと、結局どの層にも響かず中途半端になってしまいます。ターゲットの国籍や年代、性別、所得などを具体的にイメージすることで、より効果的なインバウンド施策を行うことができます。

体験型消費に着目する

ここ数年の観光のトレンドは、「モノ消費」から「コト消費」へと変化してきました。「モノ消費」とは、その名の通り、お土産や家電、日用品など、「モノ」に対する消費を行うことです。中国人観光客の「爆買い」が社会現象となったこともありました。

一方「コト消費」とは、目に見える物体として何かを得るのではなく、「体験」にお金を支払うことを指します。例としては、日本文化を体験できる京都の着物着付け体験やコスプレ体験、雄大な自然でのアクティビティ体験、地域住民との交流などが挙げられます。

つまり、そこでしか経験できない、形に残らないものにこそ対価を払うべきだという考え方が広まってきているのです。このコト消費、すなわち体験型消費に着目することは、他の地域との差別化を図り、インバウンドで地方創生を成功させるひとつのポイントとなります。

効果的な情報発信を行う

インバウンドにおける重要な課題、それは効果的な情報発信のあり方です。例えばウェブサイトを介した情報発信を行うのであれば、ただ単に多言語対応のサイトを作るだけではなく、ターゲットによっておすすめポイントを少しずつ変えて発信するということも必要となってきます。

また、ターゲットによって、観光の主力情報源も異なります。旅行会社のパッケージプランを好むような人たちをターゲットにするのであれば現地旅行会社を通しての情報発信に力を入れるべきですが、個人でプランニングをして旅行する若者などに対しては、Instagramやブログ、Youtubeなどを通じての発信が効果的と言えます。

受け入れ体制をととのえる

単に多くの観光客を呼び込むだけでは、インバウンド施策としては不十分です。大切なのは、訪れたあとの受け入れ体制です。受け入れ体制をととのえることによって満足度が上がり、リピートにもつながります。

例えば、

  • 言語の対応をうまくできるか
  • ベジタリアンなどへの食事対応ができるか
  • 現金以外での支払い方法を受け付けているか

などがととのえるべき受け入れ体制として挙げられます。「日本で当たり前なことでも、外国からしたらそうではない」ということも多々あります。自分の価値観にとらわれるのではなく、相手のためを思うおもてなしの気持ちを忘れないようにしましょう。

オーバーツーリズムに配慮する

オーバーツーリズムとは、観光地が耐えられる以上の観光客が押し寄せる状態のことです。

海外の観光業界ではオーバーツーリズムが問題となっており、中には、観光客の数は増えたものの、インフラにかかる負担などがまかないきれず、経済的には損になってしまったという事例もあります。

また、日本においても、京都の一部地域などでは、観光客が増えすぎたことにより、インフラへの負担増大やバスの混雑、ゴミの増加、住民とのトラブル、景観の損失などの問題が指摘されています。 

観光客が増えすぎたことにより逆に経済的負担が増えてしまったり、地域住民の暮らしがおびやかされたりしてしまっては、本末転倒です。予測を超える数の観光客が訪れた場合にどう対処すべきかをあらかじめ考えておくことも、インバウンド施策には必要です。

インバウンドによる地方創生事例5選

ここからは、インバウンドを活用した地方創生の事例をご紹介していきます。

自然を生かした体験|峰山リゾート

201712月、日本国内では14年ぶりとなる新設スキー場「峰山高原リゾート ホワイトピーク」が兵庫県神河町でオープンしました。

このスキー場は兵庫県神河町が約10億円を投じて整備したもので、民間企業が運営を行っています。阪神間から車で1時間半というアクセスの良さや外国人に人気の姫路城が近いという理由から、タイ、ベトナム、中国などアジアから旅行客が訪れています。

アジアからの旅行客にはスキーを初めてやる、雪に馴染みがないという人も多いため、ペダルのない自転車にそりをつけた遊具の貸し出しなどを実施。また英語によるプライベートレッスンも用意するなど、来訪者の客層やニーズを想定した対応がなされました。

スキーなどのウィンタースポーツを活用したスノーリゾート地域の活性化には、観光庁も注目しています。日本のスキーは、スキー場のコンディションやアクセスのよさ、温泉などの日本文化をパックで楽しめることなどから、外国人からの注目を浴びているのです。ただスキー場に多くの外国人を誘致するだけでなく、この峰山リゾートのようにターゲットに合わせた対応を行なっていくことが大切です。

日本の文化体験|忍者合戦

株式会社IKUSAが企画・運営を行う「忍者合戦-SHINOBI-」は、忍者気分を味わえる合戦型アクティビティです。基本ルールは、スポンジでできた刀で、相手の腕についた「命」と呼ばれるカラーボールを落としあうというシンプルなもの。忍者に扮したスタッフによるデモンストレーションもあるので、誰でも簡単にルールを理解できます。もちろん多言語スタッフ対応も可能です。

外国人人気の高い「ニンジャ」文化。忍者風のビブスを身ににまとい、刀を持って実際に忍者になりきった気分になれる忍者合戦は、胸を打つこと間違いなしです。ぜひ、地方創生イベントの一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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忍者合戦の活用事例はこちらをご覧ください。

【開催事例】「忍者合戦-SHINOBI-」和歌山県 和歌山城

Wechat Payの導入|南海電鉄

大阪の南海電鉄が、20187月より電子決済サービスWechat Payの受け入れをスタートしました。これにより、訪日外国人観光客の多くの割合を占める中国人が、乗車券や特急券、特別車両券などをWechat Payで購入できるようになりました。また、対象の6駅だけでなく、南海電鉄が管理を行う複合施設、「なんばパークス」や「なんばCITY」の計400店舗以上でもWechat Payの使用が可能となりました。

南海電鉄は国内鉄道事業者で初めてWechat Payを導入しました。Wechat Payを導入すると、以下のようなメリットがあります。

  • 決済のハードルが下がることにより、電車の利用者が増加する
  • 周辺のショッピングモールでお金を落としてもらえる
  • 多言語対応や両替案内が不要となり、窓口の混雑が解消される

Wechat payは、中国のコミュニケーションアプリ「Wechat」のアカウントを利用する決済方法です。中国国内での利用者は6億人、決済額は600兆円とも言われています。

中国はキャッシュレス文化がかなり進んでいる国です。日本では現金のみ利用可能なお店やサービスがまだまだ多いですが、中国では逆に現金での支払いを受け付けていないお店もあるほどです。このような海外事情への素早く対応していくことは、外国人観光客の満足度向上につながります。

官民連携による法人の設立|せとうちDMO

DMOとは、「Destination ManagementMarketing Organization」の略で、官民の幅広い連携によって観光地域づくりを推進する法人を指します。さまざまな組織が一体となり、観光地としての魅力を高めるためのマーケティング・マネジメントやブランディング、商品造成、プロモーションなどを行います。観光客を誘致することで、地域経済の活性化を図ることがDMOの主な目的です。 

せとうちDMOは、地域経済活性化や豊かな地域社会実現を目的とし、国内外に向けて瀬戸内の魅力を発信する機関です。来訪者の増加により域内事業者と住民の意欲を喚起するとともに、新しい産業や雇用の拡大を促進し、定住人口の増加につなげることを目指しています。瀬戸内ブランドの確立による自立的・永続的な成長循環を創り上げることを最終目標とし、瀬戸内を囲む7県や民間企業が連携をとりながら様々な活動を推進しています。

 具体的な取り組みとしては以下のようなものがあります。

  • SETOUCHI TRIP
    観光情報の発信と宿泊施設や体験アクティビティの予約機能を兼ね備えた海外向けサイトを6ヶ国語で展開。

  • 瀬戸内Finder
    瀬戸内の魅力を発信し瀬戸内ブランドの認知・浸透を効果的に展開する独自メディアを展開。

  • 瀬戸内ブランド登録制度
    瀬戸内エリア特有の「自然」「食」「歴史」をもとに開発された、瀬戸内ブランドのアイデンティティを体現するような商品やサービスを「瀬戸内ブランド」として登録。

インバウンド事業を一過性のものにさせず、ブランド確立に持続可能な成長循環を目指した活動を行なっているのが、せとうちDMOの特徴といえます。地方創生を進めていく上では、このような自立性や永続性を考えていくことも必要です。

漫画、アニメを生かしたインバウンド施策|神奈川県

聖地巡礼」という言葉をご存知でしょうか?これは、アニメや漫画、映画などの舞台となった場所やロケ地を巡る観光形態のことです。キャラクターとコラボしたラッピング電車の走行やお土産商品の開発などの様々な取り組みが全国で行われています。 

その聖地巡礼の一例としてご紹介したいのが、『スラムダンク』の舞台である鎌倉での取り組みです。バスケットボールをテーマとした人気作品である『スラムダンク』は、12か国語で漫画が翻訳され、アニメも海外で放送されました。 

そんな同作品は、鎌倉高校前駅などが舞台となっています。鎌倉高校前駅には、飲食店や観光スポットなどはなく、特に作品をアピールするポスターなどは置いていなかったのですが、いつも多くの訪日外国人が訪れていました。

それに目をつけたのが、神奈川県による、漫画を生かしたインバウンド施策です。神奈川県は、漫画やアニメの舞台となった県内の場所や施設をまとめたガイドブック「かなもえ」を作成し、2017年には、インバウンド観光客向けに県内の観光地を紹介するサイトもオープンしました。この中で鎌倉高校前駅の踏切をはじめとする県内の見所を英語や中国で紹介し、インバウンド需要にしっかりと対応しています。 

日本人が「こんなところが観光地?」と疑問に思うような場所でも、外国人にとっては立派な観光地となりえます。もちろんそれに気がつくのは難しいですが、観光客の動向や要望をしっかりとらえることで、新たなビジネスチャンスにつながります。

まとめ

本記事では、インバウンドが地方創生に有効である理由やインバウンド施策を進めるポイントを解説しました。また、参考となるインバウンド事例も5選ご紹介しました。

インバウンドは、地域活性化を実現し、新たな経済の循環を生み出す可能性を秘めています。
地域ならではの特性を生かしたインバウンド施策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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インバウンド施策にご興味をお持ちの方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

インバウンド集客の方法とは?近年の傾向や必要な準備を解説

この記事を書いた人

たまこ
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年間1000以上のイベントを実施する株式会社IKUSAにて、イベント運営のお手伝いする町娘。
月間10万PVを超えるオウンドメディア「IKUSA.jp」にて記事を執筆中。
また、記事の編集、校正、アナリティクス分析、駆け出し動画編集、WEBデザイン、メルマガ企画など遊びの会社の1人マーケターとしてどたばたまこな日々を送っておりまする。
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