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2018 03.22

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リーダーシップの種類と理論とは?たった1つの要素が動かす仕事力

ともしど
リーダーシップの種類と理論とは?たった1つの要素が動かす仕事力

部下に慕われない、言うことを聞いてくれない、しまいには嫌われる。そういう状況は、精神的につらいですよね。そうなりたくはないけれど、「どのようにリーダーシップを取ればいいのかわからない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

リーダーシップひとつで、リーダーを取り巻く環境は大きく変化します。今回は、リーダーシップの種類と理論について解説した上で、具体的な実践方法について解説します。記事の後半では「リーダーシップの心得」についても詳しく解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

リーダーシップの種類

主要なリーダーシップ理論としては、「機能的なリーダーシップ」、「心理的なリーダーシップ」、「ダニエル・ゴールマンのリーダーシップ」の3つが挙げられます。以下で各理論について解説していきます。各理論に各々の特色があるので、必要に応じて使い分けましょう。

 

機能的なリーダーシップの理論

機能的なリーダーシップは、リーダーが行う舵取りがメインになります。目標達成に向けて「論理的に組み立てる」ということなので、頭では理解しやすいのではないと思います。具体的には、「目標設定」、「計画」、「コミュニケーション」、「効率化」、「結果確認」、「モチベート」、「組織化」、「模範」の8種類。以下で詳しく解説していきます。

【目標設定】

良いリーダーは、明確な目標を示します。「同じ方向を見る」とよく言いますね。チーム全体がひとつの目標に向かうため、明確な目標を設定することはとても効果的です。

【計画を立てる】

PDCAサイクルのP(プラン)のことです。リーダーは目標達成のため、率先してPDCAサイクルを回します。部下が「何をすべきか」で悩まないよう、具体的な計画を立てましょう。

【コミュニケーション】

リーダーには「管理すること」が求められます。ここでいうコミュニケーションは、機能的なコミュニケーションを指します。いわゆる「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」のことです。リーダーは自ら率先してコミュニケーションを取ります。

【効率化】

リーダーは、業務等を効率化し、部下の仕事の負担を減らす(無駄をなくす)ことが求められます。無駄を省き、同時にクオリティをより高める方法を導入してあげましょう。

【結果確認】

PDCAサイクルのCですね。リーダーには「結果を俯瞰で見て結果を正確に捉える能力」」が必要です。なぜなら、方針や計画を練るのはリーダーの役目であり、その修正を行うこともリーダーの役割だからです。長期的な結果だけでなく、短期的な結果もこまめに確認しましょう。

【モチベート】

モチベート(他者のやる気を出させること)できるリーダーは、チームのポテンシャルを最大限に引き出します。人間の行動による結果はやる気によって変化してしまうもの。良いリーダーはチームの士気を高めます。

【組織化】

組織化とは、端的にいうと「個人のあつまりをチームとしてまとめること」を指します。「チームをひとつにまとめる」とよく耳にしますね。リーダーは、チームの結束力を高める役割も担います。

【模範】

部下は、リーダーの言動ひとつ、行動ひとつを常に注意しています。そのため、リーダーは職務能力に加え、人間性の良さも求められます。人からどう見られるかを考えながら、言葉や行動に注意を払いましょう。

心理的なリーダーシップの理論

続いて心理的なリーダーシップですが、こちらは社会心理学をベースに考えられたリーダーシップのことを指します。具体的には、「民主型」、「専制型」、「放任型」の3種類。詳細は以下の通りです。

【民主型】

民主型とは、リーダーを中心としたメンバー全体で議論を行いながら方針や行動を決めていくタイプのリーダーシップです。部下を押さえつけずに自主性を引き出す効果があるためモチベートに適し、多くの意見を集められるのでより適正な方法を見つけ出しやすくもなります。

【専制型】

専制型のリーダーシップは、すべての決め事をリーダーが行い、部下はそれに従う形を取るもののことを指します。軍隊をイメージすればわかりやすいでしょうか。現代社会においては「上司だから言うことを聞く」という人ばかりではなく、実践しても効果を期待しにくい種類のリーダーシップと言えるかもしれません。

【放任型】

その名の通り、部下を放任するリーダーシップです。決定を個人に委ね、リーダーはそれを観察します。主体的に動けてやる気や責任感もある人が部下に囲まれていれば効果的ですが、そうでなければ手を抜いたり怠けてしまったりする可能性もあるので、部下のタイプに応じて結果が大きく変わると考えられます。

ダニエル・ゴールマンのリーダーシップ

ダニエル・ゴールマンのリーダーシップには6種類あります。「ビジョン型」、「コーチ型」、「仲良し型」、「調整型」、「ペースセッター型」、「強制型」の6つです。ダニエル・ゴールマンは心の知能指数(EQ)を世に広めた人物。そのため、心理的なリーダーシップと共通する部分があります。

【ビジョン型】

ビジョン(目標・夢)を設定し、それに向けて部下を動かしていくリーダーシップです。基本的には部下の自主性に任せ、達成に向けての行動については強制しません。

【コーチ型】

コーチングを通して、部下の能力を引き出します。コーチングとは、自己実現や希望の達成を図るテクニックのこと。コーチ型リーダーシップは、対話によるコミュニケーションによって部下の希望を叶え、それを組織の目標達成に結び付けます。部下にやり方や考えを押し付けることはしません。

【仲良し型】

メンバー同士の良好な関係を重視し、個人の気持ちを尊重するリーダーシップです。目標達成に向けて、人間関係を改善します。

【調整型】

心理的なリーダーシップと同じく、メンバーの意見を尊重し、民主的な方法において目標の達成を目指します。効果を上げるにはチームワークの良さが大切なので、チームビルディングを行う必要性が高いです。

【ペースセッター型】

リーダーが模範となり、部下に同様の行動、能力を求めるというリーダーシップです。リーダー自らが高い職務能力をもってハードワークをこなし、部下にもそれと匹敵する行動を求めます。

【強制型】

リーダーが部下に対して出す命令に従わせることを前提としたリーダーシップのことを指します。リーダーが絶対的な存在である必要があり、実現が難しい上に、組織を壊す恐れもある諸刃の剣のようなリーダーシップです。

リーダーシップの実践

ここからは具体的な実践方法について解説していきます。特に社会人の方は人からの見る目が厳しく、一度失敗してしまうと信頼を回復するのが難しくなることも少なくありません。慎重に行動していきましょう。

機能的リーダーシップの実践

機能的リーダーシップは、チームの機能を最大化することを目指すもの。「チームとしての成果が不十分」、「残業時間等が多く、業務による負担が大きい」といった問題を抱えているときに有効です。

【目標設定】

チームとして、もしくはリーダー個人として「何がしたいか」、「何を達成したいか」を宣言します。「いつまでに」を加えて数字化した具体的な目標を設定するとより明確になります。

【計画】

まず過去の結果等を分析し、検討しながら目標を達成できる見込みの高い計画を立てます。たとえば社内での計画を立てる場合は、前年度の傾向や直近の顧客の動向等について分析し、必要に応じて対策を立ててください。ここはリーダー自身の能力の見せ所。部下から信頼される(自分より優れていると思われる)よう、手を抜かずに尽力してください。

【コミュニケーション】

部下に対してリーダー自身が自らコミュニケーションを取ります。部下に対して進捗状況や困っていることがないか等について確認しましょう。多くの部下はリーダーに「気にかけてほしい」と思っています。そのためコミュニケーションが不足しているリーダーは信頼を欠きやすくなります。必要に応じて部下の面倒も見つつ、こまめにコミュニケーションを取りましょう。

【効率化】

まずリーダーは業務等について必要なものと不必要なものに分類します。不必要なものについては除外してください。その上で、より業務を効率化できる方法を導入します。より効率的な環境を部下のためにつくりましょう。

【結果確認】

部下が行動したことに関して、その結果を確認します。それは大きな目標に対するものに限りません。部下を気にかけながら、こまめに確認してあげてください。その上で対処法等を示してあげましょう。

【モチベート】

モチベーションを維持する方法については人によって異なります。相手が求めていることをしてあげることを基本とし、対応してください。自分自身をモチベートできる人には、「自信」にある人が多いです。そういう人は「承認」を求めています。こまめに褒めてあげましょう。良い評価が承認欲求を満たします。次に自分をモチベートできない人ですが、厳しく指導しても響かず、優しく接しても変わらずということも多々あります。そういう人には頑張ったご褒美を用意してあげましょう。そしてその上で、「楽しさ」を教えてあげます。楽しければ、たいていのことは頑張れますので。

【組織化】

リーダーとして「チームをまとめること」は、リーダーにとって最大の難題ではないでしょうか。ここでは、リーダーを中心にチームをまとめて組織化する方法を紹介します。「2:2:6の法則」を理解し、人と人の結びつきを操作しましょう。コミュニティの中では多くの場合、リーダーに対する気持ちが「2(好き):2(嫌い):6(どちらでもない)」の比率にわかれると言われています。

比率6のどちらでもない人を好きに変えてください。そのためにはコミュニケーションが重要な意味を持ちます。相手が求めていることを聞いて実行してあげる、悩みを解決してあげるといった方法で、気を引きましょう。その結果、リーダーのことを好意的に思っている人が増えれば、嫌いな人が居場所をなくし、気持ちに変化があるはずです。

【模範】

部下にとっての良い模範とは、部下自身が成長でき、ついていきたいと思える存在です。そうなるために大切なことは、「職務能力が高いこと」、「自分を律していること」、「部下を売らないこと」の3つです。多くの部下は、上司には自分の身を守ってほしいと思っています。部下を安心させてあげることを目的として行動してみてください。良いリーダーは、部下を不安にさせません。

心理的リーダーシップの実践

【民主型】

民主型のリーダーシップは、周囲の個性を尊重するリーダー像になります。特にやる気のある人に囲まれているリーダーは、部下の自主性を尊重したほうがより大きな成果を見込めます。チームとしての決定ひとつとっても、リーダーの一存で決めるのではなく、部下の意見をくみ取ってあげましょう。民主型のリーダーシップが効果的にはたらくチームは、リーダーに取って大変恵まれた環境です。なぜなら、チームとして一丸となって取り組めるようになるからです。

【専制型】

専制型のリーダーシップは、部下の個性をなくす怖れがあります。リーダーとして重要な決め事をすべて担い、専制的な振る舞いをする場合においても、部下の良いところを引き出すような采配を振るうことを心がけてください。そうすることで部下からの反感を買うリスクを軽減できるからです。

【放任型】

だいたいの業務を任せられる部下に囲まれているリーダーは、放任型のリーダーシップを取ることもできます。そうすることで自由な風土が生まれ、部下自身が時には思い切った行動も取れるようになるでしょう。

ただリーダーとしての立場では、部下が間違った方向に進んでいっているときには軌道修正をしてあげる必要はあります。部下に一任していたとしても、その責任を負うのはリーダーの役目。またそれに加え、部下を成長させてあげることもリーダーの役割だからです。

ダニエル・ゴールマンのリーダーシップの実践

ダニエル・ゴールマンのリーダーシップ理論は、リーダーが置かれている状況に応じて有効な手法を使い分けられるだけでなく、併用することもできます。ここでは各々のリーダーシップに関して、「適した組織の特徴…①」と「具体的な実践方法…②」に分けて解説します。

【ビジョン型】

①「メンバーのモチベーション・能力が高い」
②メンバーに対し、具体的で達成難度が高めのビジョン(目標)を提示します。目標達成へのプロセスは明示しません。メンバーの自主性・スタイルに任せます。高すぎる目標を掲げてしまうとメンバーから不満が出る可能性があるので注意してください。会社組織においては「社長」の役割を想像するとわかりやすいでしょうか。リーダーは到達地点を掲げ、メンバー(部下)が舵を取ります。

【コーチ型】

①「メンバーとの関係が良好・やる気のあるメンバーを成長させたい」
②コーチングを通してリーダーシップを発揮する場合には、まずメンバーの性格・特徴を把握します。その上で、各メンバーとの会話によるコミュニケーションを取り、自主性を引き出しながら目標達成へと促してください。メンバーの成長を待つという意味では、中長期的な目標達成に適しています。

【仲良し型】

①「リーダーの能力が足りない・メンバーの人柄・関係が良い」
②仲良し型のリーダーシップを発揮するには、リーダー自身が短所や力不足な点を認める必要があります。その部分をメンバーに補ってもらうためです。その上でメンバーとの良好な関係を築いてください。そのために大切なことは、「自分から相手に話しかける」、「相手の希望を叶えてあげる」、「人の嫌がる仕事を率先して行う」の3つです。必要に応じてへりくだることも、リーダーシップのひとつ。特にメンバーの人数が多く、リーダーひとりではまかないきれない時などに有効です。

【調整型】

①「メンバーのモチベーションが高い・組織の関係性を良くしたい」
②調整型のリーダーシップは、メンバーの自主性や能力を尊重します。重要な決定、プロセス等について、メンバーと一緒に決めていきます。その方法の良いところは、メンバーからアイデアを拾い上げることができるだけでなく、メンバーの責任意識を高め、組織力と結束力の高まりを期待できること。チームの総合的な力を底上げしたいときに有効です。

【ペースセッター型】

①「リーダーの能力が高い・メンバーのモチベーション・能力が高い」
②リーダーとして、部下たちの模範となります。時には自らハードワークもこなし、「こうして働く」という具体例を部下に示してください。その上で、リーダーと同等の働きをメンバーにも求めます。しかし強制力が強すぎるとメンバーの反感を買う可能性アリ。メンバーとの関係性が悪化しないよう、バランスを取りましょう。

【強制型】

①「メンバーの自主性がない・短期間で成果を出す必要がある」
②リーダーが「右を向け」と言えば全員が右を向く状態を作ります。そのために、まずリーダーは自身の命令に対してすぐに反応するよう、メンバーに促します。度が過ぎると嫌われるリスクが高まるので、リーダーは自身の影響力を高め、反感を買わないような環境を築きましょう。

会社組織におけるリーダーシップの心得

人が集まったコミュニティの中では、人の心が影響するので繊細な対応が求められることもしばしばあります。組織をチームとして考えると、人の心が前向きになるようにもっていきたいと思いますよね。以下では、人間関係を円滑に保つためのリーダーシップの心得を紹介します。

嫌われる必要はない

「嫌われるのが上司(リーダー)の仕事」ではありません。リーダー自身も人間であり、嫌われたくはないですよね。加えて、ネガティブな感情にはチーム全体を壊す危険性があります。言うべきことを言う。やるべきことをやる。それらはもちろん大切です。しかし、だからといって嫌われる必要はないのです。あなたにとって理想的なチームとは、仲が良くて透明性の高い魅力的なチームではありませんか?

コミュニケーションの取り方

まず大切なことは、「あいさつ」です。人からの評価を上げるには、自分から話しかけることが重要な意味をもつからです。どんな場合も、自ら進んでコミュニケーションを取りましょう。部下には、リーダーに対して遠慮する気持ちが少なからずあるはずです。だからこそ、リーダーが自らコミュニケーションを取り、部下との関係を築いていくことが効果的です。

有言実行

「前はこう言っていたのに」、「言っていることとやっていることがちがう」等の意見を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。そのように言われてしまうリーダーは、部下からの信頼をなくす可能性があります。なぜなら、部下が何を信じればいいのかわからなくなってしまうからです。一度口にしたことは、責任をもって最後までやりきりましょう。

人が嫌がる仕事を自ら行う

このような例があります。部下に信頼されず、役職名で呼んでもらえなかった上司が、たったひとつの行動で部下からの信頼を徐々に勝ち取っていった例です。それは、皆が使うトイレの掃除を自ら率先して行ったこと。ただそれだけです。

人が嫌がる仕事を自分より目上の人が行っていると部下は気を遣うので、自然とリーダーに対して心を開くようになるのでしょう。どうしてもリーダーとして評価されないとき等に行ってみてください。

まとめ

PDCAを率先して行うといった普遍的なリーダーシップは普遍的なもの。どんな組織であっても、ひとしく必要です。しかしリーダーシップにおけるコミュニケーションについては、部下の年齢層やキャラクターによって有効な方法は異なります。

そのため、まずはあなたから部下に歩み寄ることが必要です。部下に愛されるリーダーこそが、真のリーダー。なぜなら部下は常にあなたの背中を見ているからです。部下からの評価は、あなたのリーダーシップの質の高さを映す鏡。「愛されるリーダー」を目指しましょう。また部下から愛されていれば、あなたの幸福度も高まります。あなた自身、仕事上の人間関係が良好であることを望んでいるはずですから。

 

参考サイト:

この記事を書いた人

ともしど
好きな武将は真田信之。東京私大経営学部卒のおとめ座。元板前サラリーマン。副業でライター・編集者として数千本の記事を制作し独立。だいたい色々書いている。Web漫画と馬と水の流れる音が好き。たまに料理人。まさかの既婚。ツイッター(@tomoshido)あります。

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