updated: 2024
コミュニケーションロスとは?起きる原因や対策方法を解説
コミュニケーションロスとは、意思疎通の欠如や認識の違いが原因で起こるミスやトラブルのことです。コロナ禍を機にテレワークが働き方の選択肢として浸透しつつある今、対面によるコミュニケーションが減ることで課題を感じた人も多いことでしょう。
コミュニケーションロスは、どのような働き方でも起こる可能性がありますが、テレワークを採用している場合は、特にコミュニケーションロスが起こりやすい環境といわれています。
本記事では、コミュニケーションロスが起きる原因や対策方法のほか、コミュニケーションロスを防ぐためのコミュニケーションのとり方について紹介します。
コミュニケーションロスは、業績にも影響を及ぼす可能性があるため、十分に原因と対策方法を理解しておきましょう。
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コミュニケーションロスとは
コミュニケーションロスとは、情報の伝達ミスや意思疎通の欠如、認識の違いなどが原因で生じるミスやトラブルのことです。一例として、「依頼内容の説明が不十分だったことが原因で、想定と異なるものが納品された」「スケジュールを誤認し、プロジェクトの進行が遅れた」などが挙げられます。
このようなコミュニケーションロスは、社内の人間関係の悪化や顧客・取引先のクレームにつながり、業績にも影響を及ぼす問題になる可能性があります。コミュニケーションロスの防止は、企業の重要課題の1つです。
テレワークで発生しやすいコミュニケーションロス
コミュニケーションロスはどのような働き方でも起こりうるものですが、特にテレワークを導入している場合に起こりやすくなります。
テレワークは、非対面で業務を行うため、チャットやメールでのテキストコミュニケーションが基本になります。そのため、相手の細かい様子が読み取れず、十分なコミュニケーションがとりづらくなることも少なくありません。
また、同じ空間で業務にあたる場合、相手の様子を把握しやすいため「タイミングを見計らって話しかける」ことができます。しかし、テレワークでは相手の様子が見えないため、コミュニケーションのハードルが高くなりやすい傾向があります。
コミュニケーションロスが起きる原因
コミュニケーションロスはなぜ起きるのでしょうか。ここでは、コミュニケーションロスの原因を紹介します。
①ヒューマンエラー
コミュニケーションロスの原因の1つは、ヒューマンエラーです。ヒューマンエラーとは「人的ミス」のことで、人間が行う活動や作業において、意図しない誤りやミスが発生することを指します。
厚生労働省によると、ヒューマンエラーは意図せず間違えてしまう「ついつい・うっかり型」と、あえて決まり事を守らない「あえて型」に分けられます。「ついつい・うっかり型」は、以下の4つです。
- 記憶エラー:覚えられない、正しく続けられないなど
- 認知エラー:見逃す、聞き逃す、見間違えるなど
- 判断エラー:判断を間違える
- 行動エラー:方法や手順を間違える
これに対し「あえて型」は、決まり事を守らなかったり、手抜きしたりなど、いわゆる「横着な」行動によるエラーといえます。
このようなヒューマンエラーによって、コミュニケーションロスが生じる可能性があります。
参考:生産性&効率アップ必勝マニュアル(PDF)|厚生労働省
②情報の共有不足
コミュニケーションロスは、情報の共有不足が原因で発生することも多くあります。例えば「伝達ミスで発注数を間違える」などが当てはまります。
非対面で業務を行うテレワークだけでなく、入社したばかりの新入社員も情報の共有不足に陥る傾向があります。新入社員は、先輩や上司との信頼関係を築けていないため、不明な点があっても「質問しづらい」と感じてしまうことが関係しています。
③認識の相違
認識の相違によってコミュニケーションロスが起こることもあります。たとえば「言わなくても分かるはず」と憶測で判断し、「相手に伝わっているか」を確認しないまま一方的なコミュニケーションをとっている場合に生じやすくなります。
認識の相違の多くは「コミュニケーションの送り手が適切に伝えていない」「受け手が理解できていない」など、両者の確認不足が原因です。
④メンバー同士の信頼関係が築けていない
メンバー間の関係が悪く、コミュニケーションが不十分な状況だと、コミュニケーションロスを生じやすくなります。
たとえば、誰かが問題点に気付いても、発言しにくい雰囲気では情報共有を避ける可能性があります。また、議論や意見が活発にならない場合は、問題がないように見えても、情報共有を避けているだけの状況であり、コミュニケーションロスにつながる恐れがあります。
コミュニケーションロスへの対策
ここでは、具体的なコミュニケーションロスの対策方法を紹介します。
①目的・進捗共有の徹底
コミュニケーションロスを防ぐには、業務の目的を明確にし、「進捗状況の共有を徹底すること」が重要です。目的を明確にすることで、メンバー一人ひとりが業務に取り組む際に方向性を理解し、1つの目標に向かって行動できるようになります。情報の伝達ミスがあっても、方向性が異なる場合は気付きやすくなるでしょう。
また、共有情報を伝えるときは1回だけでなく、1週間かけて10回程度同じことを伝える時間を確保するなど、あらゆる勤務形態のメンバーにも伝わるように工夫することが大切です。
参考:技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会(第7回)|厚生労働省
②マニュアルの作成
「つい忘れてしまった」「伝える情報に漏れがあった」などを防ぐためには、マニュアルの作成が有効です。認識の相違や、情報不足によるコミュニケーションロスを防ぐ効果があります。
業務遂行型の業務は、マニュアルで再確認できる環境を作ることが大切です。マニュアルを作成する際のポイントを紹介します。
- 専門用語を多用せずに、初心者でも理解できる表現にする。
- わかりやすくシンプルに書く。
- 読み手を具体的にイメージして作成する。
- デザインなども工夫して視覚的にわかりやすくする。
- マニュアル作成後も定期的に見直す。
- 読み手がすぐに実行できる内容にする。
- マニュアル作成ツールを活用する。
③コミュニケーションツールの導入
テレワークを導入している企業の場合は特に、チャットツールや仮想オフィスなど、気軽にコミュニケーションをとれるツールの導入がおすすめです。メールや電話よりも迅速な情報共有が可能になり、効率的に意思疎通できます。
また、コミュニケーションツールには、チャット機能やビデオ会議機能、ファイル共有機能などが統合されているものもあります。複数のコミュニケーション手段を1つのプラットフォームに集約することで、情報の分散を防ぎ、一括で管理することも可能です。
④フリーアドレスの導入
オフィスでのコミュニケーションを活性化させ、コミュニケーションロスを低減させるには、フリーアドレスの導入が有効です。フリーアドレスとは、オフィスのなかで固定席を設けず、自分の好きな席で働くワークスタイルのことを指します。
フリーアドレスを採用することで、異なる部門やチームのメンバーと関わる機会が増え、コミュニケーションを促進できます。さらに、プロジェクト内容などによって最適なメンバー配置が可能になるため、メンバーそれぞれの個性や強みを生かして働く環境を整えることにもつながります。これにより、生産性や満足度の向上を期待できるでしょう。
参考:IT業界の働き方・休み方推進|IT企業における取り組み事例 C社|厚生労働省
効果的なコミュニケーションのとり方とは
コミュニケーションは重要と理解していても苦手と感じる人もいるはずです。ここでは、効果的なコミュニケーションのとり方を紹介します。
①オープンな態度を心がける
オープンな態度で話しやすい雰囲気を作れば、スムーズなコミュニケーションを促せます。笑顔と明るい雰囲気を意識し、相手に好印象を与えるようにしましょう。会話をするときは、しっかりと相手の目を見て、聞き取りやすい声で話すことが大切です。
また、話しやすい雰囲気を作るためには、先に自分の気持ちや情報を伝えるとよいでしょう。自分が先に相手に伝えることで、相手が伝えるハードルを低くする効果があります。相手との信頼関係を構築するためにも有効です。
②わかりやすい伝え方を意識する
自分の伝えたいことを専門用語や横文字ばかりを用いてを話すのではなく、できる限りシンプルにわかりやすく伝えることが大切です。身近なたとえ話などを取り入れるのも有効でしょう。
伝えたいことが多い場合は、要点を絞って一度に伝えたり情報量を増やしたりし過ぎないことが大切です。また、感情的にならず、論理的に話すことも大切です。
③相手が理解しているか確認する
コミュニケーションロスを防ぐためには「相手が自分の伝えた内容をきちんと理解できているか」を確認しましょう。お伝えした通り、認識の相違はコミュニケーションロスを生じる原因の1つになるためです。
確認する際は、反射的に相手が「はい」と答えてしまうような「わかっていますか?」「大丈夫ですか?」など質問は避けましょう。相手の理解の程度を把握できる質問をするなどの工夫が大切です。
④相手の意見を聞く
コミュニケーションは、自分と相手との双方向のやり取りです。自分が伝えたい内容だけを伝えるような一方通行ではいけません。
まずは、相手を尊重して意見を聞くことが大切です。そのうえで相手の考えに関心を持っていることを示しながら、相手の会話を引き出せるように展開すれば、より効果的なコミュニケーションができるでしょう。
⑤曖昧な伝え方をしない
物事を曖昧に伝えてしまうと、コミュニケーションロスにつながります。たとえば、自分だけでは即答できない未確定のプロジェクトなどについて、内容を濁して伝える、といった対応をしてしまうと、相手の信頼を失いかねません。
すぐに明確な回答ができない場合は、その理由や背景を丁寧に相手に説明し、理解を得られるように対応しましょう。コミュニケーションは、誠実さを心がけることが大切です。
⑥あいづちを意識的に行う
あいづちを意識的に行ったり、話をより引き出すために質問したりするような、相手が話しやすい雰囲気を作ることも大切です。
相手の目を見てうなずくだけでも十分ですが、オンライン会議などの場合は、対面よりも伝わりづらくなってしまいます。うなずくだけでなく、表情や身振り、問いかけを活用して、相手が話を進められるようにしましょう。
⑦ミラーリングを活用する
効果的なコミュニケーション方法として、ミラーリングの活用もおすすめです。ミラーリングとは、相手が話すときの姿勢や表情、会話の速度や声のトーンをあわせることです。
「ミラーリングを行った群は行わなかった群に比べて共感を認知しやすくなり、よりポジティブな印象・体験をもたらす」ことを示した実験結果(※)もある通り、ミラーリングは相手にポジティブな印象を与えるために有効な手段の1つといえるでしょう。
※心理臨床場面でのノンバーバル・スキルに関する実験的検討 ―カウンセラーのミラーリングが共感の認知に与える影響について―
コミュニケーション研修の活用事例
ここでは、コミュニケーション活性化を見込める社内研修の活用事例について紹介します。
①社内研修で実施!SDGsビジネスゲーム「ワールドリーダーズ」
ワールドリーダーズは、SDGsが学べる企業向けのカードゲームです。
各チームは企業として戦略を立て、「最終的に資金を多く獲得したチームの勝ち」というルールのもと、労働力と資金を使って利益を競い合います。ただし、利益だけでなく、長期的な利益を生むために、環境や社会などのさまざまな要素を考慮しなければなりません。現実世界さながらの臨機応変な対応が求められるゲームです。
ワールドリーダーズを実施した企業では、テレワークが増えたため、部署内でのエンゲージメントが課題となっていました。そのため、部署内のコミュニケーション活性化や達成感の共有、連携強化を目的として実施。結果的にコミュニケーション活性化につながった事例です。
研修の流れ
- ルール説明
- ゲームスタート
- 作戦タイム
- 事業設立
- 世界の環境地と他のチームの状況確認
- イベント発生
- ターンの繰り返し
- 結果発表
期待できる効果
- コミュニケーションが活性化される。
- SDGsを総括的に学べる。
- 参加者の学びに対する意欲が高まる。
- 新事業のヒントになる。
②部署内のコミュニケーション活性化に貢献「チャンバラ合戦」
チャンバラ合戦は、大人数でできる合戦型のアクティビティで研修として活用できます。スポンジの刀を用いて、ボールを落とし合うというシンプルなルールです。
試合ごとに軍議といった戦略を練るための作戦タイムが設けられるため、自然とチームでのコミュニケーションが活性化されます。PDCAサイクルの実践を行える、社内研修の1つです。当日のMCや進行は、全て株式会社IKUSAに委託できるので、当日は参加するだけです。
実施した企業は、「チーム内でコミュニケーションをとること」を目的にチャンバラ合戦を実施したところ、普段消極的な方も、チャンバラ合戦では積極的に参加しているなどの様子が見られました。終了後は社内で良い反響があったという声もあり、コミュニケーション活性化に貢献できた事例です。
研修の流れ
- 開幕(オープニング)
- 戦ノ掟説明(ルール説明)
- 軍議(作戦タイム)
- 開戦!
期待できる効果
- チームビルディングを体感できる。
- コミュニケーションが活性化される。
③内定者懇談会で実施!「謎パ」
謎パは、全員が1つのチームとなって謎を解く、謎解きパズル型ゲームです。チーム対抗戦ではないので、参加者全員とコミュニケーションがとれる点がメリット。初対面の人が集まる内定者研修などに最適です。オンライン・リアルの両方で実施可能なので、テレワークを採用している企業も安心して実施できます。
この事例では、内定者懇談会にて参加者全員に一体感を持たせることを目的に実施。謎パはカスタマイズができるため、企業理念やメッセージを盛り込んだ研修にできます。結果は参加者全員が楽しみつつ、コミュニケーションをとることに成功しました。
研修の流れ
- 参加者入場
- MC登場
- ゲーム開始
- エンディング
期待できる効果
- 参加者全員で交流を図れる。
- 企業理念やメッセージを伝えられる。
まとめ
コミュニケーションロスは、コミュニケーション不足によって生じるミスやトラブルのことを指します。ヒューマンエラーによって生じる場合が多いため、完全に防ぐことは難しいですが、対策次第で低減することが可能です。
ぜひ、当記事を参考にコミュニケーションロスの具体策を実践し、生産性や満足度を向上させましょう。メンバー同士のコミュニケーション活性化を図る研修もおすすめです。
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