updated: 2024
【開催事例】「防災運動会」防災フェスタinあさくら
2022年も後半戦に入りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
まだまだ暑いので大きなかき氷を頬張りたい、
みやびでございまする‼暑さに負けず本日も張り切って参ります‼
突然ですが皆様、
「マグニチュード6.0以上の地震が日本に起きている確率は何%か」
ご存知でしょうか?
答えはなんと【全世界の20%】ともなります。
もはや「災害大国日本」とも呼ばれる昨今、防災の知識は必要不可欠‼
ということで今回は、防災を楽しく学べるアクティビティ「防災運動会」の事例をご紹介します。
【防災フェスタinあさくら】とは?
イベント概要
2022年7月9日(土)10:00~15:00、
福岡県朝倉市 朝倉球場・ふれあい公園 市役所朝倉支所駐車場他にて
【防災フェスタinあさくら】が開催されました!!
フェスタということで色々なコンテンツが用意されていて、ある種のお祭りのような雰囲気の中で楽しく防災知識について学び、経験できるという新しいイベントでした。
では早速、防災運動会以外のものも含め、当日のコンテンツについてご紹介します。
体験コンテンツのご紹介
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煙体験ハウス・消火活動・応急手当体験
~火事や病気の時などの、いざというときの対応を学ぼう~
当日、会場には消防車と救急車が来場していました。近くで見ると迫力が違いました‼
なんと現場で実際に働いている消防士の方々から直接ご指導していただきながら消火器を使用したり、けむりの中を体験できるテントがあったりととても盛りだくさんな体験でした‼
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防災ワークショップ
~日頃から準備は必要不可欠!身近なものを使い防災グッズを作っちゃおう‼~
新聞紙を使って新聞紙スリッパを実際に作ってみようというワークショップです。
他にも災害のときに役立つ体験を教えていただけるという、とても学びとなる内容でした。
その他にも、防災用品展示、防災クイズラリーや土嚢作り体験、非常食試食会など、
どれも実際に体験できるコンテンツが盛りだくさんでした。
防災運動会
~身体を動かしながら、防災知識を楽しく学ぶ~
今回我々IKUSA が担当させて頂いたコンテンツが、こちら防災運動会です。今回は事前予約制で親子やお友達と一緒に参加できるもので、年代の違う方々と協力しながら楽しく防災知識を学んでいただきました!
実際の様子は、後ほど詳しくご説明致します。
防災運動会の実施背景
まずは、コンテンツの1つとして防災運動会をお選びいただいた背景からご説明いたします。
クライアントは朝倉市社会福祉協議会の皆様。
福岡県朝倉市甘木に本所をかまえ、
福祉事業
その他福祉に関する活動の活性化
を図り地域福祉の推進を図ることを目的に活動されています。
今回、導入に至った背景は下記のようなものでした。
朝倉市九州北部豪雨5年という節目がテーマとなり、
地域活性化
防災意識の向上
日頃のつながりの大切さ
上記3点を伝えることを目的として「防災フェスタinあさくら」が開催されました。
その中で異なる世代間の中でコミュニケーションをとり、かつ防災知識を楽しく学ぶことが出来るというポイントが「防災運動会」導入の決め手となりました。
それでは、「防災運動会」について詳しく見ていきましょう‼
防災運動会とは?
概要
今回開催した防災運動会とは、防災の要素を取り入れた全く新しい運動会です。運動会としての楽しさを残しながら、有事の際に必要な「自分で助かる、他人を助ける」知恵や知識を習得できるものとなっています。楽しいだけでなく実際に役に立つ‼、それが防災運動会の特徴です。防災運動会は、防災を時間の経過ごとに
事前準備(災害前の備え)
災害発生
災害直後(災害発生時から24時間前後~72時間以内を想定)
避難生活(災害発生から72時間~3か月を想定)
生活再建(災害発生時から3か月以上)
の5つのフェーズに分け、それぞれ起こりうる場面を想定し、
フェーズ毎に必要な知識を体験することができるコンテンツです。
また、各競技を通して日本の防災の課題である「自助」「共助」についても知ることができます。
ちなみにこの「自助」「共助」は、
自助…災害が発生した時に、まずは自分自身の身の安全を守るもの
共助…地域やコミュニティといった周囲の人たちが協力して助け合うこと
という意味を持っています。
実際に、過去に起こった阪神淡路大震災では「共助」によって助かった方が、
なんと「救援された方の全体の9割」を超えていたと言われています。共助の考え方を身につけることは、全体の救援率を上げることにつながるのです。
まさしく「備えあれば憂いなし!」
では早速、今回行った競技内容についてご紹介いたしましょう!!
競技内容
今回「防災フェスタinあさくら」にて行った競技は以下の3つです。
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防災借り物競争
災害発生24時間後を想定したお題を、身の回りの物を使いながら解決していただく競技となります。ルール説明の際にデモンストレーションを弊社スタッフが行いました。
お題は「ガラスに触れてしまって出血してしまった」というものでした。
この問題を解決するために、物品エリアにある身の回りの物を使い処置を施していきます。処置が終わればゴールへ向かいます。全チームがゴールすると、早く到着したチームから順に、どのような処置を施したのかを参加者にプレゼンしてもらい、スタッフが採点・解説を行います。チームメンバー同士で知恵を出し合うことが必要不可欠の競技です。
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救援物資ジェスチャーゲーム
避難所の状況や課題を、ジェスチャーを通して体感する競技です。
まずチームメンバーは「避難所エリア」と「支援物資補給所エリア」の二手に分かれます。
避難所エリアで不足している物資を、離れた補給所エリアにいるメンバーにジェスチャーで伝え、対応する物品を補給所のメンバーが届けに走ります。いち早く不足物品を全て揃えたチームが1位となります。
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災害脱出救済リレー
災害発生後の被災した様々な場面を潜り抜けながら行うリレー競技です。
今回のリレー、まずメトロノームのリズムに合わせて心肺蘇生を行い
救護した人(人形)を応急担架へ乗せて運びます。次に防災リュック間違い探しを行い、指定された状況では何が必要なのかを参加者様にて判断し、防災リュックに詰めていただきます。
そしてまた応急担架を次の走者の元まで協力して運び走者交代‼
このような形式で進んでいきます。
今回はこれらの競技を通して「自助」「共助」を参加者様に学んでいただくことが目的でした。今回行った防災運動会の競技は以上でしたがこれで全ての競技ではなく、
「防災クイズラリー」や「瓦礫運び」などそれぞれのフェーズ毎に競技が各々設定されています。
イベントや研修の内容や目的に合わせて、競技を決めることが可能です。
それでは、当日の様子を見てみましょう‼
実施当日の様子
運動会日和と言っても過言ではないほど良い天気でした。防災お兄さん&防災おじさんの司会進行で熱い運動会がスタートしました!まずは朝倉市社会福祉協議会の会長から開会宣言を行っていただき、
そのあとは準備運動として参加者全員でラジオ体操を行いました。当日はもはや灼熱とも言える気温の中での実施となりましたが、総勢42名もの方々に参加していただきました。子供から大人まで様々な年代の方々がいらっしゃいました。
第1種目:防災借り物競争
まずは第1種目の「防災借り物競争」がスタートしました‼
チームで一丸となってどの物品を使うのが効果的なのか話し合っています。最初は緊張気味の子供たちも徐々に競技中は元気に走り回り、活発にコミュニケーションをとる姿が見受けられました。当日は暑さもあり、競技が終わる毎に参加者様用のテントにて水分補給を行い、熱中症対策を実施してもらいつつ参加していただきました。
第2種目:救援物資ジェスチャーゲーム
少し小休止を挟み、続いては第2種目の「救援物資ジェスチャーゲーム」がスタートしました。
まずはチームごとに「避難所エリア」と「支援物資補給エリア」に分かれていただきます。
その後、避難所エリアのメンバーが足りない物品をジェスチャーで補給エリアのメンバーに伝え、
補給エリアのメンバーがこれだ‼と思う物品を一つ持って避難所エリアまでダッシュします!正解すると避難所エリアの物品へ、もし間違っていた場合、次の各メンバーへとチェンジします。
チーム内で協力しながら互いのエリアを楽しそうに行き来する姿が印象的でした‼
言葉でなくジャスチャーで正確に相手に伝えるってホントに難しいですよね…
皆さん大健闘でした‼
第3種目:災害脱出救済リレー
さあ、いよいよ最終種目の「災害脱出救済リレー」となりました。
こちらは、チームごとに二人一組になり、応急担架をバトン代わりに行うリレーです。
まずは、救護用の人形に心臓マッサージを実施。メトロノームのリズムに合わせて30回、テンポよく行うことができればクリアです。きちんと心臓の位置を把握する必要があり、思ったよりも強い力でマッサージしなければならないため、苦戦する参加者様も見受けられました。
30回のマッサージを終えたらようやく次のエリアへ‼
即席で作られた簡易の応急担架に、心臓マッサージを行った人形を慎重に乗せて運びます。
応急担架は「毛布」と「物干し竿」で作っていて安定しているものの、バランスを取ることに苦戦しているチームも見受けられました。
しかしリレーはまだこれだけではありません!
走者二人で進んだ先には次の関門となる「防災リュック間違い探し」が待ち受けます。こちらは「水害時に必要なものは?」というお題で防災リュックに必要なものを入れていき、
スタッフに判定してもらうというルールです。走者二人の内どちらか一人が担当します。
水害時のイメージが難しく、なかなか正解にならないチームが多かったように感じました。
中でも、助けを呼ぶための「ホイッスル」が必要だと気付くことが困難そうでした。
この「ホイッスル」は一見すると不必要な雰囲気を醸し出しているのですが、
集中豪雨の中で自分がここにいると周りに知らせる時にこそ、真価を発揮するアイテムなのです‼
雨音で声が遠くまで聞こえない、雨で身体が冷え切ってしまい声も出せない
といった状況がイメージできるとホイッスルの重要さが分かるかと思います。
実際の状況をより詳しくイメージすることが重要なポイントでした。その後は次の走者の元まで人形を運ぶ、といった流れでレースを行いました。
最終競技ということもあり参加者の皆様、
最後の力を振り絞ってレースに挑む姿が美しかったです。
以上で全ての競技が終了しました。
参加者様にインタビュー!
終わった後、参加者にインタビューしてみました。
・ホイッスルはいらないと思っていたので驚いたが、説明を聞くと理解出来た。
・楽しく参加することが出来た‼
・とても勉強になりました。
・心肺蘇生のリズムを正確にとるのが難しかった。
・応急担架で運ぶのが大変だった。
といったお声がいくつもあがりました。
このように楽しく学べるのがこの防災運動会の醍醐味でもありますね‼最後に参加者全員で記念撮影を行い「防災運動会」は大きな怪我もなく無事に終了‼
写真撮影では、参加者全員の一体感が始まる前よりも深まったような晴れやかな笑顔でした。
「防災運動会」を地域イベントにおいて採用するメリット
「運動会」というイベント効果で、世代間の交流ができる
運動会という大人から子供まで体験したことがあるコンテンツを活用することで、世代間のギャップを取り除きつつ活発な意見交換出来る環境がつくれます。またチーム一丸となって協力することが普段よりスムーズにできるといったメリットがあります。
実際、当日も活発なコミュニケーションや大人子供関係なく楽しんでいる様子がとても見て取れました。
「防災」を身近に感じることができる
馴染みのある「運動会」という実際に肌で感じ取れるイベントと、イメージしにくい「防災」というテーマを掛け合わせることで、防災をより身近に感じることができます。どこか他人事のように感じるものでも自分の肌で感じて行動してみることで、日頃の意識が変化するきっかけになります。
カスタマイズで、地域独自の防災を学ぶことができる
防災運動会は、フェーズや場所や災害、気候等に合わせた競技もあり、ニーズや地域に合わせて内容を最適化できます。今回の「防災フェスタinあさくら」では、朝倉市九州北部豪雨も経験したということもあり、水害の状況において必要な知識や対策を学んでほしいという観点から防災リュック間違い探しを始めとした各競技のお題も「水害」に関連したものに設定しました。このようにその地域特有の自然災害や問題に合わせた防災知識を学ぶことができるという点も魅力の一つです。
まとめ
今回開催された「防災フェスタinあさくら」ですが、イベント全体での一般参加者が約200名、
運営や協力団体込みで約300名もの方がご来場くださいました。しかも一般参加の内、1/4は市外の参加者で県外からは大分県日田市からも参加があったと伺いました。
また全く違う申込者の中でも新たなつながりが増え、
イベントを通して参加者同士の良い交流の場となったようです。
参加者の皆様からは「次回はいつ?」等、嬉しいお言葉を頂くことができました。
当初の目的である「共助」や防災意識の向上を図ることができたように思います。
今回は防災意識の向上やつながりの観点から
「共助」に重点をおいて「防災運動会」を開催しました。
大人子供といった多世代のつながりの強化や防災知識をある種遊びながら気軽に学ぶことができる「防災運動会」は、日本全国で開催可能です。
楽しく防災を学べる「防災運動会」にご興味のある方はお気軽にご相談ください。