updated: 2024
チームビルディングワークショップ10選
チームビルディングとは、チームの目標に向かって、個人が個性や能力を発揮していく組織になるための取り組みです。人員やリソースを変えることなく、企業の生産性を高めるために重要な手法となります。
本記事では、代表的なチームビルディングの理論であるタックマンモデルを紹介するとともに、各段階に適したワークショップ10選を紹介していきます。
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チームビルディングの考え方「タックマンモデル」とは
タックマンモデルとは、1965年にアメリカの心理学者ブルース・ウェイン・タックマンが提唱した、チームビルディングの組織の進化を5段階に分けたモデルのことを指します。チームは結成されたら完成ではありません。チームづくりにも5つの段階があり、さまざまな問題と解決を経ることでチームが理想の形へと近づいていきます。以下で5つの段階について解説していきます。
形成期
チームが形成されたばかりのため、メンバーが互いにどんな性格なのか、どんなスキル・役割を持っているかを知らない段階です。本音で話し合えず、遠慮しがちになるため、コミュニケーションが停滞しがちです。能力や役職に関係なく積極的にコミュニケーションを取り、相手を理解しようとすることが重要です。相互理解を深めるために、リーダーがゲームやアクティビティ、交流会の機会を設けることなども効果的です。
混乱期
個々の仕事の進め方や考え方がある程度固まってくる反面、チーム内での目標に対する認識の違いや、意見の衝突が起きる段階です。人間関係で対立が発生し得る時期のため、チームの目標を改めて話し合い、意見が衝突した場合は双方が納得できるまで話し合うことが必要になります。リーダーはこの時期をどう乗り越えるかが課題となり、各人に気を配り、衝突が起きた場合は間に入って取り持つことが重要です。
統一期
混乱期を乗り越え、個々の役割や責任が明確になり、チームに統一感が生まれている段階です。意見が食い違っていても、衝突ではなく議論という形で問題を解決していけるようになります。チーム内の安定性とモチベーションが高まっていますが、小さな衝突が大きい諍いに発展し、混乱期に戻ってしまう可能性もあるため、リーダーは引き続き気を配る必要があります。
機能期
チーム内での連動性、結束力があり、チームとしてのパフォーマンスの高い段階です。チームでの成功体験も修めている時期で個々にも自信があり、それぞれの自立性も高まっています。リーダーは変わらず気をかける必要がありますが、個々の解決能力も高まっているため過度に干渉はしないで任せてしまうのがよいでしょう。
散会期
当初の目的を達成し、チームを解散する段階です。メンバーも能力が付いたため、別のプロジェクトに移り、相互関係が終わりを迎える時期となります。この時にはチーム全体の満足度が高いことが理想的です。リーダーはこれまでの感謝の念を述べて、メンバーに次の活動へのモチベーションとしてもらいましょう。
チームビルディングにワークショップが有効な理由
チームづくりにコミュニケーションは欠かせませんが、それぞれの段階に適したコミュニケーションの取り方があります。たとえば、チーム結成時にいきなり議論したり深い対話を求めようとしたりしても、お互いのことをよく知らず、遠慮してしまうため難しい可能性が高いです。ワークショップであれば、チームの状況にあわせて適切なコミュニケーションを取ることができます。
先ほどのチーム結成時であれば、ゲーム性の高いワークショップを取り入れることで、楽しみながらチームの緊張をほぐすことができ、お互いのことをよく知ることができるようになります。ほかにも業務前にお互いを知るワークショップを取り入れれば、お互いの状況を知り、サポートし合うことも可能になり、より良いチームを作ることができるでしょう。
各段階におすすめのワークショップ
チームビルディングにワークショップを有効に生かすためにも、5つの段階に応じて適切なワークショップを実施したいものです。ここからは各段階におすすめのワークショップを紹介していきます。
形成期におすすめのワークショップ
形成期はお互いのことがまだわからない段階のため、相互理解が深められるようなものが適しています。
1.チェックイン
いま感じていること、思っていることを率直に話し、共有するワークショップです。最初に、話し合いを効率的に進める役割を担うファシリテーターが、メンバーの1人に「いま感じていることを一言どうぞ」というふうに語りかけます。聞かれたメンバーはそれに率直に答えます。返答は「楽しみです」といったポジティブな内容でも、「緊張している」といったネガティブな内容でも構いません。これには、一度発言することでその後に話すハードルを下げる効果や、チームの一員となる実感を得る効果があります。
また聞き手に対しては、発言に対して議論するのではなく、ただ聞いてお互いに出会ったばかりの相手だと、どういったニュアンスで言ったのか、またどういった意味の態度なのかが推し量りづらいものです。そのため重要なのは、頷くことで相手の存在を確認し、受け入れているという態度になります。
チェックインは形成期に限らず、全てのワークショップ、会議などの始まる際に行うことで参加している実感を得ることができます。気持ちのうえでも前向きに臨むことができるので、継続的に取り入れることをおすすめします。
2.氏名と使命
自分の氏名(名前)を書いてメンバーに見せます。名前に込められた意味を自分で読み解き、今後、どのような使命を持って業務を行っていくのかを発表するワークショップです。上記は一例で、苗字と名前を平仮名にしてアナグラム化し、意味のある言葉を探してみる等、アレンジの利くワークショップになっています。名前を見せ合うことで、出会ったばかりのメンバーの名前を知ることができ、同時にどういった考えの持ち主なのかも知ることができるのが特徴です。また発表した本人も、自身の名前から使命感を得ることができ、モチベーションへとつながります。
3. Where I’m from ポエム
「私は――――――から来ました」という構文に、過去に思い入れのあったことや、家族や友人、記憶にある景色や情景を入れて、ポエム形式で発表し合うワークショップです。ポエムの例としては、兄姉とともに育ったのであれば「私は、騒がしくも楽しい兄と姉から来ました」など、構文に自分のこれまでの要素を入れて発表します。これにより通常の自己紹介ではたどり着かない表現や自己開示ができ、見た目からはわからない人となりが見えてきます。また、ポエムを書いたことがない人は気後れするかもしれませんが、恥ずかしさを最初に乗り越えることで、遠慮する気持ちが軽減され、本音で話し合うことにつながるかもしれません。
混乱期におすすめのワークショップ
混乱期は衝突が起きている時期のため、純粋に競い合うものや、冷静に話し合いができるものが適しています。
4.マシュマロ・チャレンジ
乾麺のパスタ、テープ、紐、マシュマロを使用して自立可能なマシュマロタワーをチームで作成し、最も高いタワーを作ったチームが優勝となるワークショップです。試行錯誤や発想力が問われ、「勝つ」というチーム共有の目標に向けて、全員で協力するため特にチームビルディングに優れています。ゲーム性が強いため、衝突を重ねている時期には「楽しいゲームを一緒に行う」ことが交友を深めることに効果的に働くこともあるでしょう。
マシュマロチャレンジを実際にやってみた動画はこちら!
5.ブレインストーミング
不確かな問題に対し、参加者全員で議論し、「何か」(答えであったり、アイディアであったり)を見つけるワークショップです。しかし、ただ議論してしまうと衝突する可能性もあるため、下記3つのような心構えとルールを設けるとよいでしょう。
- 質より量を重視すること。意見をたくさん重ねていくことで充実したブレインストーミングとなるため、意見が薄いなどといったことは気にせず、思ったことを積極的に発言することを意識する。
- 人の意見を批判しない。自分と反対の意見であってもそれを否定せず、また自分を卑下しないこと。参加者それぞれの意見を尊重することが重要なため、人の意見に対して新しい見解をつなげる姿勢が必要。
- 自分の意見を簡潔に伝えること。多くの意見を聞くことが趣旨であるため、自身の意見は簡潔にし、長くは語らない。
上記を守ることで対立している時期であっても互いの意見を聞くことができ、それによって普段の業務では見えない相手の考え方を受け入れられる可能性が出てきます。
統一期におすすめのワークショップ
混乱期を乗り越えた時期のため、相手と自分への認識をさらに深めて、チームとしても個々としても強度を高めるものを選びましょう。
6.ワールドカフェ
カフェのようなリラックスした環境にこそ新しい発想や知恵が眠っているとして、役職や立場に捉われずにフラットに意見を交換し、相手の話を聞くワークショップです。対話が主体であるものの、議論の答えを見つけることが目的ではありません。参加者同士の認識を深め、さらなる理解につなげることを目指します。対話を楽しむことを意識し、意見を否定せず、相手の話をよく聞くことを心掛けましょう。
やり方は以下の通りです。
- リラックスできる場所を用意し、4~5人のグループをいくつか作る。1つの問いについて話し合い、出てきた意見を紙に記録しておく。
- その後、グループの1人はホストとして残り、残りの人は興味あるグループへ移動する。
- 新しくなったグループで先ほどまでのグループで話し合った内容を共有し、また話し合う。多数のグループの意見が混ざり合い、参加者全員の意見が集まっていく。
- 最後には全体で意見を共有する。
さまざまな意見が全体に伝わるのが特徴です。これにより参加意識が高まり、また短時間で密度の濃い話し合いができた実感を得られます。
7.マインドフルネスワークショップ
他の雑念には目を向けず、いまここに意識を向けることをマインドフルネスと呼びます。メンタルコントロールメソッドとしてビジネスマンにも注目されています。集中力を高め、ストレスの軽減や感情のコントロール向上が期待できます。チームで心を整えられるため、混乱期に戻らないように対人関係の安定性を高めるためにも有効です。イベントに参加するのも方法の1つですが、参加者で決まった時間に瞑想をするのも手軽な手法になっています。みんなで目を閉じ、自分の呼吸だけに集中します。このとき他のことは考えないようにします。身体の感覚に意識を集中する時間を取ることで、参加者全員の心が落ち着き、一体感も得られるようになります。
機能期におすすめのワークショップ
機能期はチームとしてパフォーマンスが高い時期だからこそ、新しいことを始めてみるのもよいでしょう。
8.タニモク
「パーソナルキャリア」が提案する「他人に目標を立ててもらう」ワークショップです。やり方は、4人1組のグループを組み、参加者同士で目標を立て合います。まず、自分の状況を簡単に説明し、質疑応答をする。それに対して他の人が「本人」の一年間の目標を代わりに考えます。そして考えた内容を本人にプレゼンテーションするのが一連の流れとなります。
自分のことは自分だけではわからないものです。自分の話を相手にして、相手のフィルターを通すことで「私が貴方ならこうする」と自分になかった発想と選択肢をもらえることがあります。また潜在的には考えていたこと、望んでいたことを相手が目標として言ってくれて後押ししてもらえることもあるでしょう。
「パーソナルキャリア」が開催するオンラインイベントに参加するほか、公式のマニュアルも配布されているため、紙とペンさえあればいつでも始めることができます。
散会期におすすめのワークショップ
散会期はチームの終わりに近づいているため、締めくくりにふさわしいものを選びましょう。
9.キャリアデザインワークショップ
いまのプロジェクトも終わりに近づき、環境も変化するため、今後のキャリアについて考えるプログラムを提供するのもよいかもしれません。プログラムによって自身の役割や価値観を理解し、将来的に自分がやりたいことを改めて考える機会にしてもらいましょう。キャリアデザインは最終ゴールを決めることではなく、新しいスタートを切ってもらうことを念頭に置き、未来を明るく考えてもらうのが重要です。
10.陽口ワークショップ
陰で相手の悪いことをささやく「陰口」の対義語である「陽口」を用いたワークショップです。「陽口」の対象者が「その場にいない」という前提で他の参加者が対象者の良いところを言ったり、褒めたりします。その後、「陽口」を言われた人は陽口に対する感謝と感想を述べるのが一連の流れです。お互いを知り、対立していた時期を乗り越え、成功体験もともにしたからこそ満足に行えるワークショップです。まわりから見た自分の良い部分を知り、ともに過ごしたメンバーにポジティブな感情を抱いたまま、次のプロジェクトへのモチベーションにしてもらいましょう。
IKUSAの提供するアクティビティ紹介
プレイスポットonline
リモートワークによって失われたコミュニケーションを補う、オンライン体験型のイベント・ワークショップが「プレイスポットOnline」です。
寿司握り体験やヨガ体験、謎解きなど多種多様なプログラムが用意されています。また、プロの講師も誘致し、本格的な内容を実施しています。申し込みは日程を決めて、自社に合ったビデオチャットツールの決定、人数とチームを申し込むだけで、目的に合った企画を提供してもらえます。
チケット制のため社内でストック可能なのも魅力的です。1枚で50人まで参加可能でイベント実施日を申請するだけでよいなど、小回りの利くイベントを企画できます。実施時間は60~90分程度で、当日使用するキットも全て参加者の自宅に郵送され、5~6人のチーム作業がオンラインで行えます。当日は全ての進行をスタッフが行うため、気軽にワークショップを実施したい場合にもおすすめです。
体験内容が豊富なため、全員が不慣れな形成期、メンバー間の衝突があり交流の必要な混乱期、よりチームの結束力を高めたい統一期と、幅広く利用できます。
SDGsビジネスゲーム ワールドリーダーズ
ワールドリーダーズは、企業経営を擬似体験できるビジネスゲームです。一チームが一企業となり、企業の利益をどれだけ上げられるかを競い合います。
利益は、労働力や資本を使って上げることができます。
しかし、このゲームは闇雲に利益を追求するだけでは勝利できず、勝利のためには、社会や環境など、様々なことを考える必要があります。
本ゲームでは SDGsにおける企業の役割だけでなく、戦略の立て方や情報共有、駆け引き、チームビルディングについて学ぶことができます。
機能期に持ち込む最後の一歩におすすめです。
SDGs カードゲーム「2030SDGs 」
カードゲーム「2030SDGs(ニーゼロサンゼロ エスディージーズ)」は、SDGs17の目標を達成するための“道のり”を体験できるカードゲームです。プレイ人数は最低5人から、最大で200人規模まで対応可能です。
このゲームは、SDGsの目的やゴールについて学ぶゲームではなく、「SDGsの本質」について体感的に学べる内容になっており、SDGsについての理解や興味がない人でも、プレイすることで「SDGsとはこういうものなんだ」と理解できます。
例えば、「交通インフラを整える」というプロジェクトを実行するには、お金と時間が必要になり、それと引き換えに新たなお金と時間がもらえます。そして、交通インフラを整えることで経済は良くなりますが、一方で環境は破壊されます。そのため、世界の状況メーターの「経済」はプラスになりますが、「環境」はマイナスになってしまうのです。
また、2030SDGsでは、参加者間でのお金や時間といった資源の交換を自由に行えますし、基本ルールに則ってさえいれば何をしてもOKということになっています。そのため、個人と世界の目標を達成するためにどうするべきかを参加者同士が自主的に考え、意見交換を行えるのです。
お互いのこともわかるので、形成期におすすめです。
ある惑星からのSOS
「ある惑星からのSOS」はオンラインで楽しめる、SDGsと謎解きを掛け合わせたイベントです。 参加者の皆さんは「ある惑星」の課題を解決するというミッションを与えられます。 謎を解いて情報を整理することで、惑星の課題を解決する方法を導き出すことができます。 チームでゲームを進めるなかで、知らず知らずのうちに、今世界で起きている問題や、SDGsの必要性を学ぶことができます。
協力することが重要なので、チームビルディングにも効果があります。
謎解きを楽しむことができるので、幅広い段階に用いることができるでしょう。
SDGs マッピング
SDGsマッピングは、自社の取り組みとSDGsを結びつけるワークショップです。 SDGsの目標を構造化して示した「ウェディングケーキモデル」に自社の取り組みを分類し、自社とSDGsのつながりを見つけます。 IKUSAのSDGsマッピングは、SDGsボードゲーム「ワールドリーダーズ」もしくはオンラインSDGs謎解き「ある惑星からのSOS」とセットで実施します。ゲームとワークショップをセットで行うことで、ゲームでの体験をより深い学びに落とし込むことができます。また、ワークに入る前に、SDGsの基礎的な内容について解説を行うため、SDGsの知識があまりない方でも気軽に取り組めます。 SDGsマッピングを行い自社とSDGsのつながりを感じることで、SDGsを身近なものとしてとらえ、自分ごと化することができます。
SDGsについてより深く学びたいという時には、ゲームとセットにしてみてはいかがでしょうか。
⇒SDGsマッピングについて詳しく見る
まとめ
チームとは一朝一夕でできるものではなく、お互いに不慣れな時期や衝突を繰り返す辛い時期を経る必要があります。しかし、どんな困難も適切に対応することで乗り越えることができ、乗り越えるたびに強いチームへと成長していきます。リーダーはチームがバラバラにならないようにタックマンモデルの各段階で適切なワークショップを導入して、より強いチームにすることを目指していきましょう。
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