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updated: 2024 

社内表彰とは?ユニークな表彰アイデアや事例、導入手順を解説

社内表彰とは?ユニークな表彰アイデアや事例、導入手順を解説

社員の努力や功績をしっかりと評価する企業は、社員のモチベーションが向上しやすく、離職率の低下が期待できます。そのため、社内表彰制度を取り入れている企業は、社員のエンゲージメント向上によって、企業の業績や社員の生産性などを高める効果が望めるでしょう。そこで今回は、社内表彰の導入手順やメリット、注意点を解説するとともに、社内表彰のアイデアや事例について紹介します。

 

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社内表彰とは?

社内表彰とは、社員が何らかの功績をあげ、会社の業績向上に貢献した場合、それを評価する制度です。社内表彰制度を設けることで、「社員を評価する土壌」があることを示せるため、業務へのモチベーションが高まる効果が期待できます。

株式会社グローバルプロデュースが行った調査によると、エンゲージメント向上施策として表彰制度を導入する企業は全体の63.3%に及びます。また、エンゲージメント向上施策の効果が「非常に出ている」「やや出ている」と回答した企業のうち、効果を感じる施策として「評価・表彰制度の充実」を挙げている企業が24.1%ありました。調査の結果から、社内表彰制度の導入は社員のエンゲージメントの向上に効果があることが分かります。

参考:PR TIMES「【大企業のエンゲージメント向上施策の実態】6割以上が「評価・表彰制度の充実」を実施「離職率改善」など、7割以上が施策の効果を実感」

社内表彰の導入手順

社内表彰を導入する際は、以下のような手順で進めていくとスムーズです。

  1. 制度導入の目的を明らかにする
  2. 表彰内容や選考基準を決める
  3. 褒章内容を決める
  4. 社員に周知する
  5. 表彰を実施する
  6. 反省、改善を行う

まずは、表彰制度を導入する目的を明確にします。たとえば、「離職率を低下させ、長く働き続けてもらう」という目的の場合、表彰内容は「勤続表彰」、選考基準は「勤続10年目の社員」といった設定ができるでしょう。内容を決定したのちに、表彰制度を社員に周知・表彰を行います。制度は導入後も改善を重ね、企業の状況に応じたものへアップデートできるよう心がけましょう。

 

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社内表彰するメリット

社内表彰には、社員のエンゲージメントが向上するといったメリットがあります。ここでは、具体的なメリットについてお伝えします。

社員のモチベーションアップを図れる

表彰の基準があることで、社員は「どの程度努力すれば評価されるか」「どのような人物が求められているか」かが分かります。社員は会社が求める社員像を把握することで、各々が目標を持って仕事に取り組めるようになるでしょう

また、企業が求める社員像を示すことは、理念やビジョンを社員と共有することにつながります。書面だけでは把握しにくい企業の方針を具体的にイメージできる点が、表彰という形を取るメリットといえるでしょう。

部署・業務を公平に評価できる

企業活動では、部署ごとに業務内容が異なります。営業など数字で評価できる業務とバックオフィス業務では、評価されるチャンスに差が出てしまうこともあるでしょう。数字での評価が難しい業務や部署の社員も、平等に評価できるのが社内表彰制度のメリットです。社内に公平感が生まれることで、モチベーションやエンゲージメントの低下を防ぐことにつながります。

社員の離職を防げる

仕事の結果だけでなく過程にまで評価基準を広げることで、より幅広い社員に目を向けられます。今まで注目される機会がなかった社員に、スポットを当てることができるでしょう。努力が正当に評価される社内表彰制度は、優秀な人材の離職を防ぐことにつながります

社内表彰するうえでの注意点

社内表彰制度を実施するうえで、押さえておきたい注意点が3つあります。

運用方法を適切に管理する

社内表彰制度では、ガイドラインを作成するのがおすすめです。表彰制度の概要や基準、ゴールが分かるようにすることで、社員へ方向性をはっきりと示すことができます。

また、部署や業務ごとに目標達成の難易度に差が出ないよう配慮することも大切でしょう。部署や業務内容によって表彰を受ける機会に差が生まれてしまうと、かえって社員のモチベーション低下を招く原因となります。

定期的に内容を見直す

一度制度を作っても、社内の状況は徐々に変わっていきます。同じ制度をそのまま使い続けていると、企業や社員が置かれた状況と噛み合わず、制度がうまく機能しなくなる可能性もあるでしょう。常に社員を正しく評価できる内容にするため、定期的に見直すことが大切です

誰もが納得できる制度とする

表彰の際は評価理由をしっかりと明らかにし、全社員が受賞に納得できる環境を整える必要があります。曖昧な理由であったり、現場社員の認識とかけ離れた評価を下したりすると、会社への不信感につながるかもしれません。表彰の機会は公平に与えつつ、企業理念や社内規定に背かない表彰内容を検討しましょう

社内表彰のアイデア10

ここでは、具体的な社内表彰のアイデアを紹介します。汎用性の高いものや個性的な内容までピックアップしています。

勤続表彰

長年に渡り企業に勤め貢献してきた功績を讃える表彰です。一般的には5年、10年、20年など節目の年に開催します。経験豊富な社員の価値を示すきっかけとなるでしょう。勤続年数は分かりやすい評価基準のため、全社員に公平にチャンスがあります。表彰制度としては大変取り入れやすいでしょう。

新人賞

新人賞は、入社して間もない社員が対象になる表彰です。入社1年目の社員を対象とする場合、新しい環境に適応し成果を出せているか、営業成績、新規事業への関わりなどが評価基準として考えられます。新卒社員に限らず中途社員も対象にすると公平感が増すでしょう。社会経験の差も考慮し、新卒と中途は別枠で選出するのがおすすめです。

MVP

年度内で最も企業に貢献した社員を表彰します。評価基準はさまざまな内容が考えられ、たとえば、営業成績や貢献度の高い事業の立ち上げなどがあります。部署や業務ごとに選出すれば、多くの社員にチャンスを与えられるでしょう。表彰の際は、何がMVPとして評価されたかの理由を明確に示すことが大切です。

グッドジョブ賞

会社の掲げる方針や企業倫理を実行している人を表彰するグッドジョブ賞は、自社が求める人材について表彰を通じて示すことができます。社員は、同僚や上司、部下が表彰されることで、企業の考えや方針を理解できるでしょう。

アイデア賞

これまでになかった斬新な企画や事業を立ち上げた社員を表彰します。新しい業務プロセスやコストカットのアイデア、社会ニーズにマッチした事業創出などが評価の対象として考えられます。アイデア賞を設けることで、他社への競争力が生まれ、それを牽引するような社員の育成にもつながるでしょう。

カスタマーサービス賞

カスタマーサービス賞では、顧客対応やサービスにおいて優れた実績を残した社員を表彰します。クレーム処理など、普段光の当たりにくい部署を評価できるので、該当部署がある場合には設置するのがおすすめです。顧客と直接接する仕事を評価することで、サービス内容の改善が期待できます。企業へのファンを獲得することにもつながるでしょう。

大失敗賞

今後の事業につながる失敗をした社員を表彰するのが大失敗賞です。失敗も見方を変えて評価することで、社員のチャレンジ精神を育て、失敗を恐れない企業風土を醸成できるでしょう。事業を拡大させていきたい中小企業や社員の主体性を育てたい大企業など、多くの企業におすすめの表彰です。

ほめ上手で賞

部署やチーム内でメンバーをサポートし、功績につなげた社員を表彰します。功績そのものだけでなく、その過程で活躍した社員にも注目することで、多くの社員にチャンスを与えられます。また、メンバーへのサポートを評価することで、コミュニケーションの活発化が期待できるでしょう。

縁の下の力持ち賞

主にバックオフィス業務の社員を対象とする表彰です。バックオフィス業務にあたる社員は、数字で結果が出る業務ではないため、スポットを浴びる機会が少なくなりがちです。そのため、表彰を通して、多くの社員に業務の重要性を示せるでしょう。縁の下の力持ち賞は社員同士の相互理解につながります。

ピアボーナス賞

ピアボーナス賞は、会社から評価されるのではなく、社員同士で評価し合う表彰です。より現場の感覚に近い評価を下すことができるため、社員の納得感を得られるでしょう。

表彰の方法としては、普段からコミュニケーションツールを使用している場合、サンクスポイントやスターを贈られた数で表彰者を決めるものが考えられます。デジタルツールがなければ「サンクスカード」と投稿用のポストを社内に設置して集計するのがおすすめです。

社員に喜ばれる社内表彰の褒賞は?

表彰を行ううえで、その努力に見合う褒賞は社員のモチベーションを左右します。社員に喜ばれる社内表彰の褒章を紹介します。

金一封、金券

現金は使い道が広いので喜ばれやすい褒賞の代表です。ただし、金額で評価することになるため、内容は慎重に検討しましょう。そのほか、金券も喜ばれやすいですが、利用施設が限定的な金券だと恩恵を感じにくくなってしまうので配慮が必要です。

トロフィー

トロフィーも褒賞に考えられます。社長自ら授与するような大きな表彰では、トロフィーのように記念として形に残るものがふさわしいでしょう。ただし、実用性には乏しいため、名誉ある表彰の褒賞に限定するのがおすすめです。

特別休暇

リフレッシュ休暇や海外特別研修など、特別休暇は社員に人気が出ることが予想できます。まとまった労働時間を使って功績をあげた社員に対しての褒章としては、他の社員の理解が得やすいため相性が良いといえるでしょう。

カタログギフト

自分の好みに合わせて選べる自由度の高さから、根強い人気があるのがカタログギフトです。対象者が多い表彰で特に重宝されています。カタログギフトには、さまざまな種類の品物が揃っている総合型や、食に特化したもの、体験を贈るものと数多くあります。表彰内容や企業のカラーに合わせて検討してみるのがおすすめです。

ポイント付与

社内で普段から福利厚生のポイント付与サービスなどを利用している場合、ポイントを褒賞とするのもおすすめです。ポイントに応じて商品との引き換えや対象施設の割引などが利用できるため、日常生活のさまざまな場面で恩恵を受けられる褒賞となるでしょう。ポイントを何に使うかは受賞者次第なので、好みに合わせられる点で自由度が高いのが魅力です。

ユニークな社内表彰の事例5

ここからは、実際に企業で実施されている社内表彰の事例を5つ紹介します。

サイコロの目で賞金額を決定

医療IT事業を展開する株式会社エストコーポレーションでは、月に一回、社内表彰を行っています。内容は謙虚で優しい心の持ち主に贈られる「器が無限大で賞」や、通常業務だけでなく結果を考えている人が選ばれる「たくさん考えているで賞」などユニークなもので、社員は楽しんで社内表彰式に参加しています。

賞を取った社員は、大きなサイコロを振り、出た目に応じて賞金額が決まります。社員が進んで参加できるように、ゲーム要素も取り入れるといった工夫をしているのが特徴です。社内表彰式は、社員のモチベーション向上とコミュニケーションの活性化を目的に開催しているため、明るい社内雰囲気を醸成する一因となっています。

参考:月一回の社内表彰制度 | エストコーポレーションのブログ

失敗からノウハウを残した人を表彰

機械部品や住設機器を設計し製造する太陽パーツ株式会社では、半年に一度、「失敗により会社にノウハウを蓄積した社員」に金一封を贈る表彰を行っています。失敗をした際、罰するよりも激励する方が社員のモチベーションが上がり、会社の雰囲気も明るいものになると考え創設されました。さまざまなアイデアを積極的に取り入れる社風は、多くのメディアに取り上げられています。

参考:太陽パーツ株式会社「失敗は挑戦したものだけに与えられる勲章「大失敗賞」でモチベーションUP!」

ユニークなネーミングで表彰制度を浸透させる

インターネットサービス事業を提供しているスターフェスティバル株式会社では、その月に頑張った社員を讃える表彰制度「セクシー賞」を設けています。さらに、年間で最も活躍した社員には「SEXY OF THE YEAR(セクシー・オブ・ザ・イヤー)」の称号が贈られ、褒賞は「賞金と有給休暇5日間」です。周年記念式典の場で表彰が行われました。ユニークなネーミングは、社内での制度浸透はもちろん、社外からも注目を集めています。

参考:スターフェスティバル 「10期の年間MVP「SEXY OF THE YEAR(セクシー・オブ・ザ・イヤー)」個人賞、まっすーさんにインタビュー! 」

会長や社長から突然の「ホメホメメール」でやる気アップ

医薬品や漢方、衛生雑貨品メーカーの小林製薬株式会社では、会社に貢献した社員に対して、経営層のトップから直接メールを送って功績を讃える「ホメホメメール」と呼ばれる制度があります。社員は個人を知ってもらえた喜びを感じることができ、モチベーションアップにつながっています。

医薬品メーカーの大手として認識される小林製薬株式会社は、抱える社員の数も多いでしょう。トップからのメールは受け手に大きなインパクトを与えるため、効果は絶大なものだそうです。

参考:小林製薬株式会社「ユニークな社内制度」

現場の声を吸収し、発表・表彰の場を設ける

全国にコンビニエンスストアを展開する株式会社ローソンでは、年度内に現場で実行された業務改善や工夫のなかから優秀なものをピックアップし、実行した社員を表彰する「ローソン・チャレンジ大賞」と呼ばれる制度があります。最終審査では、社員が社長・役員に直接プレゼンテーションを行い、受賞者を決定します。全国に店舗を展開し社員数が多い株式会社ローソンでは、見落としがちな現場での功績をすくい上げ、評価につなげています。

参考:ローソン公式サイト「従業員との関わり:人事制度」

まとめ

社内表彰は社員のモチベーションを高く維持するために効果的な制度です。公平な運用をするためには、さまざまな工夫が必要となりますが、離職率低下やエンゲージメント向上を目指すには効果的な施策です。紹介した事例などを参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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この記事を書いた人

さおり
インタビューやコラム記事を中心に執筆・編集に携わっています。その場の雰囲気やその事の魅力がぎゅっと伝わる文章がつくれるよう邁進中。関東在住。犬とゴルフが好き。
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