従業員満足度福利厚生

posted:2022 02.28

updated: 2022 10.21

福利厚生とは?概要や種類、メリットをわかりやすく解説

粕谷麻衣
福利厚生とは?概要や種類、メリットをわかりやすく解説

会社が取り入れるべき制度である福利厚生。ほとんどの企業が福利厚生を取り入れているでしょう。ただ、「そもそも福利厚生はなんのために取り入れるのか」「取り入れることでどのようなメリットがあるのか」はあまり知られていないかもしれません。

福利厚生の概要や種類、メリットなどを正しく把握することは、よりいっそう従業員の満足度を高める制度を検討することにつながるもの。人事担当者は必ず、福利厚生への理解を深めておく必要があります。

そこで、今回は福利厚生の概要や種類をはじめ、会社側が得られるメリットについて解説します。売り上げを従業員に還元したいと考えている方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。

 

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福利厚生とは

まずは、福利厚生の概要から解説していきます。福利厚生とはどのような制度であり、どんな内容があるのかを見ていきましょう。

給与とは別に従業員や家族へ提供する

福利厚生とは、給与とは別に従業員や従業員の家族へ提供する報酬のことです。「報酬」というと給与をイメージしがちですが、福利厚生における報酬は給与ではありません。一般的には、特定施設の割引や取得できる休暇を増やすことなどが挙げられます。

福利厚生を設けるにあたり、必ずしも「どんな内容を設定すべきか」は明確に定められていません。そのため、会社側の資金事情と照らし合わせたり、従業員の需要をチェックするなどして、会社ごとに自由に福利厚生を導入できます。

ただし後述するように、社会保険関連の福利厚生は法律で義務づけられています。会社側が一方的に社会保険関連を打ち切る、そもそも社会保険を完備しないなどの判断は法律違反のおそれがあるので注意しましょう。

福利厚生の内容はさまざま

一口に福利厚生といっても内容はさまざまです。従業員への提供が義務付けられている社会保険のほか、スポーツジムなどの特定施設における割引サービス、特別な休暇を認める制度などがあります。

一般的に福利厚生として、企業が取り入れている内容は以下のとおりです。

  • 社会保険関連
  • 特定施設の割引
  • 特別休暇取得の許可
  • 交通費支給
  • 駐車場完備
  • 親睦を兼ねた社内イベント
  • 子育て関連のサポートや手当
  • 住宅関連の補助
  • 社員食堂の完備

対象者は幅広い

福利厚生の対象となる範囲は意外にも広いです。正社員はもちろんのこと、非正規であるパートやアルバイト、派遣社員なども福利厚生を受けられます。

ただし、福利厚生の内容においては、正社員と非正規社員とで異なることが少なくありません。会社の資金事情により福利厚生へお金をかけられないことから、正社員には交通費を全額支給しているにもかかわらず、非正規社員には交通費に上限を設けているといったケースがよくあります。

会社としてはコストの制約からくるやむをえない対応でしょう。とはいえ、福利厚生の内容を正社員・非正規社員でまったく同じように設定すると、非正規社員だけでなく正社員側からも「不平等だ」と反発の声が挙がることもあります。福利厚生を導入する際は、制度を適用する当事者の範囲について慎重に検討しましょう。

福利厚生の種類

福利厚生には、大きく「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。それぞれ前提となるポイントがまったく異なるため、福利厚生を取り入れる際には必ず把握しておかなければなりません。

ここからは、法定福利厚生と法定外福利厚生の詳細を解説します。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、法律で定められた福利厚生のこと。法定福利厚生は、会社側の負担で従業員に提供しなければなりません。典型は「社会保険関連」です。

社会保険関連を細かく見ていくと、雇用保険や労災保険、厚生年金保険などがあります。全従業員の各保険料を会社が負担して、福利厚生として保険制度を従業員へ提供するよう法律で定めているのです。また、社会保管関連のほか、子ども・子育て拠出金も法定福利厚生に該当します。

法定福利厚生は、企業が必ず従業員に提供しなければならない福利厚生です。後述する法定外福利厚生とは異なり、会社側の判断だけで提供の中断はできません。万が一、法定福利厚生を設けずに会社の経営を続けてしまうと、所轄官庁から警告文書が届いたり、立ち入り検査が実施されたりすることがあります。結果的に企業の信頼性を損なう可能性が高いので、法定福利厚生はどんな事情があっても必ず設けてください。

法定外福利厚生

法定外福利厚生は、会社側の判断で設けるかどうかを決められます。基本的に、社会保険関連と子ども・子育て拠出金以外の福利厚生は、法定外福利厚生に該当します。交通費の支給や社員食堂の完備、住宅関連の手当などはすべて法定外福利厚生です。

法定外福利厚生はあくまで任意の制度ですが、実際は企業の規模を問わず多くの会社が取り入れている状況です。法定外福利厚生が充実していると、社員の満足度が高まり、次項で触れるさまざまなメリットを得られます。

また、法定外福利厚生の内容によっては、「ユニークな福利厚生を設けている」「社員目線の福利厚生が多い」として、社内外からの評判も高まるでしょう。法定外福利厚生の充実度は、会社のイメージに関わるといっても過言ではありません。

福利厚生のメリット

福利厚生にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは充実した福利厚生による会社のメリットを解説します。

社員のモチベーションアップ

福利厚生のメリットとしてまず挙げられるのが、従業員のモチベーションアップです。

従業員のモチベーションを高めることは、仕事のパフォーマンスの向上につながるだけでなく、会社全体の生産性にも大きく影響します。実際、会社が福利厚生として特別休暇の取得を許可すれば、従業員は適度なリフレッシュができるでしょう。「また仕事を頑張ろう」という気持ちで、業務にのぞめるはずです。

また、福利厚生として親睦を深める社内イベントを実施すれば、チームワークの向上が期待できます。お互いに刺激し合える環境で業務ができるようになります。

このように従業員のモチベーションは、会社の売り上げに直結する部分でもあるため、福利厚生を充実させることは重要でしょう。

ちなみに、福利厚生が少ない企業は、従業員のモチベーションが低い傾向にあります。売り上げが従業員へ適切に還元されていない状況では、従業員のやる気が下がってしまうからです。会社に貢献したいという意識も低く、結果的に生産性の低下やミスの増加などに陥るリスクがあります。場合によっては、会社全体の売り上げが下がることも考えられるでしょう。

上記を踏まえると、福利厚生の存在は会社にとって大きなものであることがわかります。

社員の離職率の低下

充実した福利厚生は、社員の離職率の低下に寄与します。近年、労働人口が減少していることもあり、慢性的に人手不足に陥っている現場が少なくありません。人手不足の現場にとって、従業員の退職は避けたいところでしょう。福利厚生の充実は、企業にとって深刻な問題である「離職」に一定の効果が期待できるのです。

福利厚生の内容が充実しているだけでも、従業員は「会社は私たちのことをきちんと考えている」と感じるものです。そのうえ、従業員の需要にマッチした福利厚生を提供できれば、他の企業への転職に躊躇する従業員も増えるでしょう。実際、転職先を選ぶ際には福利厚生の内容も重視するケースは多いです。今働いている会社よりも福利厚生が充実している企業がない、と従業員が判断すれば、自社にとどまってもらえる可能性が高まります。

また、福利厚生として「働きやすい環境を整える」「復職しやすい環境を準備する」といった目的に合う制度を取り入れることで、さらなる離職率低下を期待できます。たとえば、結婚や子育てを理由に退職しても、いつでも再就職として復帰できる福利厚生や十分な育児休暇が取得できる制度を設ければ、子育て世帯の従業員を確保しやすくなるでしょう。

生産性の向上

福利厚生は、従業員の生産性を向上することにつながります。会社において、従業員の生産性の向上は必要不可欠。「勤務時間でどれだけの成果を上げられるか」「限られた資源の中でどこまでビジネスを加速できるか」などは、会社全体の売り上げに影響します。

とくに、まだまだ成長過程にある企業の場合、会社の規模を大きくするためにも従業員の高い生産能力が重要です。しかし、会社によっては従業員のスキルが低かったり、そもそも働く意欲が低かったりするせいで、生産性がなかなか上がらないケースが見られます。

福利厚生として、資格取得費用を企業側が負担したり、働く意欲を刺激できるようなリフレッシュ関連の制度を設けたりすれば、従業員のスキルアップや意欲の向上を期待できます。

とくに資格取得では、取得費用を支給するだけでなく、業務に合った資格をピックアップして紹介することもおすすめです。また、リフレッシュ関連の福利厚生では、レジャー施設の割引や特別な休暇を自由に取得できる制度などが適しているでしょう。

従業員の健康維持

スポーツ関連や健康関連の福利厚生を取り入れれば、従業員の健康維持が期待できます。従業員の健康維持は企業にとって重要な課題です。残業が多いために従業員が体調を崩したり、多忙により食事がままならなかったりするような状況は避けなければなりません。従業員の健康に不安がある場合は、スポーツジムの利用料を割引する福利厚生を提供したり、ランチの費用を会社が負担したりすることがおすすめです。

運動は健康を維持するうえで重要な取り組みといえます。しかし、スポーツジムの月額利用料は従業員にとってやや負担の大きな出費です。そのため、従業員が費用を気にせずに運動を取り組めるよう、会社が負担してあげる必要があります。

運動同様に食事面も健康で重要な部分です。栄養バランスの整った食事は健康の基本。しかし、忙しい現代人の多くが、栄養の偏った食生活をしている状況です。また、「食費を浮かせるため」とカップラーメン生活をしていたり、ランチを抜いたりする様子も見られます。福利厚生として、格安の社員食堂を設ける、もしくは従業員のランチの費用を会社が負担することで、上記の食生活の課題は解決できるでしょう。

いずれの福利厚生も、会社にとってはやや大きなコストとなるかもしれません。しかし、社員の存在により会社が存続できていることを考えると、一種の投資ともいえるのではないでしょうか。

社会的信用性の向上

福利厚生は、意外にも社会的信用性の向上に結びつきます。そもそも、福利厚生が充実しているという点は、「社員を大切にしている」「売り上げを適切に活用している」などのイメージに結びつきます。そのため、福利厚生を充実させるだけでも、会社の社会的評価は上がるのです。

社会的評価が高まれば、新たなビジネスチャンスが舞い込みやすくなります。「イメージのいい会社だから」という理由で、新たな顧客開拓につながるかもしれません。

ちなみに、福利厚生がほとんど設けられていない企業は、ブラック会社のイメージが大きくなってしまいます。とくに法定福利厚生しか設けていない企業は、社員を大切にしないというネガティブな印象を与えてしまいます。

近年は、企業イメージが重要視される時代であるため、ネガティブな印象を与える状況は危険です。福利厚生が不足していると感じる場合、従業員のニーズを確認したうえで追加していくようおすすめします。

福利厚生のデメリット

福利厚生は企業にとって大きなメリットが多い一方で、懸念すべきデメリットもあるのが事実です。コスト面や手間の負担などさまざまなデメリットが生じるため、福利厚生を設ける前にきちんと把握しておきましょう。

コストがかかる

福利厚生の最大のデメリットといえるのが、コストがかかる点です。どの福利厚生にも一定のコストは発生します。魅力的な福利厚生でも、資金が足りないためにあきらめることもあるでしょう。社内の資金事情と希望の福利厚生内容のバランスを見ながら、取り入れる内容を見極める必要があります。

ちなみに、比較的コストの低い福利厚生といえるのが、休暇取得制度や自社系列施設の利用料割引などです。いずれも気軽に導入しやすいため、検討してみてはいかがでしょうか。

全社員の要望を叶えることは難しい

本来であれば、福利厚生は従業員の需要に応える形で導入することが望ましいもの。しかし、実際に全従業員にヒアリングしてみると、さまざまな意見が挙がります。それぞれ性格やライフスタイルなども異なるため、需要にバラつきが出ることも少なくありません。全従業員の要望に沿う福利厚生は難しいのが現実です。

また、全従業員の需要に応えようとたくさんの福利厚生を設けると、企業の資金を確実に圧迫します。とはいえ、会社側の都合だけで福利厚生の内容を判断するのは好ましくありません。ある程度、従業員から福利厚生の希望や理想をヒアリングし、傾向を見ながら多数の従業員が納得できる制度を考える必要があります。

管理の手間がかかる

福利厚生を設けるうえで盲点となりやすいのが管理の手間です。企業における福利厚生は、「導入したら終わり」ではありません。従業員の利用状況を確認したり、支出を計算したりなど、さまざまな手間がかかります。当然、福利厚生の数が多いほど管理の手間も増えるため、安易に制度を増やすことは好ましくありません。

誰が福利厚生の管理を対応するのか、経理面は誰がどの程度介入するのかなどをきちんと明確にしたうえで福利厚生を追加する必要があります。

また、追加分の福利厚生の管理を同じ担当者に任せると、キャパオーバーとなるリスクもあるため注意が必要です。福利厚生を取り入れる際には、管理の手間がどれくらい増えるのかを明確にしておきましょう。

一度取り入れると廃止のハードルが高くなる

福利厚生は、一度取り入れると廃止のハードルが非常に高くなります。
たとえば、福利厚生として従業員のランチ費用を会社で負担することになった場合、会社の経営が悪化したことを理由に廃止すると、従業員から反発の声が上がる可能性が高いです。従業員の不信感にもつながり、離職率の上昇を引き起こすかもしれません。

また福利厚生として社宅を完備すると、物件の契約解除の手間が増えるだけでなく、入居者に退去の理解を得たり、退去準備してもらったりする必要があります。

このように福利厚生によっては気軽に廃止できないことも多いのです。そのため、福利厚生を取り入れる際には、今後の経営状況や資金事情などをきちんと理解したうえで、慎重に検討しなければなりません。基本的には、よほどの事情がない限りは、福利厚生の廃止は難しいと考えておきましょう。

まとめ

福利厚生の導入は、従業員だけではなく会社にもさまざまなメリットがあります。そのため、企業の規模を問わず積極的に取り入れたほうがいいでしょう。ただし本文で説明したようにデメリットもあります。メリット・デメリットを正しく理解し、無理のない範囲で自社にピッタリの福利厚生を導入してみてください。

この記事を書いた人

粕谷麻衣
1993年生まれ。栃木県在住。一児のシングルマザーライター。Web媒体・紙媒体にて、ジャンルを問わず多くのメディアで執筆。BtoB向け記事の他、ママ目線でのコラム執筆も手掛ける。専門家や起業家などへの年間インタビュー数200人を目標に、パワフルに活動中。
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