企業研修

2021 07.16

リモ探

アクティブラーニングを企業研修に活用するメリットやポイントを解説

IKUSA.jp編集部
アクティブラーニングを企業研修に活用するメリットやポイントを解説

アクティブラーニングは、学習者自身が主体性を持って意欲的に学べるように工夫された学習方法です。元々は学生への教育手法の一つとして考案されましたが、現在では人材育成などを目的として、企業の研修にも活用されています。

今回は、アクティブラーニングの概要、アクティブラーニングを企業の研修に導入することのメリットやポイント、アクティブラーニングを活用した代表的な手法についてそれぞれ解説します。企業の人事担当や研修担当の方は、ぜひ本記事の内容を参考にして、自社の研修に導入してみてください。

アクティブラーニングとは

アクティブラーニングは、学習者同士が、与えられた研修テーマを解決するための情報や自身の考えを発信し、学習を進めていく方法です。アクティブラーニングでは、ディスカッションやチームビルディングゲーム、ビジネスシミュレーションなど、さまざまな学習形式が取り入れられています。

アクティブラーニングは、元々は学生への教育手法の一つとして活用されていました。しかし、近年ではビジネス人材向けのアクティブラーニング研修も多く開発され、企業研修として取り入れられることも増えています。

アクティブラーニングが注目される理由

アクティブラーニングは、20128月に開催された文部科学省「第82回中央教育審議会」において、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」学習方法として位置づけられました。

現代社会では、少子高齢化や経済グローバル化などの影響により、企業には労働者の生産性向上が求められています。そのような中で、企業人材の能力を総合的に高めていく育成手段として、学習者の主体性やコミュニケーション能力、問題解決力を醸成できるアクティブラーニングは、企業研修の一つの手法として注目されています。

アクティブラーニングを企業の研修に活用するメリット

アクティブラーニングを企業の研修に活用することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか?

主体性やコミュニケーション能力の向上

アクティブラーニングは、学習者自身が目的意識を持って学習できるように、学習方法や研修カリキュラムが工夫されています。学習者が目的を持って学びを深めることで、主体性が培われることにもつながるでしょう。

また、アクティブラーニングを取り入れた研修の多くはグループワークを行います。研修で与えられたテーマ課題を解決するために、グループ内でディスカッションや合意形成を行うことで、他者との強調性やコミュニケーション能力の向上も期待できます。

さらに、学習者個々が主体性を持ってグループワークに参加することは、リーダーシップ力の醸成にも良い影響を与えます。

アクティブラーニング研修を、新入社員や中途社員の育成プログラムに取り入れることで、講義や座学のみの研修よりも学習効果が高まります。場合によっては、早期の戦力化も可能となるでしょう。

問題解決力や発想力の向上

アクティブラーニングでは、与えられたテーマ課題に対して個人やグループで協力して解答を導き出すことが求められます。グループワークを通じて他者の意見や考えを共有し理解することで、テーマ課題に対する客観的、多角的な視点を培います。そして、さまざまな課題に直面した際の問題解決力を身につけることにつながります。

また、与えられたテーマ課題に対する自身や他者の意見を整理することで、新たなアイディアを発想する力や創造性などを醸成することもできるでしょう。

学習知識の定着

学習者が主体的に研修に取り組むことは、従来の一方的な講義形式の研修よりも学習知識の定着が期待できます。講師による講義を一方向的に行うような従来の研修では、受け身の状態で研修に参加する学習者も少なくありません。

しかし、研修にアクティブラーニングを取り入れることで、学習者自身が主体性を持って、意欲的に研修に参加してもらえるように働きかけられます。研修の場で自身の考えを他者に伝えたり、協議したりすることは、内容のインプットとアウトプットとなり、学習内容への理解を深めたり、定着へとつなげたりすることが可能となります。

オンラインでも導入が可能

昨今では、リモートワークを導入する企業が増加傾向にあります。それに伴い、オンライン上で研修を実施するオンライン研修を導入するケースも増えています。オンライン研修は、従来のような集合型の研修のように、一度に一つの会場に参加者を集める必要はありません。場所を選ばすにどこからでも研修に参加できることが大きな特徴です。

また、オンラインでは、参加者からの意見を集計するツールや、参加者同士で画面を共有できるホワイトボードツールなどの豊富なオンラインツールも活用できます。それらを有効に活用することで、オンラインでは難しいと思われるアクティブラーニングやグループワークなども実施が可能です。

アクティブラーニングを企業の研修に取り入れる際のポイント

アクティブラーニングを企業の研修に取り入れる際の3つのポイントについてそれぞれ解説します。

研修の目的やゴールを明確にする

アクティブラーニングを取り入れた研修では、コミュニケーション能力や問題解決力など、ビジネスシーンで求められるさまざまな能力を磨くことができます。しかし、企業の研修にアクティブラーニングを取り入れたとしても、研修の目的やゴールが明確でなければ、効果的な研修を実施することはできません。

アクティブラーニング研修を実施する際には、「なぜ研修を行うのか」「研修を通じて、従業員にどのような変化を期待するのか」など、研修の目的やゴールを明確にする必要があります。

学習内容を実務で活かせるように工夫する

アクティブラーニングを取り入れ、クオリティの高い研修を実施したとしても、学習者が研修で学んだ内容を実務で活かせなければ研修の効果は薄れてしまいます。学ぶだけではなく、実際に活用(アウトプット)することで、定着していくからです。

アクティブラーニング研修では、学習者が主体的に取り組めるように内容が工夫されています。その一方で、グループワークなどを通じて「ただ楽しかった」という印象で研修が終わってしまうことも考えられます。

コミュニケーション能力や問題解決力など、ビジネスの場面で応用できる能力を身に付けることは重要ポイント。そのためにも、学習者が研修に参加する目的を把握し、学習内容を研修後のどのような場面で生かせるのかを理解する必要があるのです。

つまり、主催者は学習者が実務に活かせるよう、研修内容を工夫しなければなりません。

研修や講師には高いクオリティが求められる

講師が一方向的に講義を行うような従来の講義形式の研修とは異なり、アクティブラーニング研修では、講師は進行役としての役目を強く担っています。
そのため、講師は、研修内容が目的やゴールをから逸れることのないように、学習者に気づきを与えてゴールへ誘導できるような、高いファリテーションスキルが求められるといえるでしょう。

研修の受講者の中には、学習に積極的ではない受講者、前提知識に乏しい受講者がいる場合も考えられます。特にグループワークでは、そのような受講者は他の受講者の学習の質に影響する可能性もあるために、受講者一人ひとりへの気配りなども必要です。

アクティブラーニング研修は、人材育成として効果的である反面、研修の形式や講師には高いクオリティが求められる傾向にあります。

アクティブラーニングを活用した代表的な研修手法

アクティブラーニングにはいくつかの手法があります。次は、アクティブラーニングの各手法を活用した、代表的な研修について解説します。

フィールドメソッド

フィールドメソッドとは、学習者が実際のビジネスの現場に出向き、体験や発見を通して問題解決能力を身に付ける学習方法です。「フィールドワーク」や「フィールドリサーチ」と呼ばれ、現場のビジネスの課題について調査やヒアリングを行い、研究を進めていくことが多い傾向にあります。

フィールドメソッドでは、1日や数日間のような短期間のみならず、数ヶ月にもおよぶ期間で研究を行い、成果を発表する場合もあります。
実際の現場に出向いてビジネスを体感できるため、新人研修から経営層まで、幅広い人材層の育成に活用できるでしょう。

ケースメソッド

ケースメソッドは、実際のビジネスで起きたケース(事例)をもとに、そのケースの課題を明らかにして解決策を導き出すことを目的とした学習方法です。
ケースメソッドでは、個人、グループ、受講者全体と、さまざまな形式で物事を考えられるように工夫され、自身の意見を他者にわかりやすく伝える力や課題を多角的に捉える力の向上へとつながります。

実際のビジネスケースという実践的な課題に対して、学習者自身のこれまでの知識や経験をもとに、主体的に考えることを促します。そのため、中堅層以上のビジネス研修やマネジメント研修で導入される傾向が多くあります。

ジグソーメソッド

ジグソーメソッドとは、いくつかに分割されたテーマ課題の情報をもとに、学習者同士が協力し合いながらテーマの解決を目指す学習方法です。ジグソーメソッドは多くの場合、グループワークで進行します。
個々人の持つ情報は口頭でしか他者に伝えられないというルールのもとで進行するため、他者へ情報を的確に伝える力やコミュニケーション能力、情報整理力など、ビジネスでも求められる能力の醸成が期待できる研修です。

ThinkPairShare(シンク・ペア・シェア)

ThinkPairShar(シンク・ペア・シェア)は、他者と自身の意見を比較することで、自身の考えを深め、より明確にしていくための学習方法です。ThinkPairSharでは、研修のテーマについて個人で数分間考えた後、ペアになってそれぞれの考えを伝え合い、議論する形式をとります。

その際、両者で意見が異なる場合にはそれぞれの回答の根拠を確認し、意見の統合、あるいは意見の不一致を決定します。ペアワークが終わったら、参加者全体へ、話し合った内容を紹介し、他者の物事の捉え方や考え方への理解を深めていきます。

ThinkPairSharでは、他者との相互理解を通じて、自身の視野を多角的に広げ、柔軟な発想力を磨くことができます。

LTDLearning Through Discussion

LTDLearning Through Discussion)とは、学習能力や思考力、チームワークを向上する学習方法であり、「話し合いの学習法」とも呼ばれています。LTDでは、学習者には事前学習が要求され、その事前学習でまとめたノートをもとに、テーマ課題についての理解や評価をグループで深めていき、知識の習得を目指しています。

ピア・レスポンス

ピア・レスポンスとは、研修テーマにおけるレポートやプレゼンテーションなどを準備する過程において、そのアウトラインを、他者の目を通して検討することで、改善のヒントや新たな気付きを得ることを目的とした学習方法です。

アウトラインを作成することは、読む、書く、伝える、聞く(聴く)、といった、ビジネスシーンでも重宝される能力を磨くことにつながります。ピア・レスポンスを実践することで、相手にわかりやすく伝えるための表現力や、フィードバックを受けて改善へ向けて行動することの大切さを学べます。

ラウンド・ロビン

ラウンド・ロビンは、複数人で意見やアイデアを出し合って新しい発想を生み出す、ブレインストーミングの簡易版と呼べる学習方法です。ラウンド・ロビンでは、46人のグループで順番にアイデアや意見を出していき、それらの意見について質問や評価はせず、新しい考えを次々に発言していくことがポイントです。学習者全員に発言する順番が回ってくるため、普段は消極的な人でも自身の意見や考えを発信する機会を作りやすいことも特徴的です。

マイクロディベート

マイクロディベートは、3人一組に分かれ、肯定側、否定側、ジャッジの三役を交代しながら、3回のディベートを行います。通常のディベートと同様に論理的思考力や表現力を高められ、短時間で実施することができる学習方法です。

アクティブラーニングを活用したゲームや研修の事例

アクティブラーニングを活用した6つのゲームや研修の事例について紹介します。

リモ探

リモ探はオンラインで実施可能な、ジグソーメソッドを活用した推理ゲームです。仲間と協力をしながら推理を進めるなかで、コミュニケーション力や情報整理能力、論理的思考力を身につけることができます。

参加者は、はじめに2〜30名の「小グループ」内で、与えられた情報を確認・整理します。小グループはいくつかあり、それぞれのグループに別々の情報が与えられています。

小グループ内で情報を整理できたら、次は「大グループ」へと移動。それぞれが持つ情報を共有し、推理を進めていきます。

その後再び小グループにて各々が入手した情報を共有し、さらに推理を深め、最終的に大グループとして一つの答えを導き出します。

ゲームをクリアするには参加者同士の協力が必要不可欠。オンラインで大人数でもできるアクティブラーニング研修をお探しの方に、ぜひおすすめしたい内容となっています。リモ探の資料ダウンロードはこちら

リモ研

リモ研は、株式会社IKUSAが開発した、ビデオチャットツールを活用したオンラインコミュニケーションのコツやビジネスマナーなどを学べる研修です。研修は全てオンライン上で完結でき、昨今のリモートワーク推奨下でも企業研修として有効に活用できます。

リモ研では、アクティブラーニングの要素を取り入れたオンライン謎解き「リモ謎(謎解きチームビルディングゲーム)」を同時に実施するも可能であり、オンラインでのコミュニケーション能力の向上へとつなげることができるでしょう。

資料ダウンロードはこちら

野球のポジション当てゲーム

野球のポジション当てゲームは、46名で1チームに分かれ、1人につき34枚配られるカードに書かれている野球のポジションに関する情報をもとに、チーム内で誰がどのポジションを担っているのかを当てるゲームです。

自分に配られたカード以外は見ることができません。チーム内で自分のカードに書かれている情報を、口頭にて正確に伝え、正解を導き出すことが求められます。グループワークを通じて、メンバーの話す内容を整理する力や、相手に自分の情報を正確に伝える力を鍛えることができます。

合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINE

コンセンサスゲームとは、参加者同士でコンセンサスを得る(合意形成)ことで、与えられたテーマ課題の解答を導き出すゲームです。コンセンサスゲームでは、ジャングルや宇宙などを舞台としたストーリーの中で、グループで所有しているアイテムに優先順位をつけ、グループ全員からのコンセンサスを得ることで、危機的状況から脱出することを目的としています。

コンセンサスを得ることは、実際のビジネスシーンでも非常に重要なスキルであり、ゲームを通じてコンセンサスを得る方法やその難しさを体感できます。参加者全員が協力しなければ解決までたどり着けないため、グループ内で自然とコミュニケーションを図るようになることが特徴的で、チームビルディングの向上にも効果が期待できます。合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINEの資料ダウンロードはこちら

アクティブ・ブック・ダイアログ

アクティブ・ブック・ダイアログは、「NPO法人 場とつながりラボhome’s vi」の正会員である竹ノ内壮太郎氏によって開発された読書法です。アクティブ・ブック・ダイアログでは、一冊の本から学習者一人ひとりに担当のページを割り振り、一冊の本を学習者全員で読み進めていきます。

学習者一人ひとりが、担当したページをまとめて一人3分程度で本の先頭の担当からプレゼンし、全体で本の感想や疑問、活動に関する振り返りなどを話し合います。学習者個々の考えを共有することで、本の内容の理解をより一層深めることを目的としています。

アクティブ・ブック・ダイアログは、読書の促進だけではなく、コミュニケーション能力の向上やコミュニティ作りなどのさまざまなメリットを得られる読書法として、企業研修にも活用できるでしょう。

ワールドカフェ

ワールドカフェは、与えられたテーマに基づいて数名のグループに分かれて対話をするゲームです。「優れたアイデアは、カフェでのやりとりのような自由で開放的な話し合いの中から生まれている」という考え方に注目して考案されました。

ワールドカフェでは、参加者が自由に意見を出し合い、お互いの考えについての相互理解を深めることを目的としています。1回あたり20分~30分程度の「ラウンド」と呼ばれる話し合いを複数回繰り返すことで、自分とは異なる価値観や思考を元に、新しい発想へ取り入れるなど、多角的な視点を培うことにつながります。

まとめ

アクティブラーニングは、学習者の主体性やコミュニケーション能力の向上、問題解決力の醸成など、ビジネスに求められるさまざまな能力を培うことができる学習方法です。
アクティブラーニングの活用した研修にはさまざまな種類があり、企業や学習対象者の属性ごとに適した研修を実施することで、企業の人材育成や生産性向上へとつなげることができるでしょう。

従来の企業研修の内容が受講者に定着しない、新しい人材教育の研修を検討しているなどでお悩みの方は、ぜひアクティブラーニングを取り入れた研修を実施してみてはいかがでしょうか。

参考サイト:

この記事を書いた人

IKUSA.jp編集部
IKUSA.jpでは、楽しさを主軸にした体験型のイベントや研修に関する情報をご紹介していきます。オンラインでもリアルでも、参加者全員が楽しめるイベントはIKUSAにお任せください。
RELATED ARTICLES関連する記事
RECOMMENDおすすめ記事
PAGE TOP