posted:2020 07.31
updated: 2023 03.06
職場のコミュニケーションロスを解消し社員の生産性アップをはかる方法

どんな職業でも一人で完結する仕事というのはないでしょう。仕事をする以上、人と人とのかかわりは欠かせません。
仕事は職場でのコミュニケーションから始まりコミュニケーションで終わるということです。
しかしコミュニケーションロスが起きてしまうと企業として大きな損失をこうむることになります。
今回はそのコミュニケーションロスが発生してしまう原因とその対策についてお話します。
コミュニケーションロスとは
コミュニケーションロスとはお互いの意思疎通がしっかりと取れていないことで起こるミスや損失のことを言います。
具体的な例をあげると、
- 指示した内容と違う企画書があがってきた
- 上司に伝えたはずの休日に仕事を振られた
- 部下から報告が遅く、トラブル対応が後手に回ってしまった
- 事務部と営業部で意見が食い違う
- 直属の上司の指示とその上の上司の指示に相違がある
など、コミュニケーションが不足していることによるミスのことです。
自分の職場で想像してみてください…
あてはまるものはありませんか?
大きい企業であればあるほどこのコミュニケーションロスが発生しやすい環境が生まれてしまうのではないでしょうか。
プライベートと職場は別物。職場の人にプライベートは一切話したくないし、詮索されたくもない。そして自分自身も相手のことは一切詮索しない。そんな人もいるかもしれません。もちろんそれはそれで尊重しなければならない考えではあります。個人の見解としては仕事とプライベートを分けることは大いにかまわないと思いますが、やはり相手に興味、関心を持つことはとても大切なことではないでしょうか。いくら仕事の付き合いとはいえ、たまにはプライベートな時間をともにすることも大事ではないでしょうか。
チームのメンバーで仕事終わりに飲みにいったり、休日にバーベキューにいったり…
仕事上では垣間見えなった思いもよらぬ一面が見え、それが仕事へプラスに働くこともあるかもしれません。
いつも部下を叱っていて仕事上はとても厳しい上司が実は子煩悩であったり。仕事の上のその顔は部下を成長させるためにあえて嫌な役を担っているのかもしれません。
(ちなみにこれは私が実際に体験した話です…)
また、コミュニケーションロスによってコミュニケーション以外の面でのロスも生まれてしまうかもしれません。
行き違いがあったがゆえに、その意見を再度まとめるために時間をロスします。
そしてそれが言い争いに発展してしまい、信頼関係をもロスします。さらに社内で意思疎通が取れていないことがクライアントにも伝わってしまいクライアントからの評価もロスしてしまいます。
この誰も得しないコミュニーケーションロス。デメリットしかありません。
ではそうならないための原因や対策を考えてみましょう。
コミュニケーションロスが起こる原因
原因は大きく分けると3つあります。
① コミュニケーションの量
支店が増えてくると他支店とのかかわりがどうしても少なくなります。
部署が増えてくると他部署とのかかわりがどうしても少なくなります。
外出や出張が多い社員とのかかわりも少なくなってしまうのではないでしょうか。
そして最近では政府の働き方改革もあいまって、テレワークなどの様々な働き方が普及しています。(テレワークについてはこちら)
いつも顔を合わせていたメンバーと顔を合わせて話す機会が減少します。
必然的に量が減ってしまうこともあると思います。
こういったコミュニケーションの量の低下により大きな損失につながります。
② コミュニケーションの質
前項ではコミュニケーション量が重要だとお話しましたが、ただただ量が多ければいいというわけではありません。
伝え方に問題があっては意味がありません。
くだらない雑談も大切ではありますが、仕事となるとそれだけではどうにもなりません。
よく「ホウレンソウ」が大事だとは言いますが、この内容をしっかりと伝える必要があります。
例えば部下から「そのやり方は聞いていません」と言われたことはないでしょうか。
この原因は教育担当が複数人いて、各々が各々のやり方を教えているから発生します。
もしくは自分は伝えたつもりでも相手には伝わっていないというパターンも考えられます。これもよくあるパターンだと思いますが、相手に伝わっていないなら伝えた側の責任です。わかりづらい指示だったのかもしれません。具体的な指示ができていなかったのかもしれません。知識や経験の違いによっても伝わり方が変わります。
人と人とのコミュニケーションというのは声のトーンや表情、しぐさなどの微妙なニュアンスが非常に重要です。
③ コミュニケーションをはかる関係値・環境
社員同士の関係値
社員同士の関係値が作れていない場合、意見に共感してもらえない可能性や、チームの調和をはかろうとする観点から自分の意見の主張や、問題点を指摘することにためらいをもってしまいます。はたから見ると衝突の少ない、調和のとれた良いチームに見えるかもしれません。
しかしこういった細かいことの積み重ねが大きな機会損失につながっていきます。
コミュニケーションロスが発生していると伝えなければならない情報が共有されず、課題がみつからないまま放置されてしまいます。
上下関係
「今日○○部長機嫌悪くない?」「あの課長って話しかけづらいよね」などという話しを誰しも一度は社内で耳にしたことがあるのではないでしょうか。
あえて声をかけづらい雰囲気を出して、場をしめるという役割をになっている人もいるかもしれません。それはそれでひつのマネージメント手法だと思いますので、否定しません。ただ「今日○○部長期限悪くない?」は最悪だと思います。そもそも機嫌で仕事をしている時点でプロフェッショナルとは呼べないと思います。個人的にはなぜそんな人に部長を任せているのか理解できません。
そんな上司がいる部署は必ずコミュニケーションロスが発生します。
「今日は機嫌悪そうだから明日報告しよ」「今週の会議で報告する予定だったこの課題点、来週の会議でもいいか」などなど、下側から発言や提案、指摘をしづらくなってしまいます。
コミュニケーションロスを防ぐ方法
①マニュアルの作成
特に新人研修マニュアルは必須です。
先輩方が蓄積してきた各々のやり方があると思いますが、新人側の立場で考えるとひとつのやり方を教えてもらった方が頭に入ります。混乱もなくなります。そして新人が成長してきたところで、様々な人のやり方を盗みさらに成長していけばよいのです。
またマニュアルがあれば教える工数も減るので一石二鳥です。
②チャットツールの導入
世の中にはたくさんのチャットツールが存在しますが、共通して言えることはどれも会話調で気軽にやりとりができるということです。主に社内向けのコミュニケーションツールです。
メールだと、文頭に○○部署○○様、お疲れ様です、○○です。とうの定型のあいさつ文がありますが、そういったものは一切不要です。
またプロジェクトごとにグループチャットを作れるので、情報の一元管理もしやすくなります。
このように目的に合わせ、気軽に会話ができるのでコミュケーションの量と質、両方をアップすることができます。
③レクレーションや社内イベントを行う
レクレーションやイベントはコミュニケーションロスのすべての部分を解決できるといっても過言ではありません。
レクレーションやイベントでは
- コミュニケーション量の増加
- コミュニケーションの質の改善
- 普段かかわらない社員とコミュニケーションがはかれる
- モチベーションアップ
- 研修やチームビルディング要素を入れることもできる
などの効果が見込めます。
経費をかけずに行うこともできますし、外部に委託して本腰を入れて行うこともできます。是非検討してみてはいかがでしょうか。
ヒントになりそうなリンクを記載します。
社内交流イベント47選!流れや成功させるポイントも解説
さいごに
仕事というものは一人で完結するということはまずないと思います。
例えば営業の仕事で考えてみます。
会社へ1件の問い合わせがありました。その問い合わせから営業の努力により売り上げがあがりました。そしてその営業は自分だけの努力で売り上げにつながったのだと考えます。
はたして本当にそうでしょうか。確かに営業が努力に努力を重ね、売り上げにつながったことは間違いないでしょう。
しかし、そこに至るまでには様々な人がかかわってはいないでしょうか。
まず、会社に問い合わせがきたということはどういう経緯で問い合わせに至ったのか考えてみましょう。
問い合わせ先を仮に「自社」。問い合わせてきた企業を「クライアント」とします。クライアントはどこで自社のことを知ったのでしょう。
取引先企業の紹介?HP?Facebook?テレビCM?
その取引先企業は誰が開拓したのでしょう。
そのHPは誰が作成したのでしょう。
そしてそのHPに掲載されている実績は誰が残したのでしょう。
Facebookは?テレビCMは???
こう考えただけですでにたくさんの人の協力があるのではないでしょうか。
もちろん事務方の請求書作成や発行に関してもたくさんの人がかかわっています。
こういった社員の方々といかにうまく連携が取れるか。
確かに連携が全く取れていなくてもなんと仕事はまわると思います。
なぜなら仕事なので。仕事なので皆最低限求められたことはやります。
ただどうでしょう。
全く知らない社員から振られた仕事と、いつもよくコミュニケーションをとっている社員から振られた仕事。
どちらの方が先に手をつけるでしょうか。
もちろん仕事内容にもよりますが、ほとんどの方が後者ではないでしょうか。