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updated: 2024 

【事例あり】子どもが喜ぶ「戦国宝探し」で地域活性化を実現

【事例あり】子どもが喜ぶ「戦国宝探し」で地域活性化を実現

自治体をプロモーションする「地域プロモーション」。事業構想大学院大学の調査(2018年)によると、地域プロモーションにかける年間予算が100万円以下の自治体は年々減少しています。地域プロモーションの重要性が広く認知されるようになった結果でしょう。

 

SNS活用、移住促進、キャラクターとのコラボレーション……地域プロモーションの手段がさまざまある中、いま注目されているのが「戦国宝探し」です。戦国宝探しを提供する株式会社IKUSAの事業開発マネージャー・吉野禎央さんに、地域プロモーションとして戦国宝探しを実施することについてお話をうかがいました。

 

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謎解きとウォークラリーをかけ合わせた「戦国宝探し」

 

 

戦国宝探し」は、いわば謎解きイベントとウォークラリーを掛け合わせたアクティビティです。単なるウォークラリーと異なるのは、謎を解くことで次に目指すべきポイントがわかる仕組みになっていること。宝の地図を手掛かりに、隠された宝物を探して歩きます。吉野さんは「戦国宝探し」のルールを、次のように解説してくれました。

 

「まずスタート地点にて、宝の地図を受け取っていただきます。宝の地図に書かれているのは、その地の歴史や文化にまつわるストーリー。ストーリーに仕掛けられた謎を解くと、次に向かうポイントがわかる仕組みです。推理が合っていればそこに宝箱が仕掛けられているので、その中に書かれている合言葉を解き明かし、それをもとに次のポイントを目指して……という流れを何度か繰り返し、ゴールを目指します。所要時間は2時間ほど。最後に、地域内に設定された場所で答え合わせ。正解ならクリア賞品がもらえて、賞品抽選にも応募できます。(※以下発言は全て吉野さん)」

 

謎を解きながら宝探しをするというワクワク感、子どもはきっと大好きですよね。「戦国」のエッセンスがあまりイメージできないのですが、たとえばどんな事例があるのでしょうか。

 

「岐阜県可児市で実施した例がわかりやすいかもしれません。可児市は、森蘭丸と明智光秀の生誕地。森蘭丸と明智光秀の宝物が隠されているという設定で、謎解きに挑戦していただきました。

 

美濃市の美濃金山城と中津川市の苗木城、そして恵那市の岩村城の3つをもっと有名にしたいと城跡活用団体からご相談いただき、3つのお城にまつわる宝探しをご提案、実施したこともあります。それぞれの自治体にはお城という強い武器があるものの、観光客はそのうちの1つだけを訪れてすぐに帰ってしまう。それぞれの自治体に来る観光客に回遊してもらってはどうか――そんな考えからご提案したプロジェクトでした」

 

多くの場合、担当は自治体の観光課。地域の外から多くの方に観光に来てもらうための施策を実施する部署です。観光課では、常に新たなコンテンツ探しに奔走しているといいます。お祭りなどの準備で手一杯の中、新しいアイデアを出し、実施するのは至難の業。地域活性につながるイベントのプロに委託したいというニーズがあるそう。

 

地元民の協力がイベントを盛り上げる

 

 

「『戦国宝探し』と戦国というテーマに絞ったのは、日本各地にそれぞれ歴史があるので、戦国にフィーチャーすることで子どもたちにもっと地域の歴史を知ってほしいと考えたからです。机に向かって学ぶというより、遊びながら自然と知識が身についているのが理想ですよね。宝探しによって、その地域の歴史について知ってもらえたら」

 

地域プロモーションの効果が認められ、戦国宝探しを毎年実施する自治体も増えているそう。

 

「大人から見ると『地域プロモーションが成功した』ですが、子どもたちは純粋に『楽しいから』と毎年参加してくれています。子どもたちの『宝探し』というゲームに対するワクワク感は私たちが感じている以上のものがありますからね。私たちとしても彼らの期待に応えるべく、1年目とは異なる宝探しを用意してイベントを盛り上げます」

 

1年目の成功は、地域に住む人たちがいかにイベントを盛り上げられるかにかかっているそう。というのも、地域外の人は、そのイベントが盛り上がっているか否かを敏感に感じ取るからです。特にイベントが盛り上がった自治体に共通するのはどんなことでしょうか。

 

「地元の方たちが協力的であればあるほどうまくいきますね。よく例に挙げるのが、鳥取県の大山(だいせん)地区で実施した戦国宝探しです。この地域は夏場、ほとんど子どもたちが来ないんです。というのも、この地区で一番有名な観光スポットがお寺だから。

 

ですがここで宝探しを始めたことで、夏をこの地域で過ごす子どもが格段に増えた。ヒントを教えてあげたり、『暑いからお水でも飲んでいきなさい』と声をかけたりと、年配の方と子どもたちとの交流が生まれ、街全体に活気が出たという感想をいただきました」

 

宝探しにチャレンジする人の満足度のカギを握るのは、「地元の人から歓迎されている」と感じるか否かだといいます。大山地区では、地域の外から来た人と地元に住む人とのポジティブなコミュニケーションが生まれたことで、大山地区だけでなく、もう少し広い地域で戦国宝探しを実施することになりました。

 

「ひとつの地域で実施するだけでももちろん効果がありますが、広域連携になるとさらに効果が上がります。より多くの人を巻き込んでいくことが重要です」

地域プロモーションとして戦国宝探しを実施するメリット

 

とはいえ、多くの方が関わるプロジェクトであればあるほど、実施までにさまざまな手続きが必要となります。戦国宝探しに関心を持った担当者は、どんなふうに実施の合意を取っているのでしょうか。

 

「戦国宝探しを実施することによって、ひとつの観光地にだけ訪れていた観光客が、複数の場所を回遊してくれることを強調されることが多いですね。そうすれば滞在時間が延びるため、食事を摂るなど、その地域でお金を遣ってくれることが期待できますから。

 

加えて、効果測定が容易であること、リピート率が高いことも、ご安心いただけるポイントだと思います」 

 

効果測定は、謎解き後のアンケートによって行います。正解を導き出した人は、賞品抽選の応募用紙を受け取ることができます。その応募用紙にアンケートを盛り込むことで、クリアした参加者からのアンケート回収率が100%に。参加者の属性・満足度・次回参加意欲・改善案など、あらゆる情報を得ることができます。

 

「『来年も戦国宝探しが実施されるとしたら、また参加したいですか?』という問いに対しては、『また参加したい』という回答が平均90%を超えます。そうしたリピートの参加者に加え、新規の参加も見込めるので、参加者数は年々右肩上がりになりますね」

 

準備期間と予算はどのくらいを想定しておけばいいのでしょうか。

「準備期間は3か月ほど。予算は100万円から、広域連携であれば150万円程度です。実施するからにはたくさんの方に参加していただいたほうが効果的なので、数か月かけて実施されることをおすすめしています。時期としては、春休み前や夏休み前、連休の多い9月、過ごしやすい10月、11月あたりがおすすめですね」

 

その地域にまつわるクイズをオーダ―メイドで作成します。現地のことを深く知るため、ロケハンを行い、その地のことを詳細に調べるそう。

 

「結果的に、その地域の観光課と肩を並べられるくらい詳しくなりますね。もともと歴史が大好きなので、他の業者さんには絶対に負けませんよ(笑)」

 

なんとも頼もしい吉野さんでした。地域に子どもを呼び込むために、これ以上ないアクティビティなのではないでしょうか。

 

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この記事を書いた人

前田塁
1987年、大阪府生まれ。大学時にニューヨーク留学、世界一周を経験。新卒で大阪ガス入社後、オプトを経て、TABIPPOで起業しました。現在は、月間250万人が利用する旅行メディア「TABIPPO.NET」の編集長やFMラジオ「FUTURES」パーソナリティー、ブロガー、エンジニアなど。これまでに55ヶ国120都市を訪問、世界二周して、次の夢は宇宙飛行士です。
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