posted:2018 03.22
updated: 2023 01.20
PDCAのない仕事は成功しない!?PDCAのよくある失敗例

PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字をとったもの。
このPDCAを使い、「計画を立てて、実行したことを評価して、改善する」という流れでビジネスを展開すると、効率的かつ効果的に伸ばしていくことができると言われています。
しかし、PDCAは簡単なように見えて、実行するとなると意外と難しく感じてしまうもの。そこで今回は、「PDCA」を上手く回す方法について解説します。
そもそも、PDCAってどういう意味?
PDCAとは、アメリカの物理学者「ウォルター・A・シューハート」と、同じくアメリカの統計学者「W・エドワーズ・デミング」が提唱した概念です。
Plan(計画):目標を達成するために計画を立てる
Do(実行):立てた計画を実行する
Check(評価):計画通りに実行できたか確認、評価する
Action(改善):評価を元に課題を抽出し改善する
これらの4つの概念を順番に実行し、再び「P」から始めることをPDCAサイクルと呼びます。PDCAを回すことで継続的に業務を改善し、効果的に進めていくことができます。
ここで注意したいことは、「Do」と「Action」を混同しないこと。「Action」は「行動」という意味で考えがちですが、それでは「Do」と同じになってしまいます。あくまでも、PDCAにおけるActionは「改善する」という意味であることを忘れないようにしましょう。
体験型合戦研修IKUSAの資料ダウンロードはこちら
どうしてPDCAが必要なの?
PDCAの本質は成功・失敗の結果を問わずその原因を調べて、成功なら同じ方法で再度成功するように、失敗なら二度と同じ失敗を繰り返さないように工夫することです。
そのため、PDCAをおこなわずに進める仕事は、ただ単に“やっているだけ”に過ぎません。やっているだけの仕事は、失敗をもとに学ぶことができないので成長することがなく、たとえ仕事が成功したとしてもなぜ成功したかその原因が分からないため、せっかくの成功体験を次につなげることができません。
だからこそ、PDCAは仕事に必要不可欠な要素であり、PDCAのない仕事は成功しないのです。
PDCAサイクルの実施例
では、例を出してPDCAサイクルを見ていきましょう。
今回は、社員研修を題材にしてみます。どうすれば社員に喜ばれる研修を実施できるかを、PDCAサイクルを使って考えてみます。
☆目的
「ゲームを取り入れた研修で社員の満足度を上げたい」
実際に満足度調査などのアンケートをとり、具体的な数値として測れるようにします。
Plan:計画
研修日時、会場、ゲーム内容(頭を使うゲームか、身体を動かすゲームかなど)を検討します。雨天の場合はどうするか、男女の比率や、部署、役職を考慮してのチーム分けなども考えましょう。
Do:実行
可能な限り計画に沿って研修を実施します。当日の臨機応変さは必要ですが、計画に沿って実行しない場合は評価と改善がしにくくなってしまいます。
Check:評価
実施した研修を振り返り、反応や効果はどうだったのか、検証をすみやかに行います。アンケートなどで研修に参加した社員の声を集め、当日に発生した想定外の出来事を確認します。
次回以降の改善に活かせるため、良い反応・悪い反応いずれの場合も参考にします。
Action:改善
評価を参考に、次回も研修にゲームを取り入れた方が良いか、研修を楽しめなかった社員にはどんな問題があったのかなど、改善点を洗い出します。
これらの改善点を次の計画「P」に取り入れることで、さらに良い研修になります。
この繰り返しがPDCAサイクルです。PDCAサイクルを回し続けることで、研修の精度が上がるだけでなく、様々なケースに対応できるようになります。
PDCAでよくある失敗パターン
上記の実施例のようにうまくPDCAサイクルが回ればいいですが、初めのうちは上手くいかないこともあります。
ここでは、PDCAのよくある失敗例をご紹介します。
失敗その1:計画ではなく願望になってしまっている
PDCAにおいて、最初のステップとなる計画「P」の部分はとても重要です。計画が甘いと、そのあとの工程すべてに影響が出ます。目的があって、それを達成するための計画でないと意味がありません。
「こうなったらいいなぁ」といった願望が含まれているものは計画とは言えず、何もかもがすべて上手くいかないと達成できない計画は論外です。
失敗その2:Planに固執しすぎる
計画はもちろん重要ですが、計画に固執しすぎることも失敗につながります。最初に立てた計画に自信を持つことは良い事ですが、固執すると実際に行動を起こしたあとの評価「C」と改善「A」をする心理的なハードルが高くなってしまします。
失敗その3:DoをせずにCheckしてしまう
計画を実行せずに評価してしまうケースもあります。「失敗その2」と似ていますが、計画することに時間をかけすぎてなかなか実行できず、そのうちに「この計画はこうなる」と実行「D」をせずに自分勝手な評価をしてしまうパターンです。
失敗その4:Actionを行動だと思っている
前にも少し触れましたが、「Do」と「Action」は別物。「Action」は改善点を洗い出す部分です。「Check」のあとにその次の「Action」や「Plan」を飛ばし、いきなり行動してもあまり効果はありません。
PDCAを成功させるコツは?
ビジネスを成功させるためには、PDCAの存在が不可欠。そしてPDCAを回すには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、コツをしっかり押さえて、うまくPDCAを回す方法を紹介します。
コツその1:「P」の計画をしっかりと練る
PDCAを成功させるためには、なるべく具体的に計画を立てましょう。「前回を上回る」などの大まかな目標ではなく、「いつまで」と期限を決めることや、時間や達成数など、結果が万人にわかるように数字で残しておくことをオススメします。
コツその2:計画はあくまで計画と割り切る
計画はあくまでその案件や企画が始動する当初に立てた計画です。計画が間違っていることに途中で気づいた場合は、そのまま実行せずすぐに改善することが大切です。
コツその3:実行した結果をもとに検証する
計画を立てたあと、実行する前から「これをやったとしてもダメだろう」などと想定で決めつけてはいけません。必ずPDCAの順番でサイクルを回し、結果をもとに検証するようにしましょう。実行する前からダメだと感じてしまうのは、Pで立てた計画がしっかりと練られていないからなのかもしれません。
コツその4:結果から改善点をきちんと洗い出す
結果が出たからといって、そのまますぐ次の行動に移すのはNGです。成功・失敗にかかわらず実行したあとは結果に至ったプロセス、理由や改善点を洗い出し、もう一度しっかり計画してから実行に移すことが重要です。
PDCAの基本をしっかり押さえよう
ビジネス、案件や企画を成功させるためには、PDCAの基本的な意味をしっかり理解して実践し続けることが必要です。そして、円滑にPDCAサイクルを回せるように、その都度ポイントを意識しながら仕事をすすめましょう。
体験型合戦研修IKUSAの資料ダウンロードはこちら